蘊蓄cafe

-日々発見、身の回りの話題 【うんちくカフェ】-

「三国志」

2007年02月11日 | 書籍レビュー
[感想:★★★★★:何度でも読んでみたい!]
 中国モノをもう一つ紹介したい。吉川英治の小説の「三国志」(講談社:吉川英治文庫)は、大好きで今まで何回か繰り返して読んでいる。これほどスケールが大きく、様々な 人間を描いた小説は他に例を見ない。数え切れない個性的な人物が登場するのである。劉備、関羽、張飛、そして孔明を得たところがハイライトだ。
  しかし天下三分の計といっても、魏との勢力の違いはあまりに大きい。実際は魏が8をとり、後の2を蜀と呉が分け合っていたというのが実情だったという。 魏の勢力拡大が先行していたため、蜀や呉の割り込むすき間は極めて限られており、共に滅ぶ運命にあったのだろう。孔明がなぜ天下三分を目指したのかが今ひ とつ分からない。魏による天下統一を速めることが戦乱をなくす最も速い道であったはずなのだが。

「霊 リョン」

2007年02月11日 | 音楽・映画レビュー
[感想:★★★★-:ぜひ勧めたい!]
 少し前に紹介した「彼女を信じないでください」のキム・ハヌルが主演している韓国のホラー映画である。
  ホラー映画といっても、怖いだけではなくストーリー・構成が見事なのである。主人公ジウォンは記憶を喪失していて、過去を探る度に少しずつ事実が明らかに なっていく。ネタバレになるのでひかえるが、最後のどんでん返しがすばらしい。やたら怖いだけの映画ではないし、とても韓国的な感じがする映画である。

ぽすれん・レビューAmazon・レビュー
監督:宮崎駿
出演者キム・ハヌル、ナム・サンミ、リュ・ジン、チョン・ヘビン
Story:
失われた記憶に秘められた哀しい思い出が引き起こす戦慄と感動の韓流ホラードラマ。女子大生・ジウォンは、高校時代の友人たちが水のない場所で溺死するという怪事件に見舞われていることを知る。主演は『彼女を信じないでください』のキム・ハヌル。(霊 リョン)

「項羽と劉邦」

2007年02月11日 | 書籍レビュー
[感想:★★★★-:ぜひ勧めたい!]
 BS日テレで、毎週日曜の17時から「大漢風~項羽と劉邦~」という番組が放送されている。中国で紀元前210年に始皇帝が死んだ後、大漢帝国が設立されるまでを項羽と劉邦の戦いを中心に描いたドラマだ。司馬遷の「史記」がベースで、日本でも司馬遼太郎が「項羽と劉邦()」(司馬遼太郎、新潮文庫)という小説にしている。中国モノでは、こういった古い時代ノモノが好きである。「国士無双」「四面楚歌」などの熟語の出典になっていて、へ~こういう意味だったんだと改めて感心。

 主人公の項羽劉邦が 実際これほど対照的だったのかは分からない。かなり誇張されているいるような気もする。項羽は他に類を見ないほど武勇に優れ、その点では劉邦は足下にも及ばない。劉 邦はどう戦うのか。何かを行う際には、有能な部下を全面的に信頼し用いることが重要で、優秀な人ほどそれを忘れてしまう・・・というのは今も昔も変わらな いようだ。

  昔読んだ「超マシン誕生」(トレイシー・キダー、ダイヤモンド社)という本を思い出す。コンピュータの開発で、自分自身が優秀な技術者でありながら、期限が迫っているなかで、バグとりを部下に任せきるというところが記憶に残っている。