Dream Gate ( 中野 浚次のブログ )   

本日はようこそ開いてくださいました!お芝居のことグルメを語ります!


          

私の好きなティールーム ⑥  水上勉が愛した冷たいココア  -茜屋珈琲店軽井沢店ー

2011-09-02 | 喫茶店めぐり

 
「アイスココア」ではなくて、茜屋珈琲店では「冷たいココア」とよんでます。

「ケーキ」ではなくて、ここでは「高いが旨いお菓子」とよぶ。

メニューはあまりなくて、すべてが735円です。


夏休みも終わりましたね。
このあいだ、軽井沢の「茜屋珈琲店」に行ってきました。
伊香保旅行の帰途、30年ぶりに立ち寄ったのです。
30年前(←ずいぶんお古いお話ですが・・・)。
軽井沢周辺を、レンタルサイクルで散策してました。
通りの端にあったサテンで休憩したのが「茜屋珈琲店」だったわけ。 


「茜屋」さんでは決まって「冷たいココア」をオーダーします。
まずシャンパングラスをおもわせる細いグラスが置かれます。
  お客の目の前で、氷に浸けていた銀ポットからココアが注がれるのです。
そのタイミングが心憎いほど絶妙!!

そう。30年前も私はここの同じカウンターに座っていました。
何気なく目を転じると、作家の水上勉さんがこの冷たいココアを飲みながら、葉巻をふかしておられました。
小説『飢餓海峡』が風靡した頃です。
それからは、いっぺんに「冷たいココア」党に~

数ある喫茶店でココアを飲みましたが、ここのココアを上回る味はありません。
濃厚で甘さも苦さも程よくまさに絶品です。



古風民家風の落ち着いた佇まい。

30年前と変わらぬスタイル。

温かみとモダンな雰囲気。

ここに居ると不思議なやすらぎを感じます。
 

  


「高いが旨いお菓子」も何種類かありました。

今回は注文しませんでしたが、「茜屋」さんのオリジナルケーキだそうです。

今夏から新メニューのカレーライスが登場したそうです。

訪れたのが昼どきでもあり、別荘族とおぼしきご婦人らがカレーライスを召し上がっておられました。

カレーライスが1475円。これは軽井沢料金ですよね。



天井からもコーヒーカップ。壁にもカップ。

大倉陶園のブランドばかりです。

お客さんの雰囲気に合わせて択んでくれるというスタイルなんです 

 


「茜屋珈琲店」の創業が昭和45年。神戸の三宮が発祥地。

こちらのお店は、もともと東京・歌舞伎座横にありました(←現在も営業してます。何回か行きました)。

軽井沢は夏シーズンのみ出稼ぎに来ていたとか。

その頃は今のようにレンタルサイクルでなく、馬だったそうですよ。

レンタルホースがあったかどうかは知りませんが・・・・(笑)。

それはとにかく出稼ぎに来ていた軽井沢が、今では本店になっちゃった。

世の中ってわかりませんよね。

  

 ※次回から【伊香保紀行 2011・夏】がはじまります。ご期待ください。

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熊本カフェ散歩

2011-07-10 | 喫茶店めぐり

 

 

またしても「熊本」の話です(笑)。

今回紹介したいのが『熊本カフェ散歩』(←画像)。
次から次へと出版されている「グルメ本」とか、「食べログ」とは一味ちがう。
風変りというか、味のある本というか、とにかく読んでいて日常がちょっぴり豊かになる本だといえる。

まず作者の三角由美子さんの文章に惹かれた。
どちらかというと直木賞作家の三浦しをんさんの文体に似ている。読んでいて気持ちがいい。
自分のスタイルがある。つまり、「スタイリスト」なのだ。
地元熊本生まれ。有名女子大卒で大手の出版社の編集部を経て、フリーライターに。
現在は地元の情報誌を中心にインタビューの取材・執筆が主な仕事だそうだ。

さらにいえば、実家は熊本の「三角畳店」。いうならば畳屋の娘。
「ミニ畳作り」講習会を開いたり、畳を担ぐことは日常茶飯事。
ご自分のブログにも「和の暮らしってステキ」とつぶやき中。

カラスの啼かない日があっても、お酒を飲まない日はいち日もない。
行きつけの「飲み屋」はあっても、カフエとか喫茶店にはとんとご縁がない。
そんな彼女に飛び込んできた仕事が「カフエめぐり」の取材。
「なんとかなるさ」のケセラセラでカフエ行脚がはじまったらしい。

さて紹介されているのは、熊本市の中心街と東西南北で出会ったカフエ50軒。
ありきたりのカフエ探訪記ではない。
まるで刑事ドラマの聞き込み捜査のごとく、知らない店の扉をひらく。
ときには猫も棲まないという路地裏の喫茶店まで足をのばす。

大方の「グルメ雑誌」にありがちな、お店の雰囲気だとか、コーヒーの味がどうだとか、ユニークなスイーツが格安だとか。
どちらかというと取材される側が宣伝してほしいところの提灯持ちはいっさいしない。
「カフエという空間」に作者の目線がある。

テレビのニュースのネタとか、人間ドックのはなし、ペットのはなし、ゴルフの打ちぱなしの話など,客とマスターのたあいない話が「カフエ空間」に広がる。
それにしても常連さんのチカラってすごいと作者はいう。
マスターが手を離されないときや、話がとぎれると、すかさず横から援護してくれる。

コーヒーを飲むのなら、コンビニでもファーストフード店でも手短かにすませられる。
そのほうが時間効率を優先する人には適っているだろう。

しかしカフエの席に座ってポーと窓の向こうの景色を眺めたり、カウンターで居合わせた人と他愛ない話をして笑うことも、気持ちを満たしてくれるものだ。
つまり、こんな人生の「余白」があってもいい。
『熊本カフェ散歩』が、それを教えてくれたのです。


   熊本カフエ散歩    

 著者   三角 由美子

 発行所  書肆 侃侃房(しょし かんかんぼう)

 定価   1300円(本体)+税

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わたしの好きなティールーム ⑤  -ホテルオークラ福岡 「カメリア」-

2011-03-27 | 喫茶店めぐり

  

ティールームというよりホテルオークラ直営のカフェテラス。

大きな窓と高い吹き抜けのある開放的な空間です。

昼は窓からの自然光が降り注ぎ、夜は天井からの柔らかな光がやさしい。

ホテルにあるラウンジだけに、バイキング形式の朝食から、深夜まで香り高いコーヒーと食事が楽しめます。

画像は、モカコーヒーと抹茶ケーキ。

でもひとりっきりでゆっくり過ごせるスペースではない。

 
        

 

ホテルオークラ福岡は、博多座から徒歩で2分。

これは以前に、博多座に勤めていたNさんからきいた話ですが・・・・・

じつは博多座からホテルオークラまでヒミツの地下道があるんですって。

この地下道を利用したのは、博多座出演中だった大地真央さん市川海老蔵さんの二人だけとか。

朝6時半から営業している和食の『山里』、昼間の3時から飲める風格漂う上質なバー『バロン オークラバー』。

JR博多駅から地下鉄で3分。しかも歓楽街中州のど真ん中。

ぜひ一度は泊まってみたい!!

                                                                    

                                   

博多座のなかにも、ホテルオークラ直営の『コーヒーラウンジ』があります。

幕間のひととき、コーヒーを飲んだり、ときにスパークリングワインを飲んだり・・・・

基本的には禁煙ですが、おもむろにシガレットケースを出すとボーイが煙草盆をそっとテーブルに。

不思議な空間です(笑)。

野菜カレー、サンドイッチ、それに公演の演目にちなんだ博多座ケーキもあるんですよ。

観劇前、待ち合わせに最適のラウンジです。

 



      営業 時間:10:00~17:30   定休日:博多座休演日及び12月          

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私の好きなティルーム ④    ー東銀座 「 Ken‘s 」ー 

2011-01-30 | 喫茶店めぐり
           



歌舞伎を見た日には、「もう一つの愉しみ」がある。
ken‘s珈琲店に寄ることだ。
その日の終着駅が「ken‘s珈琲店」かもしれない。
ken‘sの店内に入っただけでホッとする。妙に落着ける。

私にとってken‘sは「とまり木」のようなものだ。




ken‘sには、ふしぎな癒しの時間がながれる。
しかも店員さんの優しいい笑顔、温かさ~。
常連客でもないのにマスターまでが、いつも愛想よく迎えてくれる。
なんだか幸せな気分にさせてくれる。

画像は店内コーナーの一部。
一見カラオケルームに見えますが、そうではない。
圧倒的に多い女性客のための”おしゃべり”の空間なのだ。

歌舞伎座、新橋演舞場に近いせいか、カブキ話からアイドル談議~。
そろそろやってくるバレンタインに備えて女性同士がチョコの交換~。

ken‘sには、時節によって特別メニューが用意される。
バレンタインには、生チョコ付ハート・カプチーノという限定メニュー。
クリスマスには、いま流行の「おひとりさま」のために、素敵なイヴ・ランチがあるとか。





最近は味気ない喫茶店が多い。多すぎます。
「分煙」ならまだしも、「全席禁煙」の喫茶店はザラ。
ミルクの容器(←関西はフレッシュ)だって、「失礼します」とすぐにひきあげてしまう。
店員だってマニュアル通りに「ごゆっくり」とはいうけれど、「さっさと出て行け」の顔をしている。
ken‘sは何時間ネバっても、いっさい文句をいわない。

ゴージャスな応接室が私の指定席
いつもここで、熱~いコーヒをのむ
私だけの「至福の時間」。
それを叶えてくれるのが”ken‘sなのだ。






この日はken‘sブレンドコーヒーとken‘sさん自家製のモンブランケーキ。
ken‘sブレンドには、私の好きなモカマタリがブレンドしてある。

いつ行ってもステキなコーヒーカップ&ソーサー。
一杯一杯にマスターの気持ちがこもった優しいコーヒーの味だ





飾られてある額の絵が最近変わった。
ご存知ゴッホの『アルルのカフェ』である。
私もこの絵が大好き!!いまもの待ち受けにしている。

ken‘sの人気メニューに「皇居のはちみつハニートースト」がある。
なんでも皇居の「ゆりの木」から採ったハチミツは世界一食べやすいらしい。
トーストにしっつかり浸み込んで、だれもが夢中になる味だときいている。

次回はぜひ食べてみよう!!

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わたしの好きなティールーム③    ー木挽町「ルノアール」ー

2010-11-01 | 喫茶店めぐり



今日から11月です!!
カレンダーはあと1枚。いえ2か月毎のカレンダーだとあと0枚、つまり今年はこれでオシマイです。
とにかく1年なんてあっという間。年々早く感じられます。
これは私だけでしょうか?

さて、今回紹介する喫茶店は晴海通りの近くにある「ルノアール」
お店は2階にありますが、大きな窓からの見晴しがすばらしい。
今しがた雨の上がった夕昏れの大都会の風景がすごく好きなんです。

新橋演舞場で「10月大歌舞伎」を見て、劇場前にある宮本亜門さんのお父さん(86歳)がやっているコーヒー店に寄るつもりでした。
ですが、値段は安いのですがコーヒーの味がイマイチなんです。
なんでも新橋演舞場の楽屋へコーヒーの出前が今も多いらしい。
宮本亜門さんが幼少のころから劇場へは木戸御免だったという。
新橋演舞場に出演している役者さん達は珈琲オンチなんですかね。




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さて、「ルノアール」は新橋演舞場から徒歩で2分程度。
お芝居を見たあと、何も考えずボケっとしている時間も大切です。

「木挽町」とタイトルに記しましたが、それはひと昔も前の町名。
その頃は、川口松太郎の小説によく登場する築地川という色っぽい名前の川が流れていました(←いまは埋め立てられていますが)。
それに和光の時計台がある銀座4丁目の交差点は、その頃は尾張町の交差点と呼んでました。
当時はもちろん『君の名は』で有名になった数寄屋橋、日劇もありました。

ところで注文したのが レモンアイスティー
コスターのデカイのにタマゲましたが、それよりも驚いたのは、お客さんの大半がi-padを使っています。
ケイタイを使っている私は時代遅れのような感じがして恥ずかしかったです。
さすが銀座のサテンだとは思いましたが、世の中は確実にハイスピードで流れています。







昨日は日本橋の三越劇場で、新派の『滝の白糸』、本日は新橋演舞場で歌舞伎。観劇のはしごです。

ご存知かと思いますが、東京・歌舞伎座は現在建て替え中。ですから歌舞伎は200㍍ほど離れた新橋演舞場で歌舞伎公演をしています。

私はどちらかというと築地に近い「新橋演舞場」のほうが好きです。
もともと新橋芸者さんの「東おどり」のために建てられた劇場。あたりは色町らしく「金田中」(← 一見さんお断り)をはじめ高級料亭が軒を連ねています。
現に「人力車」が劇場前で待機してました。

ここには、まだ「江戸の粋」が息づいているような気がします。



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