生物の形-ポリ亭のマクロ・顕微鏡写真-

 身近な動植物のマクロ写真や顕微鏡を用いて撮るミクロ写真を載せていきます。「生物の形」を気楽に楽しんでいきたいものです。

アジのうろこ(4)C領域

2007-04-13 21:26:00 | Weblog
 アジのうろこのC領域の顕微鏡写真です。翼のように左右に広がったうろこの内側で,針のような突起が突き出しています。「アジのうろこ(1)」の写真をもう一度見てください。C領域の尖った部分の裏側には孔があいており,B領域の表側に貫通しています。この孔の部分にタンパク質の組織が通っているのでしょう。アジのうろこは,包丁の刃で擦ったくらいでは,なかなか取れないのはそのためです。
 カレイのうろこは包丁の刃でこすると,ばりばり音がしながらうろこが剥がれ落ちました。イワシはもっと弱い力を加えただけでうろこが剥がれ落ちました。アジのうろこは皮ごと削りとるようにする必要がありました。このような差は,うろこの皮へのくっつき方の差に基づいて説明できるようです。
ミクロラボ Π(パイ) ポリ亭 参照:”高分子-ミクロの世界-”(Yahoo!ブログ)

アジのうろこ(3)B領域

2007-04-13 20:41:38 | Weblog
 アジのうろこのB領域の顕微鏡写真を示します。弓なりに反っている翼の中央の外側の領域です。孔があいていますが,その円周方向に構成成分であるタンパク質分子鎖が配向していることが下の写真から分かります。両側の翼に力がかかっても壊れないよう,しっかりと両翼を繋いでいます
 面白いことにこの孔はBの手前側からCの向こう側に抜けています。
ミクロラボ Π(パイ) ポリ亭 参照:”高分子-ミクロの世界-”(Yahoo!ブログ)

アジのうろこ(2)A領域

2007-04-13 20:15:36 | Weblog
 アジのうろこは翼のように広がったいますが,その先端付近の顕微鏡写真を示しましょう。上は通常光,下は偏光顕微鏡写真です。中央より少し下方に太い筋が入っています。赤色石膏版を挿入して撮影した偏光顕微鏡写真(下)では,この右斜め上に向いた筋は青色ですから,この方向にうろこを構成するタンパク質,おそらくコラーゲンが配向していることは明らかです。この筋より下の部分はうすい青色ですから翼の長さ方向にも配向しています。長さ方向で太くて強い筋が入ることにより,うろこ全体の剛性が高められているはずです。凧の竹骨のようなものと考えればよいでしょう。
ミクロラボ Π(パイ) ポリ亭 参照:”高分子-ミクロの世界-”(Yahoo!ブログ)

アジのうろこ(1)全体像

2007-04-13 19:40:27 | Weblog
 アジの体をつくづく眺めてみますと,うろこは胴全体を覆っているのではなく,胴体の中央部で胴の長さ方向に配列しています。写真は取り出したうろこの全体像です。中央から左右に翼のような構造が伸びていて,最新式の飛行機のようです。尾から頭の方に向かって包丁の刃で擦ると,うろこはしっかり皮にくっついているうえ,うろこの尖った先端が立ち上がってきて引っかかり,なかなか取りきれません。手でこすると怪我するかもしれません。アジのうろこの形や生え方は,いままで見てきたカレイのうろことは全く異なっています。A,B,C,Dは顕微鏡写真を撮影した場所です。
ミクロラボ Π(パイ) 参照:”高分子-ミクロの世界-”(Yahoo!ブログ)