本日の高住神社の状況です。
◆曇りときどき雪
◆-5℃
◆積雪量…30cm~
また冷え込みが厳しくなりました。
昨日は麓でも雪がちらつき、英彦山がどうなったか心配でしたが、うっすら降った程度で済んだようです。
暦の上では大寒を過ぎ、寒さがぶり返してきたのでしょうか。
もっとも今年は特に冷えが厳しく、2,3日前に今年初めての氷点下を上回る気温になったときは、
小躍りしたくなるぐらい嬉しい気持ちになりました。
ここにいるとまともに太陽を拝む日が少なく、青空が見えると日が照るありがたさを痛感します。
冬は寒くて何かと家に閉じこもりがちですが、植物も動物も冬の間は休眠や冬眠をします。
エネルギーを節約するために、最低限の生命維持活動に専念する生態メカニズム。
この冬という漢字は「食物を紐に結わえ、左右にぶらさげて保存した」形を表しています。
寒さが厳しく、食料に乏しい時期に備えて食料を備蓄したのでしょう。
甲骨文字 金文
冬の語源は各説あり、
① ヒユ(冷ゆ)の転
②フユル(殖)の義
③ミタマノフユ(恩頼)の義
①はそのまま気候の感覚を表したもの、③は聞きなれない言葉ですが、神主が祝詞でよく使う言葉で、
ミタマは御霊、フユは「殖ゆ」「触れる」を意味し、神様の御霊にふれることで加護を頂くという意味です。
ここで取り上げたいのが②の「殖ゆる」説。
冬は生命が停滞し、時には死に絶える厳しい時期と思われがちですが、実はそうではないのです。
暖かくなるまでじっと耐えしのぐ時期であり、植物は種子や休眠芽の状態で気温が上がるのを待ち、
動物もなるべく活動を抑え、冬毛や脂肪を蓄えて厳冬期を乗り越えようとします。
暖かくなる春、つまり活動期、そして来る繁殖期のための準備期間なんですね。
春の語源は、万物が「ハル(発)」、草木の芽が「ハル(張る)」、晴天の多いことから「晴る」からきています。
冬の間は春はまだか…と小さくなって生命の源を溜めこんでおいて、ボンと爆発するように一斉に活動し始める。
張る(春)に殖えるための季節が冬なのです。
その生命の循環は、植物も動物も人も一緒なんでしょうね。
そう思うと、この雪と氷にとざされた世界で春の到来を待つのがとても楽しく思えます。