今日は自宅近所のM神宮のお茶会に行った。
待合室でじっと僕が座っていると
ある女性が「隣に座ってもよろしいですか」とおっしゃった。
僕は「はいどうぞ」と言った。
しばらく話したあと女性は
「ちょっとお手洗いにいってきます」とおっしゃった。
「はいどうぞ」と僕が言うと
女性は。お懐紙などのはいった入れ物を
そこに残したままお手洗いにいかれた。
しばらくして戻ってこられて「ただいま」とおっしゃった。
僕は「おかえりなさい」と言った。
僕たちのお茶の番になってお茶席では
その女性は僕と2人くらい間を開けた場所に
座られた。
お茶が終わって待合室に戻ってくると
またその女性とはちあわせた。
あれこれ話しているうちに
女性が「ご一緒しませんか」とおっしゃった。
それでとりあえずM神宮で一緒にお参りをした。
手水のところで僕がここにはM天皇の御製が
書いてあるんですよ。と言って
その御製を読み上げた。
女性はかけていたサングラスをはずして
「え、もう一度読んでください」とおっしゃった。
僕がその御製をもう一度読み上げると
女性は「そうなんですか」と言って興味深そうに
その御製をみておられた。
手水で手を洗って一緒にお参りした。
僕はお参りするとき目を閉じてすこし時間がかかる。
僕のお参りが終わると女性はもう僕の隣に
いなかった。何かの都合で帰られたのだろうと
僕がおもっているとお宮の出口のところに
女性が立っておられた。
そこで改めてご一緒しましょうということになった。
近くのR宮に今日は10日の露店が出るので
そこにいきましょうということになった。
もうお昼過ぎになっていたので
食事をしてからR宮へということになった。
最初文豪Yゆかりのうどん屋へいくとそこは
満席だった、次にラウンジHにいくと
そこはお休みだった。それで
TTというお花がいっぱいのカフェレストランに入った。
二人とも日替わり定食を注文した。
しばらく話したあと女性の着ておられるブラウスのような
お召し物がいい感じだったので
「その青い花柄のお召し物、青くて涼しげな色合いでよくお似合いですね」と
僕は言った。
「そうですか」と女性は言った。
「今日のお茶会のおたてまえの方も淡いブルーのお着物に
ピンクの帯でよくお似合いでしたね」と僕は言った。
「そうですね。よくみておられるんですね」と女性は言った。
しばらく話したあと女性はそのブラウスのようなお召し物を
指差して「実はこれシルクなんです」と言った。
「ええ?そうなんですか」と僕は言った。
「そうなんですよ」と女性は言った。
そして「私、昭和10年生まれなんです」とおっしゃった。
僕は驚いてしまった。
「そうだったんですか。そんな自分の親より年上の方を
M神宮からR宮まで歩かせてしまって申し訳ありませんでした
タクシーにするべきでした」と僕は言った。
「いいえぜんぜんかまいません、私若いとき
山登りをしていましたので歩くのは大丈夫なんです」とおっしゃった。
事実、その女性は道々、ここにこんな花があるとか
こんなお庭の家があるとかいろいろ楽しそうに歩いておられた。
しかし、それにしても驚いてしまった。
しばらく話しているうちに女性のネックレスも
よくお似合いだなと思った。
「そのネックレス本物のパールですか」と僕は言った。
「はい」と女性は言った。
「ミキモトですか」と僕が言うと
「はい」と女性が言った。
「そうなんですか」と僕は言った。
本当にミキモトのパールをした女性とお話しするのって
何年ぶりだろう。ちょっと記憶にないほどだ。
それからしばらく話しているうちに
女性は「実は身長の低さを自慢するわけではないんですが
私、背が低いんです。でも、みんな私のこと背が高いというんです
それで、実際にならんで背を比べると私の方が低いんです」と
おっしゃった。
「それはお姉さんが細くて姿勢がいいから背が高く見えるんですよ」と僕は言った。
本当に、それで間違いないと僕は思った。
「そうですか」と女性はいった。
「そうですよ」と僕は言った。
そんな話をしているうちにお店のBGMがチャップリンのモダンタイムスのテーマ
スマイルに変わった。
「チャップリンのモダンタイムスのテーマですね
チャップリンはいいですね、泣けますね」と僕は言った。
「面白いけど泣けるんですよね。もうあんな人は出ないと思います」と女性は言った。
「そうですね」と僕は言った。
お会計をしてからR宮にいこうということになり
僕はその前にトイレに行きますといった。
すると女性は「じゃあ、そのあとで私も」とおっしゃった。
僕のあとで女性がトイレに行っている間に僕は
自分の名前、住所、電話番号をメモに書いて
トイレから出てこられた女性に渡した。
すると女性も、「私も」とおっしゃって
ハンドバッグの中から自分の名刺を取り出して僕に渡してくださった。
名刺をみると隣町 T市の駅前一等地で自転車置き場を
営んでおられることがわかった。
それでパールやシルクにも納得がいった。
カフェレストランをあとにしてR宮に向かった。
R宮の手水のところに漢字が三文字書いてあった。
ところが崩した文字で書いてあるので何てかいてあるのか読めない。
女性が「これって右から読むんですか」とおっしゃった。
「そうですね、駅やコンビニに書いてある
中国語は左から読みますけれど
お茶室のかけものや、お宮の文字は右から読みますね」と
僕は言った。
女性はしばらくその文字を眺めておられ
突然「岩清水」とおっしゃった。
それで間違いないと直感的に思った。
「さすが、素晴らしい」と僕は言った。
R宮の本殿にお参りをしてそれから
本殿の奥に天照大神、気比宮、腰掛け天神
住吉大社、鹿島宮、など、全国の色々な
神様のお祭りしてあるところを案内した。
そこは、松や、桜や、もみじもいっぱい植えてある。
「本当にこんなところを案内していただいてありがとうございます。
でも、こんな知識は知っていてもそんなに人に話す機会はないですね」
と女性はおっしゃった。
「そうですね」と僕は言った。
その場所にある松の根を見ながら
「この松の根もすごいですね」と女性は言った。
「そうですね」と僕は言った。
「こういう松の根をみると、松の根は地面のなかでは
いい場所をとろうとしてみんな争っているけれど
地面の上の松は美しいという哲学者Wの言葉を
思い出します。W Wうーんそのあとがでてこない」と女性が言った。
「哲学者WTですか?」と僕は言った。
「そう。それ、それ」と女性は言った。
「私、本を読んでも自分の気に留まったことだけ覚えていて
その他のことは忘れてしまうんですよ」と女性が続けた。
「そうですか」と僕は言った。
「今日はお茶会よりもこちらの方が勉強になったくらいです」と女性が言った。
「それはありがとうございます」と僕は言った。
R宮をでてY駅に向かう道すがら僕は女性が
淡い山吹色のスカーフをしておられることに気づいた。
「そのスカーフも淡い色でよくお似合いですね」と僕は言った。
「これもシルクなんですよ。さわってみますか」と女性が言った。
そうですね、といって僕はそのスカーフにさわった。
本当にシルクの手触りだった。
「本当に絹の手触りですね」と僕は言った。
「そうでしょ」と女性は言った。
Y駅のホームでならんでたったときに僕は女性が
しっかりした靴をはいておられるけれどそれが
すこしハイヒールになっていることに気づいた。
「お靴すこしハイヒールですね」と僕は言った。
「はい」と女性は言った。
「いやあ、その靴でM神宮からR宮まで歩けるなんて
すごいですよ」と僕は言った。
「それって、誉めていただいてるんですか?」と女性は言った。
「はい、そうです」と僕は言った。
待合室でじっと僕が座っていると
ある女性が「隣に座ってもよろしいですか」とおっしゃった。
僕は「はいどうぞ」と言った。
しばらく話したあと女性は
「ちょっとお手洗いにいってきます」とおっしゃった。
「はいどうぞ」と僕が言うと
女性は。お懐紙などのはいった入れ物を
そこに残したままお手洗いにいかれた。
しばらくして戻ってこられて「ただいま」とおっしゃった。
僕は「おかえりなさい」と言った。
僕たちのお茶の番になってお茶席では
その女性は僕と2人くらい間を開けた場所に
座られた。
お茶が終わって待合室に戻ってくると
またその女性とはちあわせた。
あれこれ話しているうちに
女性が「ご一緒しませんか」とおっしゃった。
それでとりあえずM神宮で一緒にお参りをした。
手水のところで僕がここにはM天皇の御製が
書いてあるんですよ。と言って
その御製を読み上げた。
女性はかけていたサングラスをはずして
「え、もう一度読んでください」とおっしゃった。
僕がその御製をもう一度読み上げると
女性は「そうなんですか」と言って興味深そうに
その御製をみておられた。
手水で手を洗って一緒にお参りした。
僕はお参りするとき目を閉じてすこし時間がかかる。
僕のお参りが終わると女性はもう僕の隣に
いなかった。何かの都合で帰られたのだろうと
僕がおもっているとお宮の出口のところに
女性が立っておられた。
そこで改めてご一緒しましょうということになった。
近くのR宮に今日は10日の露店が出るので
そこにいきましょうということになった。
もうお昼過ぎになっていたので
食事をしてからR宮へということになった。
最初文豪Yゆかりのうどん屋へいくとそこは
満席だった、次にラウンジHにいくと
そこはお休みだった。それで
TTというお花がいっぱいのカフェレストランに入った。
二人とも日替わり定食を注文した。
しばらく話したあと女性の着ておられるブラウスのような
お召し物がいい感じだったので
「その青い花柄のお召し物、青くて涼しげな色合いでよくお似合いですね」と
僕は言った。
「そうですか」と女性は言った。
「今日のお茶会のおたてまえの方も淡いブルーのお着物に
ピンクの帯でよくお似合いでしたね」と僕は言った。
「そうですね。よくみておられるんですね」と女性は言った。
しばらく話したあと女性はそのブラウスのようなお召し物を
指差して「実はこれシルクなんです」と言った。
「ええ?そうなんですか」と僕は言った。
「そうなんですよ」と女性は言った。
そして「私、昭和10年生まれなんです」とおっしゃった。
僕は驚いてしまった。
「そうだったんですか。そんな自分の親より年上の方を
M神宮からR宮まで歩かせてしまって申し訳ありませんでした
タクシーにするべきでした」と僕は言った。
「いいえぜんぜんかまいません、私若いとき
山登りをしていましたので歩くのは大丈夫なんです」とおっしゃった。
事実、その女性は道々、ここにこんな花があるとか
こんなお庭の家があるとかいろいろ楽しそうに歩いておられた。
しかし、それにしても驚いてしまった。
しばらく話しているうちに女性のネックレスも
よくお似合いだなと思った。
「そのネックレス本物のパールですか」と僕は言った。
「はい」と女性は言った。
「ミキモトですか」と僕が言うと
「はい」と女性が言った。
「そうなんですか」と僕は言った。
本当にミキモトのパールをした女性とお話しするのって
何年ぶりだろう。ちょっと記憶にないほどだ。
それからしばらく話しているうちに
女性は「実は身長の低さを自慢するわけではないんですが
私、背が低いんです。でも、みんな私のこと背が高いというんです
それで、実際にならんで背を比べると私の方が低いんです」と
おっしゃった。
「それはお姉さんが細くて姿勢がいいから背が高く見えるんですよ」と僕は言った。
本当に、それで間違いないと僕は思った。
「そうですか」と女性はいった。
「そうですよ」と僕は言った。
そんな話をしているうちにお店のBGMがチャップリンのモダンタイムスのテーマ
スマイルに変わった。
「チャップリンのモダンタイムスのテーマですね
チャップリンはいいですね、泣けますね」と僕は言った。
「面白いけど泣けるんですよね。もうあんな人は出ないと思います」と女性は言った。
「そうですね」と僕は言った。
お会計をしてからR宮にいこうということになり
僕はその前にトイレに行きますといった。
すると女性は「じゃあ、そのあとで私も」とおっしゃった。
僕のあとで女性がトイレに行っている間に僕は
自分の名前、住所、電話番号をメモに書いて
トイレから出てこられた女性に渡した。
すると女性も、「私も」とおっしゃって
ハンドバッグの中から自分の名刺を取り出して僕に渡してくださった。
名刺をみると隣町 T市の駅前一等地で自転車置き場を
営んでおられることがわかった。
それでパールやシルクにも納得がいった。
カフェレストランをあとにしてR宮に向かった。
R宮の手水のところに漢字が三文字書いてあった。
ところが崩した文字で書いてあるので何てかいてあるのか読めない。
女性が「これって右から読むんですか」とおっしゃった。
「そうですね、駅やコンビニに書いてある
中国語は左から読みますけれど
お茶室のかけものや、お宮の文字は右から読みますね」と
僕は言った。
女性はしばらくその文字を眺めておられ
突然「岩清水」とおっしゃった。
それで間違いないと直感的に思った。
「さすが、素晴らしい」と僕は言った。
R宮の本殿にお参りをしてそれから
本殿の奥に天照大神、気比宮、腰掛け天神
住吉大社、鹿島宮、など、全国の色々な
神様のお祭りしてあるところを案内した。
そこは、松や、桜や、もみじもいっぱい植えてある。
「本当にこんなところを案内していただいてありがとうございます。
でも、こんな知識は知っていてもそんなに人に話す機会はないですね」
と女性はおっしゃった。
「そうですね」と僕は言った。
その場所にある松の根を見ながら
「この松の根もすごいですね」と女性は言った。
「そうですね」と僕は言った。
「こういう松の根をみると、松の根は地面のなかでは
いい場所をとろうとしてみんな争っているけれど
地面の上の松は美しいという哲学者Wの言葉を
思い出します。W Wうーんそのあとがでてこない」と女性が言った。
「哲学者WTですか?」と僕は言った。
「そう。それ、それ」と女性は言った。
「私、本を読んでも自分の気に留まったことだけ覚えていて
その他のことは忘れてしまうんですよ」と女性が続けた。
「そうですか」と僕は言った。
「今日はお茶会よりもこちらの方が勉強になったくらいです」と女性が言った。
「それはありがとうございます」と僕は言った。
R宮をでてY駅に向かう道すがら僕は女性が
淡い山吹色のスカーフをしておられることに気づいた。
「そのスカーフも淡い色でよくお似合いですね」と僕は言った。
「これもシルクなんですよ。さわってみますか」と女性が言った。
そうですね、といって僕はそのスカーフにさわった。
本当にシルクの手触りだった。
「本当に絹の手触りですね」と僕は言った。
「そうでしょ」と女性は言った。
Y駅のホームでならんでたったときに僕は女性が
しっかりした靴をはいておられるけれどそれが
すこしハイヒールになっていることに気づいた。
「お靴すこしハイヒールですね」と僕は言った。
「はい」と女性は言った。
「いやあ、その靴でM神宮からR宮まで歩けるなんて
すごいですよ」と僕は言った。
「それって、誉めていただいてるんですか?」と女性は言った。
「はい、そうです」と僕は言った。