木村忠啓の大江戸百花繚乱

スポーツ時代小説を中心に書いている木村忠啓のブログです。

マジックバー・サプライズ

2009年12月12日 | 日常雑感
先日、10月にオープンしたてのマジックバー・サプライズにやっとお邪魔することができた。
このお店は若手の実力派マジシャン上口龍生さんが開いたお店である。
場所は、地下鉄赤坂見附の階段を上がった目の前である。
こんな一等地では、さぞかしお値段も・・・と知らない人は思うだろうが、明朗会計で心配はない。

僕はマジックバーというのは大阪の何軒だけしか行ったことがないので、詳しくないのだが、サプライズは今まで行ったことのあるお店とは違っていた。
雰囲気を大事にするということで、こちらからお願いしないと手品が始まらない。
始まった手品も会話中心に進められていく。ショー的な演出の大阪のマジックバーとは違う。
この辺りは、龍生さんの手品に対する思いが込められているのかも知れない。

手品は、今でこそエンターテイメントとしての座を得ているが、出自は怪しい技術であった。
薬の語源も「奇し(くし)」であり、奇術と呪術は密接に結びついていた。
卑弥呼や陰陽道の安倍清明もマジシャン的演出により、要職に就いた。
カードマジックはイカサマ賭博の中から生まれたものが多い。
今も、マジシャンは演出からか、一種独特の雰囲気を漂わせている人が多いような気がする。
龍生さん自身は、HPの中で以下のように書いている。

偏見と言うのは、手品って人を騙すものなんでしょ、インチキなんでしょといったものです。ひどい人になると、詐欺師、いかさま師、平気でそんなことを言う人もいます。

日本人の性格によるのかも知れないが、確かに一部の人においては、手品の種がわからないと怒り出す人もいる。
そういう人に限って、インチキだなんだと難癖をつけるのだろう。
ショー的なマジックバーも楽しいのだけど、「わたし演じる人、あなた観る人」という垣根ができる。
サプライズでは、マジックグッズの販売も行っている。また、解説のDVDも販売している。
店では今買ったマジックグッズを客が練習し、龍生さんが指導している場面も見受ける。
そこには演者、観客という垣根は、もうない。
この辺りに、龍生さんの思いがあるのだろう。

龍生さんのマジックは、「これでもか」という高圧的なものではなく、観た人が手品自体が好きになるような優しい演技である。
種を知りながら、観る手品というのは、種がわかっているからこそ、腕の確かさに舌を巻く。
手品というのは、組み合わせと演出力による部分が多いのだろうが、カード当てにしろ、奇をてらったものは、その場はすごいと思うのだが、忘れてしまうのも早い。
同じ筋を何度聴いても、上手い噺家の落語には笑わされるように、龍生さんはむしろスタンダードな手品の中に非凡な輝きを見せてくれるように思う。そこには、龍生さんの手品に対する誇り、愛情といったものが秘められているからなのだろう。

こう書いてくると、龍生さんが頑固な人のような人のように勘違いする人も出てくるといけないが、実際はスマートで物腰の柔らかい人です。
まだ、お店に行ったことのない人は、ぜひ行ってみてください。

サプライズHP
 
龍生さんHP

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (RYUSEI)
2009-12-14 07:42:19
ありがとうございました。
またのご来店を心よりお待ち申し上げます。
素敵な日記も嬉しいです。
褒められると照れてしまいます…。
ではまた。
返信する
Unknown (木村謙之介)
2009-12-26 01:28:33
また、お伺いします。
龍生さんのブログにメールをしておきました。
返信する

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