いきなりおかたいタイトルを挙げましたが、GW中に読んだ本の中で
『サッカーという名の戦争』は、一押しの楽しめる一冊でした。
「サッカーは戦争である」と云ってますが、戦わなければいけないのは
ピッチの中だけではない、ピッチの外で血みどろの戦いが行われている
のです。
日本サッカーがワールドカップやオリンピックの予選を突破し、世界の
強豪と戦うためには、他国との交渉という戦争に勝たなければいけませ
ん。試合の裏でも知られざる工夫がこらされているのを知りました。
長距離の移動や時差、気象条件などを計算し、ホームか?アウェーか?
試合の開催地を交渉し、試合順にいたるまで知恵を絞る。
試合は単なる抽選ではないのです(←えっ!!知りませんでした)。
いい対戦相手との練習試合を、過密スケジュールの合間をぬって入れる
のも大事な仕事です。
つまり、いい試合によってこそ、チームが強化されるからです。
かつてサッカー少年だった著者は、通産省で資源外交に携わり、後にサ
ッカー協会の専務理事。仕事も専ら外交でした。
ホテルでの作戦会議にしても不眠不休。ホテルのボーイに見られてもいい
ように白板にニセ情報を書いたという徹底した情報管理にはオドロキです。
戦うことで敵を知る。敵もまた戦うことで日本を知る。
その戦いを通じて世界との熱い絆を築き上げるのだ、作者はそう結んで
います。
サッカーフアンでなくとも気軽に読んでいただきたいオススメの本です。