「ナチスの科学力は世界一ぃぃぃぃ!!!」
・・・あ、これはこの映画の台詞じゃないか。
しかし、この某漫画の名台詞が頭の中に響き渡るような内容であった。
あの熱かった時代に日本を救ったのは、まるで50年後にジャパンで作られるアニメを先取りしていたかのような萌え萌え下着(ドイツ製)とボディぴったりスーツ(ドイツ製)に身を包んだ美少女だった・・・
すごいねドイツ。
白黒テレビがやっとだった1945年に、フルカラー3Dグラフィック!!
水中分離合体メカ(1945年製)・・・ドイツすげー
改造美少女、ボディフィットなコスチュームで超能力増幅! ドイツ最強!!
そんなもんあるわけねーだろ!!って? ばーか、ドイツだよ。きっと作れたって!!
堤真一「このままでは日本はアメリカに従属するだけの奴隷国家に成り下がってしまうぞ!!」
役所広司「私は信じている。日本人は自らの手で絶望から這い上がると!!」
・・・絶望から這い上がった日本人が作ったのがこの映画か・・・微妙だのお
どぎも抜く攻撃はエンドクレジットでも続く
コスチュームデザイン・・・出渕裕 ぐはっっ!! ダメージ50
絵コンテ協力・・・庵野秀明 ふごっっ!! ダメージ132
B29エンブレムデザイン・・・押井守 BoGooom!!うぎゃあっっ!!! ダメージ240
しんはちからつきた。誰か復活の呪文を
海外で「ブラックホーク・ダウン」や「ブラザーフッド」が作られているというご時世に、我がジャパンはオタクどもが寄ってたかってロリアニメな戦争映画を作るのかい!!!
戦争など遠い昔か遠い異国の出来事となった。アニメっ子たちにとってもはや「戦争をリアルに描く」ことなどなんの意味もない。興味もない。「1945年」は彼等オタクにとって「23世紀」や「中つ国」と同義だ。なんでもあり。萌え萌え少女が戦うファンタジーにして何が悪いと言わんばかりにしっちゃかめっちゃかかき回す。
余談
ロリはロリでも、オタク扱いをかろうじてかわす男がいる。世界のミヤザキだ。ロリ度合いも世界レベルな男だが、彼は美少女たちを「性」から遠いところに置く。せいぜいナウシカのタンクトップとか、キキのあおりショットでちら見せのパンツくらいなもので、彼の映画のヒロインたちはそのもろ処女っぽいイメージ・イノセンスな存在であり、男たちはセックスの対象ではなく神聖な存在として見、少女を守り抜こうと務める。同じことは世界のチャン・イーモウ にも言える。「初恋のきた道」では着膨れスタイルでチャン・ツィーイから「性」の匂いを消した。「至福の時」のドン・ジェは下着姿をこれでもかと見せまくるが、そのシーンに相席させる男に「デブ専」という設定を与えることでそのシーンから「性」の匂いを綺麗に消し去る。これはイーモウ・マジックと呼んでもいいロリ中和の見事な演出だ。それでいて2人とも、誰よりも少女を愛している。
オタクあつかいされる作家たちは少女にべたべたと性のイメージを貼付ける。思うところは同じなのにそれを堂々と主張するオタク。誰よりも「性」を感じてるくせに「性」から遠ざける演出をする巨匠。
「ローレライ」のパウラは、露骨に肉体を想起させるスーツといい、露出度の高い普段着(?)といい、もろに「性」の対象として描かれる美少女である。
美少女=性のイメージ=苦しみながら戦う→もう完全にアニメである。趣味に走り過ぎて、伝えたいメッセージが分離してる。
それは観てる私の偏見とか資質もあるのだが、演出上不可欠な要素であるとは、どうしたって思えない
宮崎駿はメッセージと趣味性のバランス感覚に長けていると思う。
イーモウの場合、チャン・ツィーイをイノセンスからエロ女に3作かけてじっくり飼育していった。そろそろ食べごろとか思ってそうだが、それまでは手をつけない(予想)。作品によってメッセージと趣味を使い分ける。
余談終わり
だが、そんなオタク臭ぷんぷんの嫌悪感をこの映画は「ありえねー」をたっぷり盛り込みバカ祭りにすることですっとばす。
超萌える、あ、いや、超燃えるなぜか熱い男のドラマとなってしまった。
これもしかして樋口慎嗣の才能かもしれない。かっこいい特撮と雑な本編演出で過剰な男臭さを発散させ、オタク臭を中和する。イーモウの「性」中和に匹敵する技かもしれない。
いくら密約があったとはいえ、敵国の人間に原爆搭載B29のフライトプランなんて特A級軍事機密を教えるはずねーだろ
あれだけ大戦闘が起ってるのにB29は緊急発進も出撃遅延もせず定刻通り離陸かよ!!
対艦用の大型砲は離陸した飛行機にはまず命中しません。まして浮上直後の不安定な状態で・・
あんなエロエロ姿の女の子、荒くれ者の潜水艦のりたちにどうして犯されないんだよ!!最初に出会ったのが妻夫木聡でよかったね。パウラちゃん。あれが北村一輝だったらレイプされて奴隷にされてたよ・・・
8月8日に故郷を回想する妻夫木聡。教会・・・坂・・・めがね橋・・・まさかこの街に新型爆弾落とされないよなぁ・・・というこれ見よがしな設定。劇場の皆さん。ここ笑うところですよ。
何よりも超感動なのは、演技陣です。役所広司、石黒賢、鶴見辰吾、伊武雅刀、堤真一、ピエール瀧、みなさんあるものはテレビと、あるものは舞台と、勘違いした演技で、ひたすら濃く熱く。全員が最低3回は笑いを誘う。妻夫木聡のナチュラルな演技がむしろ浮いてしまった。
これほど熱い俳優陣の男のドラマでありながら、アニメな設定とか必要だったんだろうか?
だが、海を埋め尽くすアメリカ艦隊に一隻で立ち向かう潜水艦の姿には、魂を熱くさせるものがある。潜水艦の乗組員はやけくそ。観てるこっちもやけくそ気味だが・・・
話のテンポはよい。男たちは限りなく熱い(暑苦しい)。
ハリウッドと比較すりゃヘボいかもしれないCGも、センスの良さで乗り切る。
何より手段を選ばずにエンターテインメントに仕立てようという根性がよい。
ま、愛すべきバカ映画というところである
・・・が、これが日本の娯楽映画なり戦争映画なり潜水艦映画なり(なんでもいいが)の最高峰と思ってはいけない。
とにもかくにも国を守ることの大切さを教えられました。
さんざんバカにしたけど、この映画にはしっかり泣かされた(うるうるくらいだけど)のであった。
↓面白かったらクリックしてね
人気blogランキング
自主映画撮ってます。松本自主映画製作工房 スタジオゆんふぁのHP
・・・あ、これはこの映画の台詞じゃないか。
しかし、この某漫画の名台詞が頭の中に響き渡るような内容であった。
あの熱かった時代に日本を救ったのは、まるで50年後にジャパンで作られるアニメを先取りしていたかのような萌え萌え下着(ドイツ製)とボディぴったりスーツ(ドイツ製)に身を包んだ美少女だった・・・
すごいねドイツ。
白黒テレビがやっとだった1945年に、フルカラー3Dグラフィック!!
水中分離合体メカ(1945年製)・・・ドイツすげー
改造美少女、ボディフィットなコスチュームで超能力増幅! ドイツ最強!!
そんなもんあるわけねーだろ!!って? ばーか、ドイツだよ。きっと作れたって!!
堤真一「このままでは日本はアメリカに従属するだけの奴隷国家に成り下がってしまうぞ!!」
役所広司「私は信じている。日本人は自らの手で絶望から這い上がると!!」
・・・絶望から這い上がった日本人が作ったのがこの映画か・・・微妙だのお
どぎも抜く攻撃はエンドクレジットでも続く
コスチュームデザイン・・・出渕裕 ぐはっっ!! ダメージ50
絵コンテ協力・・・庵野秀明 ふごっっ!! ダメージ132
B29エンブレムデザイン・・・押井守 BoGooom!!うぎゃあっっ!!! ダメージ240
しんはちからつきた。誰か復活の呪文を
海外で「ブラックホーク・ダウン」や「ブラザーフッド」が作られているというご時世に、我がジャパンはオタクどもが寄ってたかってロリアニメな戦争映画を作るのかい!!!
戦争など遠い昔か遠い異国の出来事となった。アニメっ子たちにとってもはや「戦争をリアルに描く」ことなどなんの意味もない。興味もない。「1945年」は彼等オタクにとって「23世紀」や「中つ国」と同義だ。なんでもあり。萌え萌え少女が戦うファンタジーにして何が悪いと言わんばかりにしっちゃかめっちゃかかき回す。
余談
ロリはロリでも、オタク扱いをかろうじてかわす男がいる。世界のミヤザキだ。ロリ度合いも世界レベルな男だが、彼は美少女たちを「性」から遠いところに置く。せいぜいナウシカのタンクトップとか、キキのあおりショットでちら見せのパンツくらいなもので、彼の映画のヒロインたちはそのもろ処女っぽいイメージ・イノセンスな存在であり、男たちはセックスの対象ではなく神聖な存在として見、少女を守り抜こうと務める。同じことは世界のチャン・イーモウ にも言える。「初恋のきた道」では着膨れスタイルでチャン・ツィーイから「性」の匂いを消した。「至福の時」のドン・ジェは下着姿をこれでもかと見せまくるが、そのシーンに相席させる男に「デブ専」という設定を与えることでそのシーンから「性」の匂いを綺麗に消し去る。これはイーモウ・マジックと呼んでもいいロリ中和の見事な演出だ。それでいて2人とも、誰よりも少女を愛している。
オタクあつかいされる作家たちは少女にべたべたと性のイメージを貼付ける。思うところは同じなのにそれを堂々と主張するオタク。誰よりも「性」を感じてるくせに「性」から遠ざける演出をする巨匠。
「ローレライ」のパウラは、露骨に肉体を想起させるスーツといい、露出度の高い普段着(?)といい、もろに「性」の対象として描かれる美少女である。
美少女=性のイメージ=苦しみながら戦う→もう完全にアニメである。趣味に走り過ぎて、伝えたいメッセージが分離してる。
それは観てる私の偏見とか資質もあるのだが、演出上不可欠な要素であるとは、どうしたって思えない
宮崎駿はメッセージと趣味性のバランス感覚に長けていると思う。
イーモウの場合、チャン・ツィーイをイノセンスからエロ女に3作かけてじっくり飼育していった。そろそろ食べごろとか思ってそうだが、それまでは手をつけない(予想)。作品によってメッセージと趣味を使い分ける。
余談終わり
だが、そんなオタク臭ぷんぷんの嫌悪感をこの映画は「ありえねー」をたっぷり盛り込みバカ祭りにすることですっとばす。
超萌える、あ、いや、超燃えるなぜか熱い男のドラマとなってしまった。
これもしかして樋口慎嗣の才能かもしれない。かっこいい特撮と雑な本編演出で過剰な男臭さを発散させ、オタク臭を中和する。イーモウの「性」中和に匹敵する技かもしれない。
いくら密約があったとはいえ、敵国の人間に原爆搭載B29のフライトプランなんて特A級軍事機密を教えるはずねーだろ
あれだけ大戦闘が起ってるのにB29は緊急発進も出撃遅延もせず定刻通り離陸かよ!!
対艦用の大型砲は離陸した飛行機にはまず命中しません。まして浮上直後の不安定な状態で・・
あんなエロエロ姿の女の子、荒くれ者の潜水艦のりたちにどうして犯されないんだよ!!最初に出会ったのが妻夫木聡でよかったね。パウラちゃん。あれが北村一輝だったらレイプされて奴隷にされてたよ・・・
8月8日に故郷を回想する妻夫木聡。教会・・・坂・・・めがね橋・・・まさかこの街に新型爆弾落とされないよなぁ・・・というこれ見よがしな設定。劇場の皆さん。ここ笑うところですよ。
何よりも超感動なのは、演技陣です。役所広司、石黒賢、鶴見辰吾、伊武雅刀、堤真一、ピエール瀧、みなさんあるものはテレビと、あるものは舞台と、勘違いした演技で、ひたすら濃く熱く。全員が最低3回は笑いを誘う。妻夫木聡のナチュラルな演技がむしろ浮いてしまった。
これほど熱い俳優陣の男のドラマでありながら、アニメな設定とか必要だったんだろうか?
だが、海を埋め尽くすアメリカ艦隊に一隻で立ち向かう潜水艦の姿には、魂を熱くさせるものがある。潜水艦の乗組員はやけくそ。観てるこっちもやけくそ気味だが・・・
話のテンポはよい。男たちは限りなく熱い(暑苦しい)。
ハリウッドと比較すりゃヘボいかもしれないCGも、センスの良さで乗り切る。
何より手段を選ばずにエンターテインメントに仕立てようという根性がよい。
ま、愛すべきバカ映画というところである
・・・が、これが日本の娯楽映画なり戦争映画なり潜水艦映画なり(なんでもいいが)の最高峰と思ってはいけない。
とにもかくにも国を守ることの大切さを教えられました。
さんざんバカにしたけど、この映画にはしっかり泣かされた(うるうるくらいだけど)のであった。
↓面白かったらクリックしてね
人気blogランキング
自主映画撮ってます。松本自主映画製作工房 スタジオゆんふぁのHP
かく云う私も「あれこれ云いたい」とblogで頑張っていたのですが、いい加減飽きたのとあまりの無反応に白けてしまい、そろそろレビュー上げて終わりにしようと企んでいます。
何もそんなに叩かなくてもええやん。がホンネです。
ぶっちゃけおもろかったからいいじゃん。
つっこみどころは満載だけど、そこがまた味な訳ですよ。
ディティールなんてどうでも良い人たちの作った歪んだ愛の映画なんで勘弁しましょう
>ueko・f★様
私の場合、期待通りにして不安的中、いずれにせよ予想をはるかに越えていました!!
>ぷちてん様
チャン・イーモウといえば少女趣味をお世辞にも「美」のつかない田舎臭むんむん娘のキャスティングで中和しつつ、その子の涙で(「美」がつかなくても)少女の素晴らしさを高らかに謳いあげた「あの子を探して」も必見です。
「あの子を探して」の女の子がパウラちゃんを演じたら・・・すごいことになってたかも・・・
>ゆえひさ様
ぶっ飛ぶねえ・・・
たしかにラスト、沈黙の艦隊みたくジャンプして米艦飛び越えて、B29に体当たりしたら良かったかも。パウラちゃんの超能力と乗組員の気合いで飛ばすんだ。
ってそういう意味じゃない!!?!!
や~宮崎アニメやら中国映画巨匠やら,懐の深さに感服しました。なまじ判っちゃってる人にはやっぱり随分滑稽な設定ではありますけど,アニメは宮崎だけ,映画はヒットしてるモノしか観てませ~んって人は純粋に感動してたみたいです。
これだけあちこちから引っ張って来てるなら,いっそ『キル・ビル』みたいにもっと荒唐無稽な方が,ばか度数上がって好感持てたんですけどねぇ(汗)特撮の手描きぽいCGとかは好きなンで,ぶっとんで欲しかったのが本音です。
この映画を作る時点で、どうしても女の子を潜水艦に乗せる設定にしたかったようですね。
華ですかね?
日本の男性にとっては華はこういう華でなくてはならないのでしょう~(笑)趣味ですね。
こういう映画が作られるというのが、面白いのかもしれないですね。
面白いコメントを読ませていただきました~*
映画も期待しすぎると外れますね!
やっぱり泣きながら怒ってしまいました。
だって「泣かせよう」がミエミエなのに
ディティール甘々で、きちっと世界作り込んでない感じなので。
でも一番気になったのは
戦争が日本人にもはやリアリティを持たない
ということだったのかもしれません。
ほめるにほよ、けなすにせよ、とても真面目な人たちが多くて
大映ドラマを本気で語っているような不思議な感覚
俺ももっと真面目に映画とつきあわねば!と思いつつ、「ローレライ」と聴くと「ぷぷっ」と心で笑う
ああ、楽しい時間をありがとう樋口監督!
他の方のブログでは“戦争の悲惨さを…”みたいな
なんとかがんばってまじめに書いているのをよく読みましたが
(この映画じゃ無理だって)
しんさんはかなり正直で楽しく読めました(笑)
とにかく私が一番心配だったのはパウラがレイプされやしないか、
ということです…だって、あの状況じゃねぇ…(汗)
> 何より手段を選ばずにエンターテインメントに仕立てようという根性がよい。
もう“戦争”という出来事が他人事になりつつある
世代を楽しませるにはもうエンターテイメントにするしかないんですかねぇ。
はぁ…『シルミド』みたいにできなかったのかなぁ…・゜・(ノД`)・゜・
あと、チャン・イーモウ考、おもしろかったです。
チャン・ツィィーの行く先が気になります…
面白い!
濁すほど立派なお茶じゃないんで、ぜひガメラ3をば鑑賞あそばせ・・・
確かにつっこみどころ満載の映画でした(笑)。面白く読ませて頂きました。色んな評を見ていると、色んな見方があるので楽しいです。前作がガメラの特撮監督の監督さんと聞きます。監督さん自体の進化した作品なのかと、ガメラ3を見てみたくなったんですが、そういう見方では、単なるお茶を濁しているだけかな(笑)。戦争映画とは思わず、SF映画だと思ったら、苦もなく見られたかも今は思っています(笑)。
冗談の通じないタイプの人は、45年の潜水艦はあんなんじゃないですねぇ、とか言ってダメ映画の烙印押しそうですが
楽しく見るため「リアリズム」を頭の中から追い出して鑑賞することをお勧めします
レイトショーなので、観客はみな深海のアンコウのように静かになっていました・・・
勉強になりました