今年の「グループ・オータニ」の新年会は、うなぎの老舗『喜代川』でした。
いつの頃からであろうか、「うなぎ」大好き人間である私の「うなぎ」行脚がはじまった。
東京だと、東銀座の「竹葉亭 本店」、飯倉の「野田岩」、浅草の「前川」と。
さては博多の「吉塚」にも数回(←おまえさ、うなぎよりも「吉塚」という名前が気に入ってんじゃん!!)。
そんな陰口を浴びたことも。
さて日本橋の「喜代川」は二度目。
前回は1階の椅子席で、「うな重」と「きも吸」だった。
いつか冬場に「喜代川」のお座敷で、熱燗でうなぎコース~を。
「わたしはそっと心に決めている」と自身のブログでつぶやいたっけ。
それが、こんなに早く実現するとは思わなかった。
「喜代川」というお店を知ったのはNHKの朝ドラ『こころ』だった。
のちに渡辺淳一の小説『化身』の舞台にもなった。
最近では「週刊モーニング」でラズヴェル細木の人気コミック『う』で「喜代川」が描かれている。
数寄屋の建物、雰囲気、それに、びっくりしたのは女将の顔がチョーそっくり!!
皆さんも是非ご覧になってください。笑っちゃいますから。
うなぎコースの主役はやはり、あのいい香り、艶やかな「かば焼き」でしょう。
「喜代川」では蒲焼き用と白焼き用とを、うなぎの大きさで使い分ける。
創業以来そんな「こだわり」のあるお店です。
かば焼きは長めに蒸して、備長炭で秘伝のタレをつけて一枚一枚焼き上げる。
ふっくらした肉質は口の中でとろけるような味わいでした。
ちなみに飲み物は、、ビール(←キリンラガー)、日本酒は特撰白鹿、つまりは灘の生一本。
うなぎの肝にはうなぎ同様に栄養が豊富。
運ばれてくるお料理の順序は目茶苦茶に書いてますが、お通し、刺身、煮物と、たしか4番目でしたっけ。
1本の串に6個~7個の肝がさしてあります。
さてここで問題です!!
うなぎ1尾に肝が何個ついていると思いますか?
うなぎ1尾に肝は1つなんです。
正解されたかたは、「うなぎ検定」は合格ですね(笑)。
「喜代川」の絶品は「白焼き」だといいます。
うなぎの”通”とよばれる人はどちらかというと「かば焼き」よりも、この「白焼き」を好まれるようです。
普通「わさび」でいただきますが、好みで「山椒」でも。
画像/左は煮物で、今月だけの「銀鱈の宮重蒸し」
旬の銀鱈とおろし大根に卵を混ぜて蒸し上げたもの。
仕上げには、出汁の餡をかけ梅麩と青ぎんなん。
この季節に躰がほっこりする一品でした。
「大将ねェあたしゃァまた新香がなくちゃいられない。(うなぎが)焼けてくる間この新香でつなげるてえやつだ。」
(落語「うなぎの封間」より)
むかしの『うなぎ屋』では、まずこの新香が出たらしい。
うなぎが焼けるまで、新香をアテにして呑んだという。
ところで「喜代川」のお新香(←画像/左)は,代々女将の手作りなんだそうです。
女将が毎日欠かさず糠床をかき混ぜ、伝統の味を守ってるとか。
その「喜代川」の女将が今春ご結婚されるそうです
男まさりで、あのダミ声、チャキチャキの江戸っ子の女将さん。
われわれのお座敷に見えても・・・・・
「あら!! お銚子おつもりですわねえ」
「おつもり」~なんと美しい下町の江戸ことばでしょう。
ちなみに今春5月から、いよいよ若女将が登場とか(←現在は日本橋の料亭で修行中)。
すごい美人だそうですよ!!
行かなくっちゃ
通されたお座敷は2階の「茜の間」。
二階には大小異なるお座敷があり、それぞれ見事に床がしつらえてある。
坪庭を囲んで江戸情緒たっぷりの空間。
築75年という数寄屋風の日本建築。
突き当りがトイレ。トイレというより『廁(かわや)』と言いたくなる江戸風の便所(←水洗です)。
このトイレをみて、私は江戸落語の 『うなぎの幇間(たいこ)』を思いうかべた。
『うなぎの幇間(たいこ)』は幇間持ちの一八が通りがかりの男にうなぎをご馳走になろうと取り入った。ご馳走になっている途中にその男が厠へたった。実はその男は反対にご馳走になって食い逃げを決め込んで厠からそのまま姿を消した。一八は食事だけでなく土産代まで払う羽目になり、買ったばかりの下駄までその男の汚い下駄にすり替えられてしまった。
※参考文献:『古典落語(大尾)』興津要編 講談社文庫
今回から「グループ・オータニ」の幹事をしてくれたイチ君。
ほんとにお疲れさまでした!!
翌日はロシアのラブロフ外相がニューオータニに宿泊のため、早朝出勤とか。
「うなぎでスタミナがついて、明日はキバられそうです!!」
そう云ってくれました!!
来年もまた「グループ・オータニ」のメンバーでどこかに行きたいです
ごちそうさまでした