先日、近隣の神主が集まり“祭式研修会”という行事作法の勉強会をしたとお話しました。
神社においては地域ごと、神社ごとの作法が伝統的に尊重されていますが、全く別々のやり方をしているのではなく、共通した大元の作法・考え方というものがあります。
そのため各県の神社庁、または地域にあるその支部が主催となって定期的にこうした研修会・勉強会が開かれています。勿論事あれば神主自身が調べたり、勉強したりするものではあります。
使われる教科書も多数あります。特に祝詞はその神事ごとに読み上げる内容を作文するものですから、過去の大小の祭事で使われた祝詞を掲載した『祝詞例文』というものが多数発行されています。これを丸写しすることはありませんが、神主になってからもっとも目を通す教科書がこれかもしれません。
また最近には『神葬祭の栞』という小冊子が神奈川県神社庁より発行されました。
こちらは新しい教科書らしく写真や図説が多く載っています
“神葬祭(しんそうさい)”とは神式で行う葬儀の事です。
ご存知の通り江戸時代までは檀家制度のもとほぼ全ての人に仏式の葬儀が義務付けられていたという事で、神葬祭は現在に至るまであまり普及しているとは言い難いところです。
ですので神主自身の理解を深めその普及に寄与するようにと、今回この栞が作成されました。
神主には資格がありますので神主になる前にもそうした教育を受けますが、資格というのはあくまで学校等でどれ位の教育・実習を経たかを測るだけのものです。そうした作法・意識を維持していくためには、むしろ神主になってからの方が勉強が必要と思います。