以下は2021年2月11日に産経新聞出版から、中国の電撃侵略2021-2024,と題して出版された、門田隆将と石平の対談集からである。
現在の日本を代表する気鋭の評論家である御両名の最新著作である。
日本国民のみならず世界中の人たちが必読である。
中国が隣国として存在している日本国民全員は今すぐに最寄りの書店に向かわなければならない。
彼らならではの中国についての世界最高レベルの真実の解明である。
世界の人たちには私が出来るだけ知らしめよう。
「紳士」と「ならず者」の戦い
門田
中国の暴走はもう止められません。
アメリカの大統領選でのバイデン氏の当選が確実となってから、さらに増長し、これでもかと、怖いものなしで突き進んでいますね。
石平
例えば2010年に施行された中国の「国防動員法」がありますね。
これを発動すると中国の企業も個人も否応なく、誰もが共産党の戦争に協力しなければならない。
外国企業まで協力しなければならないわけです。
つまりあの政権は、例えばICチップを開発するにはまったく無力だけど、悪いことをやるのは得意で強力。
悪いことほどよくできるんです。
そのうえ中国は通常の軍事的手段、つまり軍事力も世界有数のものがある。
門田
前述のように国防予算は表向きの数字の倍以上、つまり、40兆円以上。
それでも、まだアメリカの半分ですが、恐ろしいまでの額であることに間違いはありません。
1989年度から2015年度まではほぼ毎年2桁の伸び率でしたからね。
石平
多大なカネをかけて軍備を増強し、核兵器を持ち、そして国民を動員する。
そんな中国に、われわれ民主主義陣営はどうやって勝つかということです。
つまり、習近平政権がいつまで続くかは別として、中国共産党的な独裁政権がわれわれの世界を破壊することができるように今なってしまっている。
しかし、われわれは簡単に彼らをつぶすことができない。
彼らは手段は選ばない。
しかし、われわれは手段を選ばざるを得ない。
彼らができることが、われわれにはできないのです。
つまり、民主主義と中国の全体主義との戦いは、そもそもが不均衡な戦いです。
「紳士」と「ならず者」の戦いなのです。
例えば、良識を大事にする紳士一人とならず者一人がいたとします。
その二人で、警察もない荒野で決闘をしたら、ならず者が絶対に勝つんですよ。
そうでしよ。
門田
残念ながら、そのとおりです。
石平
今の世界はそうなる可能性が高いのです。
唯一、われわれが期待したのはアメリカという国が民主主義の背骨、民主主義の基軸となってくれることです。
バックにはアメリカがいる、とね。
最終的にはアメリカがわれわれの民主主義、同盟諸国を守ってくれると期待しました。
しかし、アメリカ自体の民主主義が崩壊しているかもしれない。
あくまでも最悪の場合ですが、アメリカの民主主義を担保する選挙制度そのものが崩壊している可能性だってある。
民主主義が崩壊したら、アメリカという国もなくなります。
アメリカ国民が連邦政府の下にまとまっているのは、州が違っても、民族が違っても、等しく一票の権利を持ち、その一票で大統領を選ぶからです。
アメリカが崩れたら、どうなるのか。
中華帝国の世界支配です。
彼らの力、彼らの価値観によって支配されることになります。
習近平は今盛んに「人類運命共同体」と言っていますが、これは要は「中国に従う運命共同体」だということです。
門田
まさに2020年アメリカ大統領選は、その悪夢が現実になりましたね。