箱根こす 人もあるらし けさの雪
12月4日、蓬左の門人聴雪の亭に招かれての半歌仙の発句。
ここ名古屋でも雪が降って寒い。
されば雪の箱根を難渋しながら越えている人もいるというのに、わたしは温かいもてなしを受けている。
山口誓子は、この句について書いている。
「今朝の雪」に「箱根越す人もあるらし」と想像したのだ。
この句は、箱根山に近い地点で詠われたと、誰も思うだろう。
「箱根越す人もあるらし」は、箱根山を近くにして、
箱根山に思いをやった趣があるからである。ところがそうではない。
「芳野紀行」に出て来るこの句は、名古屋で作られた。
この句を読む者は誰しも、大磯か小田原の句と思うのに、
名古屋の作と聞けば、唖然たらざるを得ない。
この句碑は安永9年の建立。樹てたひとは大礒にふさわしいと思ったにちがいない。
12月4日、蓬左の門人聴雪の亭に招かれての半歌仙の発句。
ここ名古屋でも雪が降って寒い。
されば雪の箱根を難渋しながら越えている人もいるというのに、わたしは温かいもてなしを受けている。
山口誓子は、この句について書いている。
「今朝の雪」に「箱根越す人もあるらし」と想像したのだ。
この句は、箱根山に近い地点で詠われたと、誰も思うだろう。
「箱根越す人もあるらし」は、箱根山を近くにして、
箱根山に思いをやった趣があるからである。ところがそうではない。
「芳野紀行」に出て来るこの句は、名古屋で作られた。
この句を読む者は誰しも、大磯か小田原の句と思うのに、
名古屋の作と聞けば、唖然たらざるを得ない。
この句碑は安永9年の建立。樹てたひとは大礒にふさわしいと思ったにちがいない。