正ちゃんの時計修理ブログ たからや時計店

お客様からお預かりした時計の修理を記録として日記に残こそうと思います。

バンドの修理と竜頭修理を3点

2013年09月13日 | 時計修理
 昨日はリューターと鑢の修理で一日が終わりました。

はじめはカルティエ パシャの中留めです。
ピンが中留めに残ったままピンが折れてしまった時計の修理です。
錆びてピンが取れず、熱を加えて抜きやすくしてから取り出し新しいピンを入れました。
胴体部分に残っているピンが長かったので少し削って負担を少なくしてから取り出しました。
直径1.1ミリくらいの穴で1.2ミリのステンレスの棒を削って合わせました。

次はオメガのスピードマスターのバンドの修理です。
駒が完全に外れてしまっていてこちらも残っているピンを削りだし、新しいピンを入れました。

次はセイコーのダイバーの竜頭の修理です。
竜頭に巻き芯が折れ込んで竜頭あわせでお預かりしたのですが、新しい竜頭に新しい巻き真の長さが合わず、
巻き芯が残っている竜頭から巻き芯を削りだして使うようにしました。
直径1.0ミリの巻き芯だったので0.7ミリのドリルで中心を注意して削っていき奥まで抜けた状態で次は0.8ミリのドリルで穴を少しずつ大きくしていき最後はネジの溝に残っている金属片を取り除く作業をして合わせました。

   

最後はBALLYのクオーツ時計です。
電池交換でお預かりしたのですが4箇所のネジのうち2箇所が錆びて駄目でした。
少しずつネジを回して1箇所は外れたのですが最後の1箇所はネジの頭が飛んでしまいました。
裏ブタは外れたので電池交換後機械を取り出しケースに残っているネジの削り出しです。
ネジの直径が0.9ミリ。
少し錆がひどかったので0.5ミリのドリルから慎重にスタートしました。
0.6ミリ、0.7ミリまで大きくしてからねじ山を削らないように進めて新しいネジをあわせて出来上がりです。

 

分解掃除も時間がかかって難しい修理ですが、この作業もっと地味な作業で疲れます。
今日はカルティエの時計とセイコークオーツの部品が入ってきたのでもう一度分解し部品交換をして組み上げる予定です。