以下は12/19に発売された週刊新潮の掉尾を飾る高山正之の連載コラムからである。
本論文も彼が戦後の世界で唯一無二のジャーナリストであることを証明している。
随分前に、世界中のプリマから大変な尊敬を受けているモナコ王立バレエ学校の老女性教授が来日した。
その時に彼女が芸術家の存在意義について語った言葉である。
『芸術家が大事な存在なのは、隠された、隠れた真実に光を当てて、それを表現する事が出来る唯一の存在だからです。』
彼女の言葉に異議を唱えるものはいないだろう。
高山正之は戦後の世界で唯一無二のジャーナリストであるだけではなく、戦後の世界で唯一無二の芸術家と言っても全く過言ではない。
私が、今の世界で、最もノーベル文学賞に相応しいのは、高山正之を措いて他にはいない、と言及している事の正しさを、本論文も見事に証明している。
日本国民のみならず世界中の人達が必読。
本論文も彼が戦後の世界で唯一無二のジャーナリストであることを証明している。
随分前に、世界中のプリマから大変な尊敬を受けているモナコ王立バレエ学校の老女性教授が来日した。
その時に彼女が芸術家の存在意義について語った言葉である。
『芸術家が大事な存在なのは、隠された、隠れた真実に光を当てて、それを表現する事が出来る唯一の存在だからです。』
彼女の言葉に異議を唱えるものはいないだろう。
高山正之は戦後の世界で唯一無二のジャーナリストであるだけではなく、戦後の世界で唯一無二の芸術家と言っても全く過言ではない。
私が、今の世界で、最もノーベル文学賞に相応しいのは、高山正之を措いて他にはいない、と言及している事の正しさを、本論文も見事に証明している。
日本国民のみならず世界中の人達が必読。
検証のとき
「首相の犯罪」を追った地検特捜の堀田力が亡くなった。
バカな朝日新聞は「ロッキード事件では米司法省と交渉」して証拠をもらい受け、角栄の公判も担当して「カミソリの異名も取った」と褒め上げる。
しかしカミソリを振るったという割に事件の方はずっと不透明なままで、司法の横暴だけがやたら目立った気がする。
だいたい事件は出だしから珍妙だった。
ある日、米上院に郵便物が誤配され、それを開けたら児玉誉士夫がロッキード社に宛てた「ピーナツ100個の受領証」が出てきた。
米国では他人様の郵便物でも平気で開けるのに驚く。
おまけにそれを根拠に公聴会を開き、口社が「日本の宰相級の人物に賄賂を贈った」と断定した。
米国の法律書ではそういう出所不明の証拠を「毒の木になった果物」と呼んで排除する。
でも相手が日本ならお構いなしらしい。
暗に名指された田中角栄は日支の国交を回復し、インドネシアの石油に渡りをつけ、ソ連とはシベリア開発を話し合っていた。
日本を潰した気になっていた米国は虚仮にされたと思っただろう。
何か仕掛けてくると思ったらやっぱり、と普通の日本人は考える。
しかし地検特捜は違った。
「首相の首を取れるかもしれない」と己の功名しか考えなかった。
で、首相の犯罪の構図を勝手に描いた。「角栄は全日空の決めた次期主力機ダグラスDC10を口社のトライスターに変えさせ、口社から5億円を貰った」と。
角栄が5億円で米企業に尻尾を振ると思っている。
それにその構図はあまりに無知が過ぎた。
日航はジャンボ機を主力に、DC10を二番手で飛ばしていた。
全日空が社運をかけて選定中の次期主力機にわざわざライバル社の二番手機種を選ぶと思うか。
因みにトライスターのエンジン構造は全日空の主力機ボーイング727の設計陣がそのまま口社に移って作っている。
ダグラスより遥かに親しみがあった。
記者がそれを衝くと次席検事の吉永祐介は即座に記者を出禁にした。
「勝手を書く新聞社は会見から締め出す」とも脅した。
その上で堀田が証拠を貰いに渡米した。
向こうは喜んでいかがわしい証拠をよこしたが、要となる贈賄側の口社幹部の証言取りは断固、拒んだ。
公式に罪を認めればすぐ捕まるからだ。
でも証言は要る。
堀田は「尋問はそっちでやってくれ」と頼んだ。
いわゆる嘱託尋問だ。
それも反対尋問なし、嘘を言っても偽証罪に問わないという条件を付けた。「好きに話をでっち上げてくれればいい」と。
一方、地検特捜は最高裁に「反対尋問なしでも証拠に認めてくれ。そうすれば角栄をパクれる」と頼んだ。
日本は証拠主義の法治国家だと思っていた。
ところが最高裁は法的に適格性のない「ただの戯言」を証拠にするという宣明書を出した。
日本が法治国家をやめた瞬間だった。
吉永祐介はそれを記者会見で糺された。
それでも法治国家なのかと。
吉永はふんぞり返って言った。
「米国では聖書に手を置いて証言する。米国人は嘘をつかない」
では何で偽証罪があるのかと記者は思ったが、言えば出禁だから黙った。
実は堀田も「インディアン墟つかない。米国人も嘘つかない」と言っている。
かくて宣明書が出て三日後、米国の毒の木になった果物を証拠に角栄は逮捕された。
不世出の政治家は政治生命を断たれた。
以後、日本は米国に逆らわなくなった。
ベトナムに日本が出ようとしたらベーカー国務長官が一喝した。
それで引っ込んだ。
米国は日本から半導体を取り上げ、円を紙屑にし、LGBTまで強制してきた。
岸田はただ黙って従った。
そうなった原点は角栄逮捕にある。
そのとき特捜が何をやったか。
検証するのは今だろう。
おまけにそれを根拠に公聴会を開き、口社が「日本の宰相級の人物に賄賂を贈った」と断定した。
米国の法律書ではそういう出所不明の証拠を「毒の木になった果物」と呼んで排除する。
でも相手が日本ならお構いなしらしい。
暗に名指された田中角栄は日支の国交を回復し、インドネシアの石油に渡りをつけ、ソ連とはシベリア開発を話し合っていた。
日本を潰した気になっていた米国は虚仮にされたと思っただろう。
何か仕掛けてくると思ったらやっぱり、と普通の日本人は考える。
しかし地検特捜は違った。
「首相の首を取れるかもしれない」と己の功名しか考えなかった。
で、首相の犯罪の構図を勝手に描いた。「角栄は全日空の決めた次期主力機ダグラスDC10を口社のトライスターに変えさせ、口社から5億円を貰った」と。
角栄が5億円で米企業に尻尾を振ると思っている。
それにその構図はあまりに無知が過ぎた。
日航はジャンボ機を主力に、DC10を二番手で飛ばしていた。
全日空が社運をかけて選定中の次期主力機にわざわざライバル社の二番手機種を選ぶと思うか。
因みにトライスターのエンジン構造は全日空の主力機ボーイング727の設計陣がそのまま口社に移って作っている。
ダグラスより遥かに親しみがあった。
記者がそれを衝くと次席検事の吉永祐介は即座に記者を出禁にした。
「勝手を書く新聞社は会見から締め出す」とも脅した。
その上で堀田が証拠を貰いに渡米した。
向こうは喜んでいかがわしい証拠をよこしたが、要となる贈賄側の口社幹部の証言取りは断固、拒んだ。
公式に罪を認めればすぐ捕まるからだ。
でも証言は要る。
堀田は「尋問はそっちでやってくれ」と頼んだ。
いわゆる嘱託尋問だ。
それも反対尋問なし、嘘を言っても偽証罪に問わないという条件を付けた。「好きに話をでっち上げてくれればいい」と。
一方、地検特捜は最高裁に「反対尋問なしでも証拠に認めてくれ。そうすれば角栄をパクれる」と頼んだ。
日本は証拠主義の法治国家だと思っていた。
ところが最高裁は法的に適格性のない「ただの戯言」を証拠にするという宣明書を出した。
日本が法治国家をやめた瞬間だった。
吉永祐介はそれを記者会見で糺された。
それでも法治国家なのかと。
吉永はふんぞり返って言った。
「米国では聖書に手を置いて証言する。米国人は嘘をつかない」
では何で偽証罪があるのかと記者は思ったが、言えば出禁だから黙った。
実は堀田も「インディアン墟つかない。米国人も嘘つかない」と言っている。
かくて宣明書が出て三日後、米国の毒の木になった果物を証拠に角栄は逮捕された。
不世出の政治家は政治生命を断たれた。
以後、日本は米国に逆らわなくなった。
ベトナムに日本が出ようとしたらベーカー国務長官が一喝した。
それで引っ込んだ。
米国は日本から半導体を取り上げ、円を紙屑にし、LGBTまで強制してきた。
岸田はただ黙って従った。
そうなった原点は角栄逮捕にある。
そのとき特捜が何をやったか。
検証するのは今だろう。
2024/12/8 in Kyoto