すずしろ日誌

介護をテーマにした詩集(じいとんばあ)と、天然な母を題材にしたエッセイ(うちのキヨちゃん)です。ひとりごとも・・・。

やきもちやきのお猫さま

2007-05-08 01:05:35 | ひとりごと
 愛犬が病気してから、どうしても犬ばかり構ってしまう。犬は本来甘えん坊であるが、猫は淡泊な物だ・・・と思っていた。しかし、うちの坊ちゃんはやきもちやきである。
 今まで私の布団で寝ていたのは自分ひとりの(一匹の)くせに、調子の悪い愛犬に付き添って居間で眠ると、これでもか!というほど抗議鳴きをする。
 父が頭をなでに行くと、脇から割り込んで「僕も僕も!」とすり寄ってくる。まあ、父にしてみれば、これが「たまらない」訳で、
 「父ちゃんもてもて!お前ら父ちゃんそんなに好きか?」
とご満悦である。
 猫はもともと「意地悪」なところがある。普段は犬とトラブルにならないように、ある程度節度のある距離を保っている。通りたい場所に犬がいると、遠回りをするか、私に助けを求める。ところが、犬が元気がないと分かると、わざわざ鼻先を悠然と通ってみせたりするのだ。そのくせ甘え上手で、つい私たちもやられてしまう。
 しかし、今回はさすがに犬の病気が病気なので、本当に「元気がない」時がある。鼻先を通りかけて犬の顔をのぞき込む猫。何を考えたのかは分からないが、ちょっと遠慮したように、迂回した。気まぐれかも知れないが、ばか飼い主は勝手にアフレコする。
 「え?マジで病気なの?大丈夫なんかな?」
そして、勝手に「うちの猫(子)は賢いなあ」などと思うのである。
 動物は喋らないから、「痛い辛い」を訴えないから、よけい不憫だ・・・と母は言う。しかし、もし言葉を喋ったら耳が痛いかも知れない。たぶんほとんど私たちの愛情は「身勝手な思い込み」なのだから。
 今夜もお猫さまは夜遊び中である。これから朝までに何回起こされるだろう?何にしても、我が儘でもいいから、元気でいてほしい。お前たちは私たちの家族であり、何より父の「生き甲斐」だから。
コメント (2)
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