「アイスココア」ではなくて、茜屋珈琲店では「冷たいココア」とよんでます。
「ケーキ」ではなくて、ここでは「高いが旨いお菓子」とよぶ。
メニューはあまりなくて、すべてが735円です。
夏休みも終わりましたね。
このあいだ、軽井沢の「茜屋珈琲店」に行ってきました。
伊香保旅行の帰途、30年ぶりに立ち寄ったのです。
30年前(←ずいぶんお古いお話ですが・・・)。
軽井沢周辺を、レンタルサイクルで散策してました。
通りの端にあったサテンで休憩したのが「茜屋珈琲店」だったわけ。
「茜屋」さんでは決まって「冷たいココア」をオーダーします。
まずシャンパングラスをおもわせる細いグラスが置かれます。
お客の目の前で、氷に浸けていた銀ポットからココアが注がれるのです。
そのタイミングが心憎いほど絶妙!!
そう。30年前も私はここの同じカウンターに座っていました。
何気なく目を転じると、作家の水上勉さんがこの冷たいココアを飲みながら、葉巻をふかしておられました。
小説『飢餓海峡』が風靡した頃です。
それからは、いっぺんに「冷たいココア」党に~
数ある喫茶店でココアを飲みましたが、ここのココアを上回る味はありません。
濃厚で甘さも苦さも程よくまさに絶品です。
古風民家風の落ち着いた佇まい。
30年前と変わらぬスタイル。
温かみとモダンな雰囲気。
ここに居ると不思議なやすらぎを感じます。
「高いが旨いお菓子」も何種類かありました。
今回は注文しませんでしたが、「茜屋」さんのオリジナルケーキだそうです。
今夏から新メニューのカレーライスが登場したそうです。
訪れたのが昼どきでもあり、別荘族とおぼしきご婦人らがカレーライスを召し上がっておられました。
カレーライスが1475円。これは軽井沢料金ですよね。
天井からもコーヒーカップ。壁にもカップ。
大倉陶園のブランドばかりです。
お客さんの雰囲気に合わせて択んでくれるというスタイルなんです
「茜屋珈琲店」の創業が昭和45年。神戸の三宮が発祥地。
こちらのお店は、もともと東京・歌舞伎座横にありました(←現在も営業してます。何回か行きました)。
軽井沢は夏シーズンのみ出稼ぎに来ていたとか。
その頃は今のようにレンタルサイクルでなく、馬だったそうですよ。
レンタルホースがあったかどうかは知りませんが・・・・(笑)。
それはとにかく出稼ぎに来ていた軽井沢が、今では本店になっちゃった。
世の中ってわかりませんよね。
※次回から【伊香保紀行 2011・夏】がはじまります。ご期待ください。