すずしろ日誌

介護をテーマにした詩集(じいとんばあ)と、天然な母を題材にしたエッセイ(うちのキヨちゃん)です。ひとりごとも・・・。

お年玉はいずこ・・・

2009-01-08 21:29:54 | ひとりごと
 先日友人家族と買い物に出た。正月は休みでも喪中なので出歩くなとの田舎の忌みごとをきっちり守った。勿論仕事には出るしかなかったけれど。田舎では喪中でなくても「女が角明けするものではない。」とのことで、正月は男の人がお年始に来るまで出てはいけない。
 これだけ正月から離れると、福袋もないしあまりめぼしいものはなかった。それどころか、何軒か閉店セール(新春セールじゃなく)。婦人服の店も、以前はちょっとお高いおばさま服から若者服までとりどりあったが、中間がなくなっていて私たちの世代の着られる服がない。結局ユニクロとしまむらである。
 買い物は友人の娘達は結構楽しんでいた。お年玉の潤いもあるのかあれこれと選んでいた。
 買い物の途中でマクドナルドでお茶にした。買い物を楽しんでいた娘さんが友人に
 「妹・・・お金残り少ないよ。渡してあげれば。」
と遠慮がちに言った。友人は何のことか分からない様子だった。私はお金を渡せといっていることは分かるのだが、この子はお小遣いをせびるタイプの子ではない。妹の手術の時、こつこつ貯めた貯金を
 「お母さん、大変だったら使って。」
と出そうとした子である。
 「A姉ちゃんの子供にお年玉あげるって包んだよね。」
おずおずと彼女は友人に言う。
 「うん。ほなけどお正月会えなくて渡せなかった。」
 「あの・・・お姉ちゃんから預かってない?」
 「何を・・・。」
 「・・・。だから・・・、お年玉包んで・・・。」
 「ほなけん、あれは姉ちゃんとこの子供に包んだんでえ。」
 「いや、それはわかっとるけど。」
何となくかみ合わない会話が続いた。
 「・・・・お姉ちゃんの子供に包むとき、お母さん、あんたらにも貰うたけん、お返しせなって言いよったでえ。」
 「ああ、あんたらが子供の時に貰ったからお返しにな。」
 「・・・・・」
 彼女のお年玉が露と消えた瞬間だった。彼女はてっきり「お姉ちゃんが今年お年玉をくれ、母親が預かったまま忘れていると思い込んでいたのだ。
 彼女には可哀想だが、私はあまりのかわいさに大笑いしてしまった。

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コメント (4)
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