竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

かいつぶり 浮寐のひまも なかりけり  子規

2016-12-30 | 子規鑑賞
かいつぶり 浮寐のひまも なかりけり





子規は水鳥を詠んだ句が意外に多い
明治34年だけでも掲句をはじめに次の句が残されている

かいつぶり浮寝のひまもなかりけり
浮寝鳥平入道の天下かな
水遠く渚曲りて浮寝鳥
徳川の夢や見るらん浮寝
鴛鴦の二つ並んで浮寝かな
居る程の小鴨動かぬ浮寝かな

いづれの句も水鳥の自由な振る舞いを切り取っている

子規は翌年9月36才で没している

この明治34年には病床で精力的に次の活動が記録されている
墨汁一滴』を「日本」に連載開始
『春夏秋冬』春の部刊
病状悪化。
俳談会を子規庵で開催、出席者20名
『仰臥漫録』を執筆し始める
母と妹の不在中に自殺を思い見る。 時々絶叫号泣する。
11.6漱石宛書簡に「僕ハモーダメニナツテシマツタ」と書く。
子規庵で義太夫会を催す