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ショートシナリオの館

ボケに抵抗するため、日常生活の中から思いつくままに書いています。月2回・月曜日の投稿を目指します。

茨城味自慢:茨城県は「落花生」の生産量が第2位

2021-10-07 07:56:11 | 日記

落花生は豆類なので枝に実っていると思っている方もいるでしょうね。実は土の中で

できています。落花生は花が咲くと、咲いた花の茎の根元から、「子房柄」という先

の尖った茎のようなものが出てきます。これが土に刺ささっていき、その先端が土の

中で育って、落花生となります。落花生は南アメリカ原産の植物で、江戸時代に日本

に到来、さやのままのものを「落花生」や「南京豆」と呼び、中の実だけをピーナッ

ツと呼んでいます。これからが収穫の最盛期、その収穫作業を見聞してきた茨城県産

の「落花生」を紹介します。

<茨城県は作付面積全国2位の生産地>

日本で消費される落花生の内、90%以上が輸入もの(ほとんどが中国)です。国内落

花生の生産量は10%にも至りませんが、その中で、国内生産量1位は千葉県がシェア

83%で断トツ。千葉県でも特に北総地域の八街市、千葉市が生産の中心地区。落花生

といえば千葉県というイメージが強いのは当然ですね。生産量2位は隣接する茨城県の

中南部地域の牛久市、阿見町、地元の龍ケ崎市で10%ほどが栽培されています。です

から、千葉県と茨城県の県境をまたいだ地域だけで9割を超しています。落花生向き

の土壌なのですね。

 

<落花生の世界>

①落花生の生産量世界一は中国で、世界シェアは35.9%、2位インド13.8%、3位ナイ

 ジェリア9.1%、3ヶ国あわせて、世界の生産量の約59%を生産しています。日本は

 67位0.03%です。(2019年)日本が落花生輸入国であるのは当然ですね。

②落花生の品種系統には、バージニア、スパニッシュ及びバレンシアの3タイプがあり

 ますが、商品として扱う際は、実の大きさにより大粒種と小粒種に大別しています。

 大粒種はさやの中に大きめの実が2個入っています。そして、煎り莢(いりざや)落

 花生、煎り豆、バター・ピーナッツや一部の豆菓子等に加工されています。実の原型

 を留めたまま食べているのは殆どがバージニア系統で、この系統が大粒種です。

③世界の落花生の需要は、FAO統計で落花生が油糧作物に区分されているように、そ

 の多くは搾油(さくゆ、食用油(ピーナッツオイル))に向けられており、栽培品種

 は殆どが小粒種です。さやには小振りな実が3~4個入っています。小粒種は搾油以外

 にも、菓子・調理用食品、豆菓子の原料として原形を留めない形で使われます。

④日本での落花生の消費形態は、バターピー ナツ(さやをとって油で揚げたもの)とし

 ての消費が4割であり、さやつきでの流通量は 全体の2割ですが、国産品については

 さやつきが5割を占めています。

⑤日本では、輸入品はさやをとった「ピーナ ツ」(むきみ)、そして、国産品はさやつ

 きの「落花生」と、市場の棲み分けが行なわれており、国産品は輸入品より高い価格

 で取り引きされています 。

 

<国産落花生の主な品種>

日本での落花生の育種研究は、生産量1位の千葉県農業総合研究センター育種研究所が中

心で、現在品種登録されている落花生の大部分がここから生み出されています。そして

生産されているのは全て大粒種です。

(1)千葉半立:煎りさや用の最高級ブランド。煎って食べるとおいしい落花生

    その美味しさから、最も多く作られている品種。昔よりも粒が大きくなり、食べ

    応えがあります。乾燥し、煎ったときの風味がとても良いのが特徴です。

(2)中手豊(なかてゆたか):煎りさや用。プランター栽培におすすめ!

    粒がやや大きく、さっぱりとした甘みが特徴。香りも良く、ゆでることでさらに

    甘みと香りが増します。プランター栽培でも育てやすいです。

(3)郷の香:ゆで落花生用。栽培期間が短い!ゆでるとおいしい落花生

    栽培期間が70日前後ととても短く、育てやすい品種。収穫量も多い。煎るより

    40分ほど塩ゆでをしてから食べると、香りが増し、実もやわらかくなります。

(4) Qなっつ:煎りさや用。発芽率が高くて失敗しにくい新しい品種(2018年)

    病害虫に強く、真っ白でとてもきれいな実をたくさん付けます。また天日干し

    をすると甘さが増し、その甘さは落花生の中でもダントツ1位です。

(5)おおまさり:ゆで落花生用。大粒で食べ応えありのジャンボ落花生

    落花生の中でも、特に種が2倍ほど大きく、食べ応えのある品種。脂肪分が少な

    く、ゆでるとふっくらとやわらかくなり、甘味と食感を楽しめます。

 

<落花生の栽培風景>

さや付き落花生は、収穫し、乾燥し、焙煎して完成するとてもシンプルな商品です。一般

的に落花生は、種まきからおよそ130日で収穫時期を迎えます。種まきは5月中旬から下旬。

種を蒔いて7日~10日で発芽します。40日ぐらい経つと小さな黄色い花が咲いてきます。

開花後1週間ぐらいすると花の基部から子房柄が地表に向かって伸び始め、さらに4~5日す

ると先端が地中に侵入し、やがて先端が肥大を始めてさやの実(豆)になります。花が咲い

てから85~90日程度で収穫です。収穫期は10月中旬で、収穫後にピーナッツの実が上を向く

ようにして、畑で1週間乾燥させる「地干し」をします。その後、「ボッチ」と呼ばれる野

積み(雨はらせんで流れ落ちる)で、さやの実の水分が10%程度になるまでの約1ヵ月間放置

します。乾燥が終わるとボッチを崩し、茎葉まるごとピーナッツ用の脱きょう機にかけ、さや

と実を分離します。実は天日乾燥で2週間かけてじっくり乾燥させます。手間と時間はかかる

が、程よい食感になり甘みが増すのです。落花生には種類がありますから、旬が違ったり、気

候や環境によっても時差があったりします。最も収穫時期が早いのは、9月初旬頃。遅いものだ

と11月頃になる種類もあります。

 

<落花生の豆知識>

1.落花生の栄養価と効能:脂肪分やタンパク質を多く含み、美容と健康を整える

   ミネラル類やビタミン類も多く、とくにビタミンEは老化防止の働きをします。

   落花生の 脂肪分はオレイン酸という脂肪分で悪玉コレステロールを減らす働き

   が有ります。健康や美容のために日常的に食べる方も多いでしょうが、健康や

   美容に役立てるなら、無塩で油不使用のものがおすすめです。

2.美味しい食べ方

(1)掘りたてを塩ゆでにして食べます:掘りたての落花生を水洗いし、25cm程度の

    鍋に水をいれ大匙3~4杯程度の塩を いれて水のままから落花生と共にゆで

    ます。40分程するとゆで上がり、お湯を切 ってさませば食べられます。

(2)煎って食べます:さやのまま中火で油をひかず塩を少し加えてフライパンで約

    30分程転がせば煎り 上がります。落花生の香りがしてきたら食べ頃です。

(3)味噌ピーナッツができます:油をひいたフライパンを温め、ムキ実を入れて煎り

    ます。15~20分すると豆は煎り上がります。次に油 を少しひいたなべに味噌

    と砂糖を入れ弱火でよく混ぜ合わせます。そして先に煎った豆をいれて味噌

    出来上りです。

(4)落花生の煮豆ができます:1晩以上水に漬けた豆を水きりし、別の鍋に水を入れ、

    醤油、砂糖、味醂等を加えて 一緒に弱火で煮込みます。水気が なくなったら

    出来上りです。

(5)バター・ピーナッツができます:豆を90度C程度のお湯につけます。すると豆に

    付いた渋皮がむけま す。渋皮のむけた豆は十分に水をきっておきます。次にテ

    ンプラ鍋に油を入れ 180度C程度に加熱し、その中に豆を入れてフライします。

    7~8分程できつね 色になります。そしたら豆を取り出し、塩、マーガリン等

    をくるめば出来上り。

3.落花生の等級:落花生には、品種だけではなく等級もあります。同じ品種でも等級

   で価格や用途が大きく異なります。実の太さによって太い順に一等から五等まで

   に分類されます。実が太く大きい一等~二等は味もしっかりしているため、さや

   付き落花生や塩味つき落花生など実の原型を残した加工品に利用されることが多

   いです。分かりやすいよう「特選」と表記して販売しているお店もあります。等

   級が下がるほど実は細くなり、価格は安くなります。小さめの実のカリカリとし

   た食感を生かしてバターピーナッツに加工したり、ピーナッツオイルなどの形が

   変わる商品に加工されることが多いです。

4.落花生の選び方:

(見た目で選ぶ)新鮮でおいしい落花生は、実が大きすぎないで、さやの網目がはっき

   りしています。

(用途に合わせて選ぶ)落花生を自分好みの味にしたいなら、調理法や味付けを自由に

   調整できる生タイプがよいです。自分でローストすると芳しい香りも楽しめて、

   調理の過程から落花生を味わいつくせます。料理に使うなら、手軽な素煎り落花

   生がおすすめです。落花生の素朴な味わいを料理に活かせます。

 

<茨城県産の落花生>

地元の龍ケ崎市の各畑を歩いて見ていると、収穫時期に大きな違いがありますので、複

数品種を栽培していることがわかります。伺った範囲では千葉半立が多かったです。

しかし、どの品種も一般の市場流通にのって広く出回るということはなく、その多くが

加工品に回るのですが、地元の産直所では手に入れることができます。私の散歩道には

お茶と4品種の落花生を自家栽培している「澤田茶園」、そして、落花生専門のお店

「いしじま」があります。このお店のお奨めは有機農法栽培で収穫したさや煎りの商品

名「源太豆」(千葉半立)です。



皆さんもこちらに来る機会があれば是非ご購入下さい。

待っていま~す!