もともとワタシは"チエ―ン店”のある店は敬遠する。関西弁でいえば「スカン」なのである。
昨年の師走だった。文化村にあるコクーンのお芝居が夕方5時すぎにハネた。
仲間うちの忘年会が7時の約束だった。
まだ2時間もある!!
ごったかえす渋谷の文化村通りで、ふと足をとめたのが「俺流塩らーめん」と看板に書かれたらーめん店だった。
その店はビルの一階にあった。
何気なく店にはいると、どこか元スマップの香取慎吾に似た店員が「いらっしゃい」と威勢がいい。
私は店の名物らしい「俺流塩らーめん」(画像・上掲) 670円を注文した。
「麺の硬さはどうします?」即座に店員が問うてきた。
私は「フツウ」とこたえてカウンターに座った。
カウンターのまえには、胡椒、らー油のほか刻み海苔、わかめ、梅干しだの、ずらりと香辛料がならべてある。
ちなみに、このお店は、塩らーめん一辺倒だが、ほかに唐揚げ,チャ—シュ、半熟卵がガックリの
「俺流男盛りらーめん」(画像・上掲)950円がある。
それにニンニク味のつよい「俺流完熟らーめん」 870円もおススメ。
塩らーめんはシンプルで奥が深い。
この店のスープは、一見豆乳が入っているみたいだが、鶏ガラとゲンコツ(豚骨の一種)、ネギだけだそうだ。
それらをとろとろの弱火でじっくりと時間をかけてつくりあげたそうだ。
想像を上回る旨み、甘みたっぷりのやさしい塩らーめんでした。しかもアッサリ系なのがワタシにはうれしい。
オーナーの小林さんはシブヤで10年間らーめん修行してきた。
北海ラーメン、横浜家系、博多ラーメンと
いろんなジャンルの門をたたいた。
たどりついたのが、塩らーめんだったという。
ラーメン業界も毎年多くの店が出店し、多くの店が閉店していく。
俺流塩らーめんも開店当時、「流行でしょ!!」とか「イロモノ」と罵言を浴びた。
最近ワタシは、小津安二郎監督に真似てグルメ手帖をつくっているのだが、
すぐさまその手帖のラーメンの項に、「俺流塩らーめん」と書き足したのであります。
それと、この店が”チエ―ン店”のひとつであることを、後で知った。