「上方・下方抜状早遅調」という書類がある。
早飛脚の時刻表ともいうべきものである。
下記の早遅調は、江戸~京を三日で行くという、超特急便の写真だ。
この書類により、江戸の飛脚がどれくらいの速さで走っていたかが分かる。
結論から言うと、驚くほど遅い。
表の見方を下記に記す。
①起点 ②現在の地名 ③距離(km) ④所要時間 ⑤ 平均速度(km/H) ⑥江戸からの累計距離(km) ⑦三日のうちの何日目か ⑧江戸を0時:00分に出発した場合の各起点の通過時刻 ⑨⑧から計算した所要時間 ⑩⑧⑨から割り出した平均速度 ⑪④と⑩との差
以上である。
⑤と⑩を見ると、飛脚のスピードが分かる。
ただ、釈然としない点も残る。
たとえば、大井川に3:36に着くとあるが、こんな時間では川を渡してもらえはしない。渡しは明け六つからと決まっているわけだから、六時に渡ったとすれば、九時までは三時間。金谷~天竜川は約30kmといったところだから、時速にすると10km。この辺りのロスタイムをどう計算するかがいまひとつ分からない。
富士川には18:48となっているが、これは実物では酉の刻、つまり暮れ六つだから、渡船の最終便の時間なのであろう。この時間に間に合わないと次の行程に支障をきたすため、プレッシャーのある区間だったに違いない。
宮~桑名は七里の渡しに乗るはずだが、宮の出発が22:36であるから、今でいえば夜行バスのようなものだ。宮~桑名の平均速度が上がっているのは、舟航のためだろう。
いずれにせよ、飛ぶように走るという姿からはほど遠い。
それには、速さよりも安全が求められた点や、一分一秒を争うといった内容が少なかった点などがあるのではないかと思う。
早飛脚の時刻表ともいうべきものである。
下記の早遅調は、江戸~京を三日で行くという、超特急便の写真だ。
この書類により、江戸の飛脚がどれくらいの速さで走っていたかが分かる。
結論から言うと、驚くほど遅い。
表の見方を下記に記す。
①起点 ②現在の地名 ③距離(km) ④所要時間 ⑤ 平均速度(km/H) ⑥江戸からの累計距離(km) ⑦三日のうちの何日目か ⑧江戸を0時:00分に出発した場合の各起点の通過時刻 ⑨⑧から計算した所要時間 ⑩⑧⑨から割り出した平均速度 ⑪④と⑩との差
以上である。
⑤と⑩を見ると、飛脚のスピードが分かる。
ただ、釈然としない点も残る。
たとえば、大井川に3:36に着くとあるが、こんな時間では川を渡してもらえはしない。渡しは明け六つからと決まっているわけだから、六時に渡ったとすれば、九時までは三時間。金谷~天竜川は約30kmといったところだから、時速にすると10km。この辺りのロスタイムをどう計算するかがいまひとつ分からない。
富士川には18:48となっているが、これは実物では酉の刻、つまり暮れ六つだから、渡船の最終便の時間なのであろう。この時間に間に合わないと次の行程に支障をきたすため、プレッシャーのある区間だったに違いない。
宮~桑名は七里の渡しに乗るはずだが、宮の出発が22:36であるから、今でいえば夜行バスのようなものだ。宮~桑名の平均速度が上がっているのは、舟航のためだろう。
いずれにせよ、飛ぶように走るという姿からはほど遠い。
それには、速さよりも安全が求められた点や、一分一秒を争うといった内容が少なかった点などがあるのではないかと思う。
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