Dream Gate ( 中野 浚次のブログ )   

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浅田真央 高橋大輔の「夢の競演」  -大阪市中央体育館ー

2010-04-27 | フィギュア



バンクーバー冬季オリンピックのさめやらぬ中、メダリストをはじめトップクラスのスケターたちのエンターテインメントショーが今年も「大阪市中央体育館」であった。

一昨年と同じマリーナー席(←なみはやドームは氷上席)だったので、肌着に「ホカロン」を何枚も貼り付けて完全武装で見に行ってきました(笑)。

フィギュアスケートの人気はスゴイ!!
熱気上昇というか、オーバーヒート気味。
さて「スターズ・オン・アイス(大阪公演)」をご紹介しましょうか。フィギュアスケートに興味のない方、大変申し訳ありませんが、少々お付き合いを!!(←よろしくお願いします)。




真央ちゃんの宿敵はキム・ヨナ(韓国)


■浅田真央(あさだ・まお)=1990.9.25  163cm
本大会では「大トリ」。
プログラムは彼女の十八番「仮面舞踏会」だった。
彼女が目標にしていたトリプルアクセルをオリンピックという大舞台で成功させたことは素晴らしい。自信にもなった。

銀メダルは彼女のゴールではない。
キム・ヨナという宿敵がいる。
浅田真央のプログラムを科学的に分析してみると意外なことがわかる。
「つなぎ」という部分に、ほとんど”間”がないことだ。
それに比べ、キム・ヨナのたとえば「007」には、「つなぎ」に”間”が用意されている。
それが五輪で話題になった拳銃を構える例のポーズである。

また試合ともなれば、当日の調子、緊張感、集中の仕方、身体のキレなど、大会に照準を合わせていても、かならずベストで臨めるとはかぎらない。

4年後はソチ(ロシア)である。
今回、キム・ヨナはカナダで3年間トレーニングを積んだ。
浅田真央も、今すぐロシアに行くべきだというファンの声もある。

高橋大輔の履いていた靴は、解説の本田武史のものだった!!


高橋大輔(たかはし・だいすけ)=1986.3.16   165cm
男子のトリは大輔くん。
バンクーバー五輪のフリープログラム『道』(←東京公演は「ラブレター」)。
道化師のおかしみ、哀しみがあますところなく表現されていました。

高橋がバンクーバ五輪のフリーで4回転を転んだときに、おそらくテレビの前で「高橋のメダルは絶望!!」かと誰もがおもった。
でも解説の本田武史さん。
「しかしまだ、ここからです!!」
その一言でどんなに勇気づけられたことか・・・。

五輪で高橋は靴を変えるはずだった。
ところが同じメーカーの同じ靴が届いたが、どれも合わない。
革がやわらか過ぎたり、ネジの調子が悪かったり・・・。
そこで解説者の本田武史さんが少しだけ履いていた靴を借りた。
サイズが5mmほど大きく、革も硬い。
高橋が履いてみたら、「しっくりするし、滑りやすい」。
本番はその靴にした。
長光歌子コーチが言った。
「あの靴がなかったら、結果がどうなっていたかわからない!!」

オリンピックって、運も大きく関係してくる特別な舞台なんだ。
今さらながら、そう思います。





■小塚崇彦(こずか・たかひこ)=1989.2.27  170cm
日本男子フィギュアの貴公子。父も元オリンピックのフィギュア選手。つまりは唯一のDNAか!

今回は、五輪フリーの「ギター・コンチェルト」。
止まっては休む、呼吸を整える、スローパートがなくて、すごく難曲。
それでも音のひとつひとつを丁寧に捉え、ストローキングの一歩一歩、イーグルやステップ、スピンのひとつひとつが音と一体になっていた。

彼の選んだスタイルは、「音を滑る」こと。
いずれ彼の表現に、フィギュアスケートの真髄を見る日はそう遠くないだろう。

■安藤美姫(あんどう・みき)=1987.12.18  162cm
ド派手な衣装を見ただけで、プログラムがわかっちゃうのはこの人だけ。
そう。「クレオパトラ」。
歴史上最高の美女のキャラクターにアプローチしたことは記憶に新しい。


  



■ジョアニー・ロシェット(カナダ)=1986.1.13  157cm
いつも彼女はふっと上を向いてばかりいたポーズが印象にのこります。
悲痛の極みに耐えながら、最後まで気丈に氷に立ち続け、輝いた。

これこそ亡くなったお母様が希んでいたことだったと。
きっと下を向いたらもう起き上がれないのでは・・・・
ギリギリの精神状態だったらしい。

そんな彼女の姿勢に敬意と拍手を送りたい。

■織田信成(おだ・のぶなり)=1987.3.25   164cm
最近、織田の表情に「笑み」が消えた!!
「信成らしさ」がちょっと抑え気味だとだれもが言う。

今回は「チャップリン・メロディー」。
コミカルなプログラムで滑ったからといって、それだけで「信成らしい」信成が戻ってくるわけでもないだろう。

■鈴木明子(すずき・あきこ)=1985.3.28  161cm
失礼ないいかただが、女子フィギュアの中で、本命ではなく穴馬的存在。

スケートの表現スタイルには、様々である。
キャラクターやストーリーを表現するもの。
とりたててストーリーのない音楽に乗って、生きる歓びや哀しみ、情熱や愛情を表現しようというスタイル。
鈴木明子は前者だろう。プログラムは「ウエストサイド・ストーリー」。





トリノの女王

■荒川静香(あらかわ・しずか)=1981.12.29  165cm
4年前のトリノでは金メダルを獲得した荒川静香さん。
1昨年はなみはやドームで、私は握手してもらったことは、すでにブログで報告済み。

今回は、カート・ブラウニングとシェフリー・バトルらと、第2部のオープニングで登場。
プログラムは「マイケル・ジャクソンメロディー」。

色鮮やかな照明と心躍る音楽にのせて、華麗に、リズミカルに・・・。
プロ中のプロの技と躍動感。
「トリノの女王」は健在だった。

個人で戦ってきたスケーターたちが
ひとつの氷に乗って
ひとつのエンターテインメントに仕上げていた。

演出、照明、音楽のすべてが試合とは異なり
技を見るというよりは
素敵なショーを堪能した一日だった。



コメント

氷上の美しき戦士・高橋大輔!!

2010-02-04 | フィギュア



        「えっ? 男のフィギュアスケートなんて、誰が見るの?」

良識ある大人なら平気で口にする。

 「どうして男がフィギュアスケートなんてやるのか、まずそこからして理解できなかった」

少なくとも2002年のソルトレークシティー五輪で4位に入賞した本田武史の活躍までは、そうであった。

それがめくるめくものなのか!!
およそ「王子」とか「貴公子」などは、メルヘンの世界にしか存在しないと思われてきた。

それが氷上にあらわれた。
フィギュアスケートの男子シングルなんです。
王子や貴公子だけではない。スリムな身体でしなやかに舞い、圧倒的なオーラーをまとった「戦士」もいれば、鋼のような筋肉をまとった「野獣」もいる。
さらに強烈な個性の「道化師」さえもいる。

さて最近『最強男子。』(青嶋ひろの)という五輪向けのガイドブックを見つけました。
最強男子とは、高橋大輔、織田信成、小塚崇彦の3人。
でもページの大半は高橋大輔(←以下ダイスケと記載)。ダイスケ特集といってもよい。
だから私が買わないわけがない(笑)





フィギュアスケートというスポーツはなんでもあり、なのだ。
白いリンクを土煙舞う西部開拓地に変えようと、白鳥の舞う湖に変えようと。

あでやかな衣装の下に隠された男たちの筋肉の強靭さ。
そんなスポーツだから、この魅力にハマればたまらない。





圧巻だったのは、『白鳥の湖』のヒップホップバージョンだ。

私は、これをなみはやドームでナマで観た。
『白鳥の湖』はクラッシックバレーのピカ一の名曲。
それをヒップホップに変えてしまうなんて、無謀な冒険だと思った。

ダイスケはあっさりやってのけた。
この世に<陶酔>という単語は、あたかもダイスケだけにあるかのように・・・。
結局はわたしを虜にしてしまったのである。





『白鳥の湖』ヒップホップバージョンは、斬新で、何よりも強靭な神経が必要とされるプログラムである。

ダイスケの世界一のステップはもちろんのこと、氷の上で舞う高橋大輔は情熱的で、ひたすら凛々しく、ありえないほどの「オーラー」を発散させた。
それでいて「男のセクシー」を匂わせた。





今シーズン、ダイスケは新しいプログラム『道』にトライした。
『道』はご存知だろうがイタリー映画の名作。
最も厳しい戦いのためにつくられたプログラムである。
最初から最後まで爽やかだが、「優雅」、「色気」などはほとんどない。
あるのは道化師の「愛嬌」だけ。
本場イタリーの道化師について振り付けを学んだという。


  



          ケガは必要だったんだな、ということも心底実感しているから。


昨年まる1年、すごくいろんなものにぶつかった。
迷ったり、落ちこんだり、悩んだり、何をやっても充実感がなかった
コーチの長光歌子さんが語ってくれた。
「ケガする前よりも、いいところが沢山出てきましたからね。いい体験だったと思いますよ。
 思いがけないマイナスの出来事は、自分の後ろに、経験値として蓄積されますから」

ダイスケはリハビリ中に抜け出して、1週間ほど行方をくらませたこともある。
「オレ、どうなちゃうんだろう?」という気持ちがいつもどこかにあった。

また試合のあと、マネジャーから会場に残るようにと声をかけられると、

          「えっ? またダメ出しかよ!!」

茶髪でも、タトゥーもいれていないが、ダイスケにはヤンキー的な一面がある。
かと思えばアイスダンスのナタリーが大好きだという。

          「だってさ、わんこ系で、可愛いじゃん!!」

ダイスケも氷上を離れると、「フツウの男の子」である。





トリノでは、日本から高橋大輔ひとりだった。
今回は史上初めての最多数3人をオリンピックに送り込む。

しかし喜んでばかりいられない。
スイスのステファン・ランピエールも戻ってくる。
強敵ロシアのエフゲニー・プルシェンコもいる。
ともあれバンクーバーオリンピックのフィギュアの男の子、おもしろいです。

バンクーバー五輪は、あと8日で開幕する。

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