Dream Gate ( 中野 浚次のブログ )   

本日はようこそ開いてくださいました!お芝居のことグルメを語ります!


          

亀治郎のお蔦と笠原の駒形茂兵衛と・・・   -劇団「若獅子」公演『一本刀土俵入』ー

2011-04-29 | 演劇

    
  


『一本刀土俵入』は、新国劇の島田正吾の代表的な演目の一つ。
かつて島田の駒形茂兵衛は人情味あふれる演技で、男の哀歌と色気がにじみ出ていた。
この『一本刀』で、島田は一代の名優を実証したばかりか、新国劇「一本刀」の”型”を完成させたといえる。

そして今回は、新国劇の継承者である笠原 章が、お蔦に歌舞伎の市川亀治郎丈を迎えて、この名作に挑んだ。

昭和59年だった。
島田の茂兵衛で、『一本刀』を浅草公会堂で観ている。
その時の船印彫辰三郎が、いま劇団「若獅子」を率いている笠原 章であった。
ちなみに当時は笠原 明という芸名である。お蔦は三浦布美子。

ずいぶん昔のことで、あまり記憶にないのだが・・・・。

「島田!!芸が細かい!!」

二階席から、そんな大向うがとんだことだけはよく覚えている。
普通なら「島田!! 大島田!!」だが、あとにも先にも、このような大向うはこの時が初めて。
場内から「ウワッ!!」とジワがきたのはいうまでもない。

さて今回、新国劇から受け継がれた魂を揺さぶるような舞台を期待した。
残念ながら、意外の不出来であった。

「新国劇」の精神とか長谷川伸の持つ情感などはさておいても、あっさりしすぎた「ちらし寿し」の感がある。
具は揃っているのだが、味がない。
お酢が効いていない物足りなさを感じた舞台だった。
新国劇を「懐メロ」に終わらせたくない。
それが、私の率直な感想です。



亀治郎(←画像/上)のお蔦は2度目。
2年前の浅草歌舞伎(←詳しくはコチラとはガラリと変わった演技。
前回はあばずれであることを見せようとして、芸が荒っぽくなったが、今回は「しっとり型」の役作りである。

濁った口跡、序幕のすさんだ感じはよかったが、あえて細かい芝居をしない、おっとり型。
それだけに大詰とあまり変わりばえがしなくなる。
そうなると「十年後の人生」が感じられないという問題が残る。

序幕「安孫子屋」で、茂兵衛との二人芝居にもしっとりした情感に欠ける。

歌舞伎役者と新国劇との初めてのドッキング!!

いかに公演の宣伝文句とはいえ、二人のイキが合っていない。
これがあるがゆえに、大詰で「十年後の芝居」があるのだから。

さらにいえば、お蔦の「おはら節」がまずい。
こうだと生活感も情も出ない。
序幕の幕切れは、取手宿の夕暮れの景で、木の葉が散ってゆくのが定式だが、これを夕立に変えている。
これも新国劇流か。

     
           


笠原 章(←画像/右)の駒形茂兵衛は、衣装から鬘(かつら)にいたるまで島田の茂兵衛を踏襲している。
例えば、後半では島田と同じく”むしり”でやる。
取的のときの衣装は、相撲の幟(のぼり)を縫い合わせるという凝りよう。

島田正吾は駒形茂兵衛で、島田ならではの独特のせりふ回し、トーンをかもし出していた。
序幕の取手の宿は、破門された取的茂兵衛が江戸に帰るところだが、従来の多くの茂兵衛役者は、ただ空腹の足どりだけに熱中していた。
島田には、これに道を急ぐ旅人の心を盛り込んだ写実美があった。

笠原の茂兵衛は、序幕の取的では若さがなく、暗い感じだけが残る。
後半もイマイチ。
十年後は三度笠に長脇差、合羽の旅ごしらえ。
花道(←サンケイホールでは客席通路)をサッサツと歩いて出のイキも冴えない。

新国劇には、リアルな中に”型”があり、せりふにも新国劇調がある。
「島田!!芸が細かい!!」の大向うがあったように、独特のリアルな場面が随所にある。

笠原は島田先生の『一本刀』を教科書に使ったというくらい、すべての演技を継承しょうとしていることは見ていてわかる。
しかしだ。
そのすべてが、見ているものに迎合しないのが今回の舞台であった。

最後にひとこと。
大詰のせりふ「十年前に、櫛、簪、意見を貰った姐(あね)はんに・・・・・・」といったのは大阪公演だからであろうか。
「十年前に、櫛、簪、意見を貰った姐(あね)さんに・・・・・」が本当だろう。


ほかに酌婦の南条瑞江がうまい。人間国宝級である。
昭和59年の浅草も同じ役だった。
桂 広行、細川 智の元新国劇座員も付き合ってはいるが、両人とも生彩に欠く。

亀治郎の清元『保名』、澤田正二郎 立案の殺陣『田村』が他の出し物。


                                    (2011年4月24日 千穐楽 サンケイホールブリーゼで所見)

 

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和歌山・有田から『甘夏(あまなつ)』が届きました!!

2011-04-25 | 本日の○○



程よい酸味、さわやかな味わい

和歌山県有田の「ことぶき農園」さんから産地直送で、『甘夏(あまなつ)』が届きました。

もともと寿農園は「有田みかん」の産地。

『甘夏』は収穫量が少ないのですが、お得意様限定で送ってくれます。

初夏にむけての甘酸っぱさと、あっさりしたサクサク感がたまりません。

東日本の被災地に米国から”ともだち隊”が大勢駆けつけてくれました。

『甘夏』はみかんの”ともだち”のようなものです。


あまなつの樹は、普通のみかんより大きめで、葉はやや厚め。色も薄めのオレンジ色です。

果実は(←画像/上)でもお分かりのように、とってもジューシー。



ならば夏みかんと甘夏とは、どこが違うの?

甘夏は夏みかんの枝変わりなんです。

つまり夏みかんよりも酸が早く抜けて、その分甘味がつよくなります。

おわかりでしょうか。

          
 


昭和40年ごろが甘夏の最盛期だったようです。

ところが昭和46年のグレープフルーツの輸入自由化以降は、甘夏はさっぱり。

”グレープフルーツ”がデジタルなら、さしずめ”甘夏”はアナログでしょう。

日本では、熊本、愛媛、和歌山の3県の果樹園でしか育成されておりません。


このところ乾燥した日が続きます。毎日1個たべるのがたのしみなんです。

甘夏の厚い皮は保存しておいて、手作りの「マーマーレード」にトライしてみようと思ってます。

上手く出来たら送りますね!!(←いつのことやら{笑})。

 

 

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しなやかに うな丼    =明石 『のじ菊』=

2011-04-23 | 本日の○○

 

一体どうした訳でしょうか。
このところ「食べログ」の更新が続いている有様。
本来は「お芝居日記」が{Dream Gate}の”ウリ”なのに、最近は芝居の 『 し』 の字も登場しない。

申し訳ありません。
「芝居漬け」にならない程度に観劇はしております。
ところが演劇界でも、 東京電力圏内では、公演中止や公演日や開演時間の変更がやたら多いことも事実なんです。
できるだけ月一回は『芝居ブログ』を更新しますので、よろしかったら読んでやってください。

そこで今回も、また『食べログ』です(笑)。
今回のうな丼は 『のじ菊』 という明石ステーションビルにあるお店です。
むかしは明石駅高架下の”一膳めし屋”だった。
それが、駅ビルに数年前移転してから、とんかつとうなぎだけのメニューになりました。

ですから、もともとうなぎ専門店ではありません。
タレは関西風で甘いです。
鰻はどちらかというと、東京・浅草の『前川』と同じく、”うなぎ”と言うより”はも”を食べている感じ。
これは仕入れている養殖業者にもよるのでしょうが、サクサク感があって、しなやかですが、うなぎの味がしないのです。
でも神戸・元町の「うな重」のようにコゲ焦げの鰻よりましかもしれません。

お値段は階級なく¥1900の均一料金(←安けりゃ良いというものではありませんが)。
これに、肝吸い、香の物がつきます(←画像/上)。

 

 

 

話は変わりますが、うなぎの好きな著名人も多い。
ローアングルで名高い小津安二郎の映画には、よ く 「う」 と書かれた看板のうなぎ屋が登場します。
小津さんご本人は『野田岩』のうなぎしか食べなかったそうです。
いかにも生粋の深川っ子らしいですね。

女優の田中絹代(←60代以降のひとしかご存知ないかも)は、鎌倉の小町通りにあるうなぎの『浅羽屋が御贔屓だったようです。
それも「上うな重」ではなく、いつも”並”でした。
晩年、某放送局のドラマのナレーション役で、「NG」の連読を出したことがある。
彼女の頭は真っ白。現場のスタツフもイライラ。「やってられねいよな」そんな声もとんだ。
そのとき彼女は付人をよんで、鎌倉の『浅羽屋』のうな重の”並”を出前させたというエピソードがある。
天下の大女優でも”上”でなく”並”のうな重を好んだのである。それも『浅羽屋』のうな重でなければいけない。
ちなみに食通で知られた北大路魯山人『浅羽屋』に足を運んだという。

私がいちばんおススメの”うなぎ屋”は、NHK朝ドラ『こころ』のモデルになった、日本橋・小網町にある『喜代川です。
いかにも老舗の「うなぎ屋」らしい店構えで、『喜代川』には、今も「江戸の味」が息づいています。 

   

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花見御膳です!!  -ホテルニューオータニ大阪『城見』-

2011-04-19 | グルメ

 


「お花見は行かれましたか。
ぜひ『城見』で、たけのこ、ほたる烏賊,針魚など、春の大地と海の食材が奏でる味のハーモニーをお楽しみください。
ホテルニューオータニ大阪も今年9月で25周年を迎えます。
是非お越しくださいませ。お会いできますのを楽しみにしております 」

ある日、ホテルニューオータニ・大阪『城見』由貴ちゃんからメールをもらった。
あらかじめ由貴ちゃんのシフトを確認してから、ニューオータニ・大阪3階にある和食レストラン『城見』に行ってきました。
昨年10月以来、半年ぶり。前回はこちら

今月のコースは「桜花見会席」。
オータニクラブ会員はサービス料免除。その上ポイントが稼げます。
では当日のお料理を公開しましょう♪


まずヱビスビールでグイ~と。

 

 

                       ● 先 附

菜の花見立て豆腐
くこの実 山葵 美味だし

                                         椀物

蛤新丈潮仕立て

若布 花びら独活 木の芽



           ● 造 り

鯛 鰹 針魚


           ● 八 寸

鰆味噌漬け焼き 蝶々長芋
竹の子と烏賊木の芽和え

海老雲丹焼き  湯葉豆腐田楽
長わらびとろろ掛け

百合根茶巾  白魚美人粉揚げ


           ● 蓋 物

ほたる烏賊玉〆

竹の子 白葱 桜麩
うすい豆 銀餡



           ● 揚げ物

           
太刀魚難波揚げ

桜えびかき揚げ こごみ


           ● 食 事

花見ちらし寿司


           ● デザート

桜餅と抹茶アイスとわらびもちと!!

 

 ごちそうさまでした

 

 

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さくら散歩   -大阪城公園ー

2011-04-15 | おでかけ

 

 


4月14日、最高気温23℃、さくら日和です。

日刊紙のだよりによれば、大阪城公園の桜は満開だという。

東北や北関東から離れた関西でも”お花見自粛ムード”がいっぱい。

東日本大震災を受け、今年は夜間のライトアップが中止された。

だけど『関西から元気を!!』(←意味不明)、勝手にそう思って、開き直って、いざ大阪城公園に花見へ!!

 


城壁が桜で包まれて・・・・・。

でもMaxをすぎたのでしょうか。  葉桜さえも・・・・。

 


腕を大きく伸ばして、トルコブルーの空を仰ぐ・・・・。



大阪城二の丸庭園。

本丸の西部にあたる部分を「二の丸」とよんでいます。

秀吉の正室「北の政所」がここに住んでいたといわれてる。



二の丸の西南部に重要文化財の千貫櫓があります。

その石段の桜がいにしえを偲んで、ひそと咲いてました。



10.000坪あるという西の丸庭園。

なかでも唯一の枝垂れ桜の大木です。




見てください!!    この麗らかな紅しだれを!!



西の丸にある桜のトンネルを歩きました!!  真夏日



城下の豊国神社の門前に咲いていた八重桜



奥に見えているのが天守閣への道。

花見シーズン真最中の大阪城天守閣は、外国人客の姿がまばら。

震災以降、前年に比べて3割~4割減とか。

 

 


大阪城の外堀。

水が恋しい季節になって来ました!!



桜の回廊と申しましょうか。

春いっぱいに包まれて・・・・・。



城見通りから見た桜並木です。



花見シーズンらしく、遊覧船が5分ごとに・・・。

客はす~べて日本人。

 



大阪は水の都。

桜から桜へへ   桜とんびじゃあるまいし・・・(笑)
でも大阪城へ来るたびに思います。
もし、あの時に秀吉さんが戦に勝っていたならば・・・・・
大阪は日本の都。
東京なんて言わせない。上京なんてとんでもない

東京に下る、つまり下京です(←文句あっか!!)
歌舞伎の義太夫のすべては、その恨み節なんです。

ラストは大阪らしい風景で締め く くりました。

 

  お疲れ様でした 

 

 

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