本日の高住神社の状況です。
◆曇り
◆14℃
曇りがちな天気もあり、いつもより肌寒く感じる日です。
山の北側に位置する高住神社は、普段からあまり日が照る時間が少ないですから、
平地の暖かさがうらやましく思えるときもあります。
今年も境内のケヤキの木にコブができていました。
ケヤキヒトスジワタムシによるケヤキハフクロフシです。
早口言葉みたいになってしまいましたが、今年は緑色のままのを観察することができました。
アブラムシの一種による虫こぶなのですが、試しに一粒割ってみることにしました。
中には小さな綿に包まれたようなアブラムシが数匹。
このアブラムシは6月になると虫こぶから孵り、翅をそなえ飛び立ちます。
そして二次宿主であるタケ・ササの根で繁殖したのち、秋にまたケヤキに戻り樹皮の裏で越冬するそうです。
すぐそばにササやぶがあるので、そこで繁殖するのでしょう。
幸いにも、ケヤキが枯れるなどの被害がないので放っています。
もしかしたら、この虫が鳥や他の昆虫の餌になるかも知れませんし、むやみに駆除するのも考えものです。
冬が近づいた頃、雪虫がちらほら飛び交います。
綿雪のような姿と雪の降り始める時期に現れることから、このような名がついたと言われています。
またの名を“しろばんば”といい、井上靖氏の書名にもなっていますが、主に北国での呼称だそうです。
ここ英彦山も、北国に負けないくらい冬の冷え込みは厳しいです。
あと半年すれば雪虫が飛ぶ季節。
こんな小さな虫たちも、生命の循環を経て一年過ごしてゆきます。
今の時期だけ南から繁殖のために渡ってくる渡り鳥たちや、
初夏のわずかな木漏れ日を頼りに花を咲かせ実を結ぼうとする草花たち。
私たちの知らないところで自然のサイクルが行われています。
小さな生命たちにも目を向けて耳を傾かせてみたら、きっと英彦山の良さが違う面から気づけるかと思います。