Dream Gate ( 中野 浚次のブログ )   

本日はようこそ開いてくださいました!お芝居のことグルメを語ります!


          

”寒い”時代だからこそ観てほしい!!  蜷川幸雄の『冬物語』

2009-02-26 | 演劇
      

               



つい先日、蜷川幸雄さんの『冬物語』を観てきました。

どんな駄作、愚作でも蜷川さんの手にかかれば、一級の作品に仕上げてくれます。
早い話が蜷川演出だと、チケット料金が他の演劇よりも3割程度のアップが当たり前です。それでもお客がわんさと集まる。出演者ならともかく、”演出”で客を呼べるのは、日本では蜷川さんだけでしょう。なにしろ”世界のニナガワ”ですから。

ところで『冬物語』は数多いシェイクスピア劇の中でも駄作中の駄作で、やたらご都合主義や不合理な部分があって、煮ても焼いても食えそうにない晩年のヒドイ作品なのです。
この”破天荒”な作品をどう処理するか? そこが蜷川さんです。
ご都合主義極まる物語は、とうてい整合化された芝居や心理主義では追いかけられないと考えたのでしょう。
そこでグリム童話のように、つまり神話的な時間と空間の中に物語を置き換えているのです。
たとえば、シチリア宮殿の場で飛び交う紙飛行機が、失われた時間といったさまざまなことをメルヘンチックに象徴しています。

「えっ? 田中裕子が16才の役? アノおばさんが? 無理、無理、絶対無理!!」
観客席でガヤガヤと女性陣。

あらすじは省きますが、田中裕子が二役を演じています。
シチリア王(唐沢寿明)の妃と、二人の間に生まれた娘役です。
・・・実は嫉妬に狂ったシチリア王は生まれたばかりの娘児を他国に捨ててくるよう、家臣に命ずるのです。
娘児は羊飼い(六平直政)に拾われ、美しい娘に成長していました。
そして、16年後のボヘミアの場面(←前場の妃役では自害します)では、物語のもっている無理な部分をソツなく埋めて、溌剌とした可憐な少女を演じたのにはオドロキでした。

それと、蜷川組初出演の藤田弓子が抜群の出来栄え。
どちらかといえば小柄な女優さんですが、不思議な存在感と説得力があり、強さと温かさがとてもよかったです。
助演の横田栄司、長谷川博己は蜷川カンパニーの常連だけに手堅く上出来でした。

明るいニュースなど何もない、これだけ世の中が混沌として”お寒い”時代に、この物語のように次々と奇跡が起こり、信じることの力を育み、人生を肯定できるような作品に仕上がったことに拍手を送りたいのです。

とは言え、これも蜷川マジックにまんまと乗せられたのかもしれません(笑)。


              
コメント

セリ、たらの芽、白甘鯛・・・・・早春の味を堪能!!

2009-02-21 | グルメ
久し振りに大阪ミナミの”ホテル日航大阪”の西向かいにある小料理屋さん
「ままごとや」に行ってきました。  お店の詳細はこちら

この日、夜八時に入店。お店はビジネスマンで満員の盛況でした(←不況、不況ってどこの話なの?)。

とてもチャーミングでいつも笑顔で迎えてくれるのが、女将の片腕となって働いている若いメイドの朱美ちゃん。奥の小部屋に案内してくれました。


店構えだの、板長さんだの、グルメ定番の画像ではつまんない。トップはヤッパ朱美ちゃんにハイ~チーズ。
                                     

                                                                                                       
                     ↑「ままごとや」の若い女性スタッフ。彼氏はまだいないそうです(←マジかよ!!)。


「甘いの、辛いのと皆さんいろいろ言わはるけど、どのお酒も蔵元はんが丹精こめて仕込みはった愛すべき一滴どす」
女将が言うように、どちらかというと、日本酒専門。各地の蔵元から銘酒を取り寄せているのがこの店のウリなのです。

なのに、このところ東京仕込みとやらでワイン党のワタクシ(笑)。
「ワインの白もって来て!!」 「グラスシャンパンないのかいな!!」
と云いたい放題。

「ハーフワインならありますけど・・」
「ハーフワインって何や? 半分、水で薄めたワインかいな!!」

それでもわが家のようにくつろげる空間がここにはあります。

この日は「おまかせ」の花コースにする。先付からデザートまで9品。
では、順を追ってお料理をご紹介しましょうか・・・。


       ☆ 前菜 ☆
      

      ホタルイかの燻製
      烏賊蕗みぞれ酢かけ
      セリとこんにゃくの白和え(←胡麻の香りがよくレモンを絞っていただきます)
      氷魚
      公魚の唐揚げ 赤穂塩まぶし

       ☆ お造り ☆
      

      鯵
      白魚
      桜鯛重ね造り

       ☆ 煮物 ☆
      

      若竹煮 ふきと木の芽添え
      ふきが色ツヤよく煮込まれて、京風の薄味。絶妙の一品でした。


                               ☆ 焼物 ☆
                                                        

                              白甘鯛のかま若狭焼き
                              甘鯛のかま。鮮度がよいだけに身がほぐし易い。
                              添え物の紫蘇とミョウガの香りが良くワンポイント加えています。


☆ 油物 ☆                             ☆ デザート ☆
 
↑                                   ↑
白魚のしそ揚げとたらの芽の香煎揚げ             和三盆のアイスと苺のゼリー寄せ添え
早春のかおりです。天汁でなく、お塩で。            上部にあるのは何だと思います?林檎の皮の素揚げです。
食感を大切にしてくれている感じがして・・                              
うれしい一皿。

ほかに椀物では、加賀蓮根のみぞれ餡かけ、止飯には高知のじゃこ飯に大葉添え。
あっ!!忘れてました!!もう一品。
口替わりに、雲子の葛蒸し、のれそれとうるい、若牛蒡etc・・・・です。これで9品ですよね。

また長~いブログになってしまいました。

ではこの辺で・・。 だんだん。



◆ お願い ◆
グルメ記事では画像のレイアウトに細心の配慮を致しております。
お気に入りなどを左カラムに入れますと、画面が見苦しくなります。
お手数ではございますが、ブログの画面全開でお楽しみくださいませ。
                                -管理人ー                                     

                                                                                                                                    
  
コメント

”ほんもの”とは何か?    =白州次郎と白州正子展=

2009-02-15 | 本日の○○
                   


神戸大丸にある、大丸ミュージアムKOBEに行ってきました。

現在開催中の「白州次郎と白州正子展」を見るためです。


東京・町田市にある旧白州邸「武相荘」にいちど行ってみたいと思っていたんですが、今回の展覧会では、その「武相荘」の一部が再現され、白州ご夫婦の強烈な個性と美意識が交差する中で秘められた、魅力的な生活スタイルが公開されていました。

展示では『白州次郎』『白州正子』『次郎と正子』の三章で構成。

とくに白州次郎(1902-1985)の選び抜いて使った品々には目を凝らして見ていました。
なにしろスタイルにもこだわり、日本で初めてジーンズをはいたのが白州次郎だったのです。
時計、キーホルダー、タバコケース、財布、眼鏡などは超一級品ばかり。それらがエルメスのアタッシュケースに収められていました。
愛用のブランドは、ダンヒル、ロレックス、ターンブル&アッサー、ルイ・ヴイトン、イッセイ・ミヤケ・・・・。
この時代にですよ!スゴイです!!オドロキです!!

一方白州正子(1910-1998)は、よく知られている当代一の目利き、”ほんもの”を知る唯一の人といわれ、染め、織り、陶磁器、民芸品など様々な分野での職人の技を愛し、その磨かれた審美眼で蒐集した品々が展示されていました。

どうしたら”ほんもの”がわかるのでしょうか?
まず長い間それと付き合うこと、それと身銭を切って買うこと、買う時には人の意見を頼らず、選ぶ基準は自分に置くこと。はっきりと白州正子さんは、そう答えたそうです。

やはり白州正子さんは”まれびと”なんですね。

               


画像は展示品ではありません。白州グッズとでも言いましょうか、ご夫婦が愛用されていた品の一部をアレンジしてつくられたものです。
欲しくなって買っちゃいました。

(画像/左)手作りのワイングラス。お値段は¥14.700

(画像/右)赤杉でつくられた御箸。¥850 瀬戸むぎわら手湯呑。¥8.700

ちなみに展示されていた瀬戸むぎわら手湯呑は江戸時代中期のものだそうです。


【お知らせ】
NHK(総合)2月28日(土)午後9時~10時29分
        ドラマスペシャル『白州次郎』が放送されます。
                      詳しくはこちら




コメント (1)

ロックやポップスより、スムース・ジャズでしょう

2009-02-09 | ジャズ
               


今いちばん売れてます!!  
それは『スムース・ジャズ』のCDです。

”スムース・ジャズ”とは、もとは1980年代にアメリカのラジオ局が使い始めたフュージョンのスタイルの1つ。
つまりフュージョンとか、ポップ・ジャズの流れから派生したスタイルなのだそうです。

なんたって聴き心地が良いから、ラジオやテレビのBGMとしても多用されています。
日本でも4年前から輸入盤がクチコミだけで話題になり、あるCDショップでは「売れない日は無い」といわれ、ジャズ・チャートの年間売り上げのトップに居座りました。


正直にいって”スムース・ジャズ”という言葉すら知りませんでした。
それが、つい先日のこと。
日頃からお世話になっている山野楽器・銀座本店のジャズフロアー(←3階にあります)のF君から、このジャンルの貴重なCDを送っていただいたんです。

それはMichael Gheganというサックス・プレイヤーの作品(画像)で10曲が収録されています。
「モダンジャズとは全く異なる雰囲気の音楽で、日本では手に入らない一枚です」
と云うことらしい。

「HE SAID,SHE SAID」、「PARIS METRO A,M」とかナンバーを見ただけでワクワクしちゃうワタクシ好みのタイトル。

8曲目の「IF FORTUNE LIED」のごときは、往年の映画音楽を彷彿させる抒情溢れる旋律。サックスがしびれます。
ただ、フユージョンに比べてアドリブパートが少なく、ワン・コードで演奏されているというのがワタクシの感想です。

どの曲もBARなどで流れていそうな耳馴染みの音楽。
POPSやROCKに飽きて、もっと”自分にしっくりくる音”を聴きたい大人のための音楽。それが”スムース・ジャズ”だと思うんです。


何事にもすぐにハマっちゃうワタクシ。

しばらくは”スムース・ジャズ”にハマっちゃいそうです。


ついでながら山野楽器のF君にCDをいただいたお礼を申し上げたい。
ありがとうございます。



コメント

ほんに今夜は節分か・・・・

2009-02-03 | 本日の○○
                   


きょうは節分です。

朱塗りの枡に、京都・聖護院の福豆を盛ってみました。
枡(画像)はだいぶ前に、とあるスナックのママさんから頂戴したものなんです。
豆は梅田の茶屋町の「千鳥屋」さんでもとめました。

豆を撒いて鬼をやらう、追儺(ついな)の行事は、神社やお寺の観光客招致の意味もあってかこのごろになって、年々盛んになってゆくようです。

わたしが子供のころは、どの家でも家長が枡を持って「鬼は外」「福は内」といって豆を撒いたものです。
いつの頃からか、あとの掃除が大変だからという安直な理由で豆撒きはしなくなりました。

もとは、東京・山の手の旧家で、すこし古風な慣習を知っているお家では、鬼の声色(こわいろ)をつかう役割があって、それに答えて「御もっとも」「御もっとも」と畳に頭をこすりつけたそうです。

よくある質問!

問 鬼の声色(こわいろ)ってどうやるの?

答 知るわけないでしょ!!明治の話なんだから(笑)。

コメント