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家に入ってきたハエを「ハエたたき」や「丸めた新聞紙」で叩こうとしても逃げられ
て、イライラしたことはありませんか?今回は「あなたもハエ叩き名人になれます」と
いう話です。
1.ハエの眼
写真はハエの目を電子顕微鏡で見たものです。昆虫の目は「複眼」と呼ばれ、
「個眼」というマッチ棒のような長細い「目」がたくさん集まってドーム状の形にな
っています。写真のつぶつぶしている「つぶ」の1つが個眼です。個眼には光を一点
に集める「角膜」と、その光を脳に「情報」として伝える「視細胞」があります。
個眼は複眼の「画素」の1つだと考えたらわかりやすいでしょう。例えばショウジョ
ウバエなら800個、アゲハ蝶は1万個の個眼をもっているので、ハエは800画素、
チョウチョは1万画素。といったところです。
あくまでもイメージですがそんな感じです。
2.ハエはド近眼
人間で言うと「視力」のことですが、虫の視力は0.1にも満たないのです。健康
診断で見る視力検査表の一番上の「C」もみえないくらいなのです。だから物が細
かく見えません。そして、ピント調節もできないので、複眼全体で形がぼんやりと
見える程度です。
2.ハエの動体視力
動体視力はヒトよりも遥かに高いです。ヒトの眼は1秒間に30ヘルツで点滅する
光までを感知できる為、この能力に合わせて、例えばテレビ画像は1秒間に30コマ
の画像を送り出します。少しずつ位置の違った映像の点滅と残像現象でヒトには映
像が動いているように見えます。これはよく知られた原理です。
ところが蠅の場合、光の点滅を300ヘルツまで感知できるそうです。そこで1秒間に
300コマを映せるビデオで撮影をし、これを通常の30コマ送りで映し出せばその映
像は時間を10倍の長さに引き延ばして映し出させることができます。ハイスピード
カメラと同じ理屈です。ですから蠅はハエタタキが迫り来る映像を、10倍のスロー
モーション映像で見ていることになります。その為に、早く動く物には反応出来る
のですが、ゆっくり動く物には対応できない(動いていない様に見える為)そうで
す。だから、どんなに素早く叩こうとしても、ハエにはスローモーションに見えま
す。よって、速さは無駄です。視力は悪いけど、動体視力はすごいのです。なぜ動
体視力だけが優れているのかについては不明な点が多いそうです。
3.退治方法を伝授します。
物がハッキリと見えないという弱点を突きましょう。まず、叩くものを持ったら
「ゆっくりと」近づきます。昆虫は動きには敏感ですが、物の形状はよく分からな
いため、ゆっくりと近づくと、びっくりするくらい近くまでいけるはずです。
そして、絶対に外さない距離からパチッと叩きます。これでイチコロです。気付い
ても逃げられないように、幅の広いもので叩くとよいでしょう。
夜なら更に効果的な方法があります。電気を消して、赤色光下で狙います。ハエ等
の多くの昆虫は赤が見えませんからこれは100%命中します。
夏場などに五月蝿(うるさ)くて寝られない時などにお試しください。
4.蚊には通用しません
蚊は赤外線や二酸化炭素を感知するので、暗闇でも人が近づくとわかります。
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