すずしろ日誌

介護をテーマにした詩集(じいとんばあ)と、天然な母を題材にしたエッセイ(うちのキヨちゃん)です。ひとりごとも・・・。

七匹の子犬

2006-09-10 08:43:15 | むかしむかし
 むかしむかし、ある家にとても賢い雌犬がおった。名前はシロ、名前通り真っ白で、雑種じゃったが器量よしじゃった。
 ある時、シロが7匹の子犬を産んだ。それを知った飼い主は、どうしたものかと思案したが、処分するしかなかろうと考えた。
 今の時代はペットの避妊や去勢は常識じゃが、昔は飼い犬を医者にみせるなど贅沢で、飼えない子犬は情の移らん目の開かん内に、捨ててしまう事が多かったのじゃ。
 さすがに賢いシロは不穏な事態を予感してか、子犬に飼い主を寄せ付けようとはせなんだ。そうして何日かやり過ごしたが、ある日とうとうシロを子犬から引き離し、飼い主は7匹の子犬を連れだした。
 まだ目も開かん子犬たちが「きゅんきゅん」母犬を探して鳴く様は、さすがに飼い主の心を揺すぶらせたが、振り切るようにその子犬たちを大きな袋に詰め込んで、激しい川の激流に投げ込んだのじゃ。
 その時じゃ、どこからどうやって来たものか、シロが吠えながら駈けてきて、川に迷いなく飛び込んだ。
 「シロ!」
飼い主は、大声で叫んだ。何故なら川の上流は大変な激流で、達者な者でもよくおぼれ死ぬ場所じゃからだ。
 飼い主の声など耳に入らぬ様子で、シロはどんどん泳いで、ついには袋に追いついた。牙で袋を噛みちぎり、1匹子犬をくわえると岸に泳いで飼い主のそばに下ろした。そして次の1匹、さらに1匹。しかしその間にも袋はどんどん流されていて、子犬を迷子にせんために、同じ場所に届けるものじゃから、シロの泳ぐ距離もどんどん長くなった。
 「がんばれ!がんばれ!」
 いつしか、自分が子犬を捨てたことも忘れて、飼い主は必死で応援しておった。飼い主の励ましの声が届いたのか、シロは次々と子犬を助け出し、とうとう7匹全部を助け上げた。
 「シロ、ようやった!ようやった!すまなんだ、わしが悪かった。」
泣きながら抱きしめる飼い主の腕の中、シロ満足そうに「くう~ん」と鳴くと、そのまま力つきて死んでしもうた。
 飼い主は深く悲しみ、反省し、7匹すべての子犬に、いい里親を見つけたのじゃった。やさしく賢かったシロへのせめてもの罪滅ぼしじゃった。


以上、悲しい実話です。今でも田舎では「避妊、去勢」「里親さがし」
「動物病院」は浸透しきっていません。市内でもマナーは悪く、結果、野良犬や野良猫が多く、殺処分も大変多いです。私も子犬を捨てさせられた経験があります。早くみんながマナーを持って、ペットを飼い、愛し育てる、そうなって欲しいと心から祈ってます。
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怪我けがケガ

2006-09-06 22:12:38 | ひとりごと
 うちのペットはやたらと怪我や病気をします。犬は2回手術してるし、猫はしょっちゅう喧嘩しては、生傷が絶えず、化膿しては通院です。まったく、いくらかかることやら・・・。

 友人が一度「惜しくはないのよね。ただ、痛い。」と言っていたのを今痛感してます。お会計の時はいつもどきどきです。
 せめて喧嘩をやめてほしいのですが、我が家にわざわざやってきて喧嘩を売る猫ちゃんがいて、避けられないのですね。
 本日もチェックしてたら、胸にしこり。連れていったら案の定化膿してました。しばらく通院です、とほほ・・・。

 かなり治療が堪えたらしく、今はぐったりしてます。
 ペットは父のためにも癒しになっていいのですが、怪我や病気をすると父もブルーになるので、辛いです。
 早く元気になってもらわないと・・・。姉ちゃん頑張って治療費稼ぐからあ!!!
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ふたりのばあやん

2006-09-04 20:01:38 | むかしむかし
 むかしむかし、あるところにばあやんと意地悪ばあやんがおった。
二人は実の姉妹じゃったが、性格は全く似ておらなんだそうじゃ。
 二人にはそれぞれ跡取りの他に、遠くで暮らす息子がおった。ばあやんは息子が帰るたび、まるで戦地から戻ったがごとく喜び歓迎したが、意地悪ばあやんはあまり嬉しい顔は見せなんだ。
 戦後の物のない時代に、それぞれの息子は母親のために珍しい魚や菓子を苦労して手に入れ、持ち帰った。ばあやんはそれを頭の上に捧げては
 「もったいない。こんな高価な物を」
というのであった。
 一方意地悪ばあやんは、土産を一瞥するなり
 「別に欲しくもない・・・。」
とぶっきらぼうに言うのであった。
 こんな風に全く性格の違う姉妹であったが、同じところがひとつだけあったのじゃ。困ったことに、二人ともせっかく持ち帰った土産を食べようとはしないのだった。
 ばあやんは勧められるままに一口食べると
 「ああ、もったいない、まるで円札をかみしめるような贅沢じゃ。」
そう言って、みんな孫たちに食わせてしまうのじゃ。
 一方意地悪ばあさんは、嫌そうに一口食べるなり
 「ああ、まずい。こんなものは食えた物じゃない。」
そう言って、これまたみんな孫たちに食わせてしまうのじゃった。
 そうなのじゃ。意地悪ばあさんは、「美味しい」と言えば「母さんが食べてくれ」と言われると思い、わざと悪口を言っていたのじゃ。素直になれない母親の性格を見抜いておった息子は、じゃからこそ意地悪されても意地悪されても、「そうかい」と受け流して、また食べ物を運ぶのじゃった。少しでも母親の口に入れたくてな。


 以上、いつの時代にもいる不器用者の話である。まあ、同じなら「うれしい、おいしい」と言ってもらいたいですよね。息子は分かっていたけれど、お嫁さんはきつかったらしいし。でも、ちょっとかわいい。どんな顔で孫に食べさせていたんだろう・・・。2006/9/4の記事
コメント (3)
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九月だあ!

2006-09-02 00:02:12 | ひとりごと
 早いものですね。もう九月ですよ。この夏は買い物するぞ!と宣言しながら、買い物に出てすらいない。夏は過ぎていく・・・。ブランドで自分にご褒美!と決めてたのに、結局ニッセンカタログをめくる日々・・・。むなしい・・。


 疲労はなかなかとれないし、でも、みんなこのハードワークしながら、主婦してたり子育てしてたり、孫のもりしてたり、畑してたりするんだよね。
 わたしときたら、キヨちゃんに家事まかせきりで、仕事専念。介護してはいるけど、ここのところ父も予後が安定してるから、オフはひたすら寝たり、整体したりとメンテナンスに専念。「今日畑してきた」なんて同僚に言われると、誰にということなく自己嫌悪。


いいのかなあ、こんなことで??
コメント (2)
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