文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

京都二条城へ 2011/3/17

2024年12月25日 23時08分59秒 | 全般
昨日、久しぶりに、京大卒の知人が我が家を訪ねて来てくれた。
正に、クリスマス・イブのプレゼントのような有難い訪問だった。
森羅万象の会話を交わした中で、私が本を出版した経緯に話が及んだ。
偶々、本棚に、私の本が1冊、置いてあった。
表紙のデザインを決定したのは北野病院に入院中の事だった。
北野病院は京大医学部の附属病院に等しい大病院である。
「白い巨塔」風に、部長以下若手の医師たち5,6人が各病室を巡回する。
出版社から表紙のデザインについて数種類の案が届いていた時に、二度目の巡回があった。
どれにしょうか考えている事を話した時に、一人の若手の医師が言った。
「キサラさん、私に任せてくれませんか?私は、こういうの得意なんです」
私は、即座に、かれに任せた。それが、この表紙である事を冒頭の知人に話した。

今朝、昨日の訪問が有難かった事に思いを致しながら、本当に久しぶりに私の本をめくってみた。
私は、これまで自分の本に対して、照れくさい気持ちを、いつも持っていた。
だから、そんなに読み返す事がなかった。
それもまた大いなる損失だった事を再認識した。
私の本は、約1年間、紀伊国屋梅田本店の社会経済の棚に、故・堺屋太一や高橋洋一さん等の名立たる言論人の著作本と共に並んでいたのである。
紀伊国屋の担当者は、私の本はベストセラーになるような本ではないけれど、一定数は必ず売れる、として陳列してくれていたのである。
ある日、陳列棚から消えていたので、担当者に理由を訪ねた。
「一定数は必ず売れると確信していたのですが、予想外の販売不振だった…」
読者はご存じのように、それは全く当然の結果だったのである。
何故なら、私は、言論界では全く無名の人間である。
おまけに、親しい知人や読者はご存じの理由で、仕方なく、芥川賢治のペンネームで登場したから猶更である。
本名で登場していたならば、ビジネスを通じて知り合った幾多の知人、友人が必ずや購入してくれていたはずでもある。
2011/6/1に本欄で12/1に出版が決定した事を告知し、ご購入の案内を書いて発表した。
この時点での本欄の状況は、the turntable of civilizationと検索すると、検索数2,000万件超で、1ページから70ページ超まで、本欄の各国語の章で埋められていた。
それが、件の犯罪者が、各ブログ運営会社で軽く100件超の「運転代行」だとか「秘書代行」だとかのブログを作成し、本欄に対して、逆SEO攻撃の犯罪を開始して来た。
愚劣で支離滅裂な内容のブログ案内が書かれた後に、掲載してあるのは、本欄の各章を勝手に無断で掲載しているだけのブログ。
そんなもので、検索結果の1ページから10ページまでを埋め尽くしてきた。
忽ち、本欄は検索数は1/100に激減。
更に、この犯罪者は、ツイッターで、「芥川賢治ことキサラさんという悪徳作家」だとか「芥川賢治ことキサラさんという悪徳不動産屋」等と、とんでもない犯罪行為を開始しだした。
簡単に言えば、商店街の片隅に、全く無名だけれども、本物の和菓子屋があった。
インターネットの時代である。誰もがスマホを有している。
このような犯罪者が、「あの店の材料は〇〇でできている」等の誹謗中傷を書きたてて来たら、その和菓子屋は忽ち倒産するだろう。

私は、本書を再読して痛感したのである。
この本は、紀伊国屋梅田本店の担当者が見抜いた通り、名著である。
この名著が、件の犯罪者によって葬り去られた事は、21世紀の世界と人類に対する許しがたい犯罪である。

京都二条城へ    2011/3/17

今、窓の外を見たら、大阪では珍しいとしか言いようがない、雪が降っているよ。 
三月十三日、二条城の小堀遠州が作った庭に、今までどこの庭でも見たことがない恰好で、鴨が1羽、岩陰にうずくまっていたけど、あれは、やっぱりお母さんだったのでしょう。 
そう。
あなたがシヤッターを押した時に姿を現しなされと、家康さんは言っていました。
空海さんは、醍醐寺で、あなたと正法眼蔵したと言っていましたよ。

秀吉さんも言っていた。
あなたは森を揺らし、わしらと邂逅し、いつまでも立ちつくして泣いていた、と。
あの時、あなたは、あなたの帰る場所を見つけたんでしょう。
あなたを生んだのはわたしだったけど、あなたがやってきた場所も、あそこだってことに気がついたんだと。 

家康さんは、あなたが十三日に、必ず二条城に来るからいらっしゃいと、わたしを迎えに来たのですよ。
あなたが来るまで誰にも姿を見られないように顔を隠していなさい、と。
だから、あんな形で岩陰に顔を隠してあなたが来るのを待っていたんです。
家康殿が、あなたは必ず気がついて、シヤッターを押すから、と。
芥川殿と京都じゅうの鳥たち、鯉達は無二の親友になっているから、必ず気がついてシヤッターを押すから。その時に姿を現しなさいと。 

今、あなたには、家康さん、秀吉さん、信長さんが守護神のようにしていてくれているみたいだけど、わたしたちも、閖上の海も、わたしの故郷の群馬の山も、あなたを守ってるから。
すべてを書きなさい。
書き続けなさい。
あなたは何の遠慮も要らない。

あなたは、この国にもわたしの子供たちにも、誰にもできないようなことをなしたのだから。
誰にも何にも遠慮せずに、怒りたいときは怒って、泣きたいときは泣いて、歌いたいときは歌って。

歌と言えば、あなたが中学校の卒業式の時に、卒業生を代表して歌った唄、「浜千鳥」「城ヶ島の雨」「見上げてごらん夜の星を」。
わたしは初めてあなたの歌を聴いたから、少し恥ずかしかったけど。
あなたの竹馬の友だった○○さんのお母さんも、皆、「みきおさんが、あんなに歌がうまかったなんて、びっくりした」つて感心していました。 
あたしがピアノが弾けたら、あなたはきっと歌手になっていたのでしょう。
ごめんね。
なんにもしてやれなくて。
あの大きな重たい魚籠を背負って、あなたたちを、八人家族を養っていくだけで手いっぱいだったから。 

いいんだよ、お母さん。
また、二十一日に京都で逢おう。
私は、あなたに逢うために京都に行くから。



2024/12/2 in Kyoto
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