
「いのちのバトン」(志村季世恵、岩崎書店)
囲碁棋士の梅沢由香里さんのブログで、志村季世恵さんの「いのちのバトン」という本が紹介されていた。書籍のタイトルにも興味を引かれさっそく購入し読んでみたが、梅沢由香里さんが号泣というのもけっしてオーバーではなく、オススメしたい1冊。
著者はバースセラピストという仕事をされており、「人は大きな苦しみを持つと、孤独な気分になります。するといつのまにか人や自然とのつながりを忘れてしまったりするのです。解決方法を探そうにも、考えは空回りし、良いアイデアはなかなか浮かびません。たとえ誰かに適切なアドバイスをもらったとしても、実行する気力も萎えています。そんな時にそのかたわらで、そっと耳を傾けたり、つながりを心に取り戻したり、悩みのためにうまく片づけられなくなった心の中を整理整頓するお手伝いするのが、私の仕事なのです。」と書かれている。
この本には、出会った事例が紹介されていて、最期まで母親として生きることを見いだす女性の姿、消耗した母親を小さな子供達が支えようとする姿、母親に自分を受け入れてもらいたくて必死に生きている2歳の女の子の姿・・・など涙なくしては読むことができない。良い書籍に出会い、それをまた紹介できるのは嬉しい。
あとがきには、「ほんとうのことを言うと、私は患者さんが亡くなると、ものすごく落ち込むので、原稿どころではなくなります」と書かれている。