Dream Gate ( 中野 浚次のブログ )   

本日はようこそ開いてくださいました!お芝居のことグルメを語ります!


          

浅草・吾妻橋周辺

2013-01-31 | おでかけ

     


いちど吾妻橋をわたって、本所吾妻に行ってみたかった。

大川(隅田川
にに架かる吾妻橋は、浅草と本所を結ぶ江戸期以来の橋である。

山本一力の時代小説『大川わたり』でもおわかりかと思うが、江戸時代は隅田川のことを”大川”とよんだ。

「吾妻橋」
は、その大川に架けられた5番目の橋である。

かの江戸名所図会で広重は、左に吾妻橋と富士、右に浅草寺を描いた(←画像下/右)。

いまも昔も浅草と本所をつなぐ大動脈になっている。 

 


吾妻橋をわたると、一丁目一番地ともいうべきところに、なぜか「23番BANNCHI」というカフェがある。

下町からぬカフェである。

 


この日はサイクリングクラブの連中がゾッと押し寄せた。

全員がお目当てのビールで乾杯している。

なんでもこの店にしかない隅田川ポーターだとか。

付きだしはコロッケサンド。註文してから揚げてくれるからだそうだ。

 

   


店内には、ぎっしりとメニューが貼られている。

ワイン、リキュウール、焼酎。ハンバーグあり、パスタあり。50種類を優に超える品数だった。

 


本所は東京スカイツリーのお膝もと。

こうして下町から、蜘蛛の巣のようにはりめぐった電線の中でみる東京スカイツリーも,また一興とパチリ

 

   


本所吾妻橋には老舗の佃屋さんがやたら目につく。

いまも吾妻橋のたもとに「あみ清」という古い船宿がある。

昔はこの店の舟に乗って品川沖へと鯊釣りに繰り出した。

はぜといえば江戸つくだにの定番である。

BS朝日のテレビ番組「ちい散歩」で見かけた『鮒五』という佃煮やさんに入る。

『鮒五』は明治27年創業のつくだに一筋の老舗中のしにせ。

この店の”細切昆布”は浅草寺ご用達の絶品だとか。

かなりの種類の中から、私は”ハゼ”と”あさり”を土産に買って帰ったのである。

吾妻橋はまた池波正太郎の『剣客商売』にも登場した。

秋山小兵衛、大治郎親子が大活躍した場所でもあった

 

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ー幸福の一皿―   レストラン「吾妻」の牡蠣フライ

2013-01-30 | グルメ

 

 

「牡蠣」は海のミルクとも云われています。

いにしえの時代から「牡蠣」は、栄養食として、また冬の味覚として、焼き牡蠣から酢牡蠣と幅広い料理で人気を博しています。

その中でも、今回は「牡蠣フライ」のとっても美味しいお店を紹介しましょう。

浅草・吾妻橋を渡って、東京スカイツリーが真上に見える本所吾妻橋駅(都営地下鉄浅草線)だと徒歩1分。

下町の洋食屋さん「吾妻」に行ってきました。


いまのご主人は三代目

三重県的矢産のカキにこだわり抜いた初代。

その初代からの熱い思いと、それに応えたカキ生産者の生み出した絶品の「牡蠣フライ」(←画像)なのです。


普通「和食」の職人は「的矢カキ」を嫌う。

なぜなら「小ぶり」だから見栄えがよくないからだ。

しかし、この「小ぶり」こそが、本来のカキの味が凝縮しているのです。

「吾妻」では、志摩半島的矢湾から毎朝生カキがクール便で直送されて来ます。


カキを揚げるパン粉も、タルタルソースも自家製だ。

最上の材料、ピカピカのキッチン、心を込めたおもてなし。

「60歳以上のお客には60秒早く揚げろ!!」

これが先代からの口伝だという。

牡蠣のいちばん柔らかく揚げるプロのタイミングである。


画像の「牡蠣フライ」は3個しか盛り付けてありませんが、あとは、順次揚げたてのを追加してくれます。

フライの信条は揚げ方

まず140°くらい設定の油で揚げて、順次180°まで上げてゆく。

こうすれば中身はフワフワ、表面はカラッ!と歯応えがよい。

 

 
まず自家製の生ハムの一皿が出る。

初めてのお客へのサービスだそうだ。

それに53種のワインが揃っており、食事をより豊かにしてくれる。

 


私はスープにうるさい。

でも鶏ガラのお出汁がよく効いていて、体も温まり美味だった。

 

  


店内は8人ほどが座れるカウンター席と、28席のテーブル席がある。

こじんまりした下町の洋食屋さんだ。

「お客さんの座られてる席は、勘三郎さんの指定席でした」とマスター。

「えィ   シャー・・・・もうひとつおまけに…シャー 」

昨年の暮れに亡くなった十八代中村勘三郎もこの店が大のご贔屓だったそうだ。

ちなみに勘三郎の好物は、特製のオムライスだとか。


「吾妻」は、当たりまえのメニューを

当たりまえでないレベルで食べさせてくれる「洋食屋」さんだ!!

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美味しい「赤トンボ」のサンドイッチ!!

2013-01-29 | グルメ

 気軽に楽しめる洋食がサンドイッチです。

その種類が豊富で、家庭でもよく作られますが、コンビニ、ドトール、サンマルク、パン屋さんでも手軽に買えます。


私にはサンドイッチにまつわる思い出があります。

何年前になるでしょうか?

日本橋の三越劇場で有吉佐和子の『華岡青洲の妻』の舞台を見たときでした。

たまたまその芝居に母親役で出演していた女優さんの楽屋をたずねたことがあります。

幕間の休憩がお昼どき。その女優さんが「ご一緒に食べましょうよ!」と出されたのがサンドイッチ。

どなたかの差し入れにもらったサンドイッチらしかった。

ローストビーフや色鮮やかな野菜とフルーツのミックスサンドでした。

それらは小粋な箱に行儀よく並んでいました。

そのサンドイッチの美味しかったこと


「どこのお店のサンドイッチだろう?」

その後、何度も探しましたが一向に見つかりません。

それがつい最近になって、ひょんなことからそのサンドイッチが「赤トンボ」というお店のものだと突きとめたのです。

「赤トンボは日本橋に専用キッチンがあり、同じ日本橋の『高島屋』地下1Fにしか販売しておりません。

いちばんよく売れるのがミックスサンドイッチ(1パック 473円)で、それも予約販売だとか。


「赤トンボ」のサンドイッチは美味しさだけでなく、サンドイッチに込められた独自の工夫やこだわりがあるわけです。 

 

   ところで最近、サンドイッチがイギリス生まれであることも知りました。

   道理で紅茶との相性が抜群で、左のサンドイッチ專用の小皿もお似合いです。

   日本に伝わったのは、明治11年創業の箱根の宮ノ下の老舗ホテルだとか。

   当時から、挟む素材はもちろん、パンの生地からこだわったそうです。

   ちなみにカツサンドイッチでは、表参道の「まい泉」、大阪なら松竹座隣の「はり重」がお奨め。

 

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 ―お気に入りの一品―     アンチィーク ・一輪 挿 し

2013-01-13 | お買い物

 

                                     

   この何ともいえない色あい、ミラノチックな古風なかたち、そこには温か味があった。

   一輪挿しであって、一輪挿しでない。

   イタリア・アンチークの瓶のようでもあった。

   松の内の某日、デパートの食器売り場の一隅で数点の陶器展示品のなかに、これが目に入る。

   小さな立札に―陶 処― 風と書かれていた。「その日その時の思いを込めて作ります」とも付

   記されている。

   過去に衝動買いで失敗したことがあるので、その日は鑑賞するだけにした。

   三日後にまた食器売り場に出かけた。その陶器は売れていなかった。

   「人が何と言おうと自分が好きなら私はいいんです。ただ見るだけじゃ駄目なの。自分のお金を

   出して買って、手元に置いてみないとほんとうのよさが分かんないわよ」

   わたしは、かの白洲正子女史の言葉を思い出し、財布のひもをゆるめたのである。

   早速、台所の食卓に飾って毎日愉しんでいる。 

 

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新年のごあいさつ

2013-01-05 | ごあいさつ


干支は木工作家 荘所 仁さんの作品

                                   

新年あけましておめでとうございます

本年も御親戚、ご友人、友人のまたご友人、宜しくご笑読、ご鞭撻のほど、宜しくお願い申し上げます

併せて皆々様の御多幸をお祈り申し上げます


さて今年の正月は、息子夫婦は旅行に出かけ、私ひとりだけのお正月。

年末に買い込んだ本、CD,DVDを見たり、読んだりのあっという間の三が日でありました。

 

なかでも感動したのは、菅野よう子さん作曲、辻井伸行さんのピアノの『花は咲く』のCDでした。

東北大震災のテーマソングで有名になった「フクシマ フクシマ」より格段にすばらしい曲です。

今年のセンバツ高校野球に是非使ってほしいですね。  急告 4月22日からはじまるセンバツの開会式に「花が咲く」が決定しました!!

正月に楽しんだDVD,本を紹介します。みなさまに何らかのご参考になれば幸いです。

 

   イラン映画 『別 離』

   84回アカデミー賞(外国映画賞)受賞に輝いた作品です。

   1年余り経ってやっとゲットしました。タイトルは甘くロマンチックですが、「現在」を描いた衝撃の話題作です。

   離婚の危機を迎える夫婦、つなぎとめようとする娘。すべては愛する人のために・・・・・。それぞれが抱える「秘密」や「嘘」

   胸の奥にしまわれた”真実”が複雑に絡み合い、人生を翻弄していく過程をシリアスに描いた社会劇なんです。

 

   邦画 『も ず』

   『浮雲』、『流れる』 『め し』は、よく知られているが、本作品はあまり知られていない。DVDも廃盤の現況。

   淡島千景、乙羽信子、山田五十鈴らの今は亡き豪華女優陣の乗りに乗った演技を見せる人間ドラマの佳作です。

   20年ぶりに再会した母娘が繰り広げる愛憎模様・・・・。

   娘役で有馬稲子が好演。懐かしの”にんじんくらぶ”の作品。水木洋子の脚本はデリケートな感性と知性をうかがわせる。

 

   渡辺保 高泉淳子 『昭和演劇大全集』

   『瞼の母』から『熱海殺人事件』まで・・・・新劇、アングラ劇、歌舞伎、はては『ベルばら』の宝塚歌劇までを・・・。

   ナマで見た舞台、俳優を語りつくす。じつはNHKの深夜放送の対談をまとめたものなんです。

   あらためて読んでみると、『昭和』ってすごいなあ!!リアリズムの新劇から、その解体を目指すアングラ、そして軽やか

   な感性の演劇へ。激しく変貌した昭和演劇だが、ひとつの昭和史としてとらえても面白い本だと思う。

 

   水村 美苗 『 母の遺産 新聞小説』

   「ママ いったいいつになったら死んでくれるの?」

   なんだか身につまされる小説である。後期高齢者になった私。我が息子もきっとそう思っているのではないかと!!

   親の介護、忍び寄る更年期、老後資金の計算・・・・・。

   実体験を交えて描かれた赤裸な内容に共感と愕きの連読でした。この作品で大仏次郎賞をうけている。

 

   三浦 しをん 『舟を編む』

   どこかの検定に出題されていましたが、『舟』とは何を指すか?『舟』とはこの小説では”辞書”のことです。

   それにしても三浦しをんというおばちゃん作家。その多彩な活動に脱帽しますよね。

   『風が強く吹いている』で箱根駅伝を書き、文楽の世界を描き、今度は”辞書を作るお話”。

   世代を重ねて辞書作りに情熱をかける主人公たち。すごくカッコよくて、熱くて、読んでいる私の魂までも熱くなりました。

  

    小沢 昭一 『変哲半生紀』

   『変哲』とは、昨年亡くなった小沢昭一の俳名である。

   抱腹絶倒の全句集である。俳句と出会って、40余年。こころを詠んで、4千句だという。

   寒月やさて行く末の丁と半

   ある句会で金賞を授かったそうだ。

                                    オイみんな昼寝した婆死んでるぜ

                     もう何もどうでもいいぜ去年今年

                     余談だが、人間国宝の桂米朝にこんな句がある。

                     パンチィはふとんの外に朝寝かな

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