横浜港の老朽化調査

2012年08月10日 | Weblog
◎本日、上田いさむ県本部代表と共に、横浜港への視察を行いました。

横浜港に235ある岸壁や護岸といった主な港湾施設のうち、建造後50年以上経過しているものは現在48、20年後の2032年時点では半数近い115に上ります。
 
本日は、新港ふ頭9号岸壁(昭和37年完成 築後50年経過)、本牧ふ頭A2号岸壁(昭和45年完成 築後42年経過)等を視察。当局より、舗装のひび割れ、桟橋のさびなどについて説明を受けました。

市では、「長寿命化のため、鉄の腐食防止など計画的に維持補修を進める」としていますが、壊れたら修繕するといった事後管理の予算措置はあるものの、予防保全の視点から充分な予算措置が施されていないのが現状。

計画的な維持管理の必要性から早期発見・早期改修といった予防保全の取組みで施設の長寿命化に取り組む必要があります。




昨年の3月11日の震災のおり、横浜市で震度5の揺れが50秒も続きました。液状化が発生した地域もありましたが、心配なのは道路や港湾施設の空洞化現象です。

2004年の新潟県中越地震では、震度5の揺れがあった地域では、路面下に空洞が多発したというデータもあります。東日本大震災では、釜石港をはじめとする多くの港湾で、引き波の際に岸壁内部から液状化した砂が一気に流出もしました。

震度5の揺れが長く続いた横浜市の道路や港湾施設の空洞化診断を早急に行う必要もあります。




横浜市の公共施設全体では、現在建築物として約2300施設、その内訳は、市民利用施設が約1000施設、庁舎や事務所が約660施設、学校約530施設、市営住宅約110施設。

また、土木・プラント系施設は約6000施設、そのほかにも下水道管きょが約11000km、水道管約9000km、道路約7500kmなど大量の施設を保有しています。

これらの保有施設は、老朽化の進行による問題を抱えています。およそ20年後には、橋りょうで52%、岸壁、物揚場、護岸といった港湾施設は、40%から60%が50年を経過し、10年後には上下水道の6割から7割が30年以上経過することになります。

公明党が提言している“防災・減災ニューディール”は、社会資本のライフサイクルコスト(生涯費用)の縮減と安全性の向上です。

そして明日への備えとしての応急措置です。今日できる対策は維持管理でなく事前防災・減災対策として直ちに実施することです。