第21話 おみくじに異議あり!
妹:お姉さま事件です!
私、現代社会が気付かずにいた問題点を見つけたのよ。これって事件でしょう。
姉:あら、初詣から帰ってきたのね。それにしてもお正月早々から大言壮語な言
い方だわね。慣れてはいるけど、その内容にはいつもガクッとさせられるか
ら、期待しないで 聞いてあげるわ。
妹:何よ、その言い方。でもいいや、聞くてくれる。友達と3人で日枝神社に初詣
に行ったでしょう。お参りの後、長い行列の後ろに並んで、おみくじを引き
に行ったの。そしたら、小学生の男の子がおみくじを見ながら、恋愛とか仕
事とか僕には関係がないし、書いてある文章も難しくてつまんないなって言
っているのが聞こえたの。
姉:確かにおみくじに書かれているのは大人向けだわね。それがどうしたの?
妹:おかしいでしょう。子供に大人向けのおみくじを引かせるなんて。「一年の計
は元旦にあり」と言うじゃない。初詣のおみくじにはその年代にふさわしい格
言なり、指針になる良い言葉がたくさんあるんだから、10代向け、20代向けそ
してお爺ちゃん・お祖母ちゃんたちなどの年代にふさわしい内容が書かれたお
みくじがあるべきなのよ。年代別になれば、おみくじ売り場もばらけるから、
あんなに並ばないですむし。
各神社は旧態依然としたこれまでのおみくじは廃止すべきだわ。これって、す
るどい 指摘だと思うの。どう、すごいことを考えたでしょう。
姉:現代社会の問題点かどうかは置いといて、あなたが指摘した年代別のおみくじ
があった方がいいという着眼点はとても良いと思うわよ。
妹:賛同してくれたのね。やはり私のお姉さまだわ。
姉:貴女の口から社会習慣となっている中に、貴女なりの問題点を見つけたことは
初めてだもの。そのことが驚きで、それこそが「お姉さま事件です!」だわ。
妹:何よそれ!私だって日々成長しているのよ。この話、友達にも話してこよっと。
姉:(これも妹の成長の一つの形なのかもしれないわ)
第22話 まぼろしの一等賞
妹:お姉さま事件です!
お年玉年賀状の一等が当たっちゃった。どうしよう。手が震えてきた。組は関
係なくて6桁の数字が合っていればいいのよね。やはり間違いない。景品を調
べたの。そしたら、1万点以上の商品・旅行・体験プランなどから12万円相当
のものが選らべるんですって。現金なら10万円だって。100万本に1本で2,599
本しか当たらないのよ。あ~、何にしようかな。
姉:「信じられないわね!」私は切手シートも当たらなかったのよ。あなたに一等
が当 るなんて。私にも見せて。
妹:10回も見直したんだから間違いないわ。どうぞ確認してね。
姉:本当だ、番号はまさしく一等だ。良かったね。おめでとう。
ウッ、でもちょっと待って。これ平成29年の年賀状だよ。。今年は平成30年だ
よ。 これは去年の年賀状じゃないの。あわて者のあなたらしいわね。
妹:「そんな~」そういえば、住所が分からなくて、去年の年賀状を引っ張り出し
たのがあったんだ。間違えて今年の年賀状と合わせてしまったんだな。
あ~あ、海外旅行が夢と消えたか。がっかりだ。ショボン。
姉:貴女らしいわよ。でも、年度違いでも一等なんて奇跡よ。きっと今年は良いこ
とがあるからくさらないでね。