ケンのブログ

日々の雑感や日記

T劇場のお茶会

2017年09月17日 | 日記
今日は隣町T市のT劇場和室で催された
お茶会にいった。
僕が入ったお茶席にはお母さんが
10才くらいの女の子と3才くらいの男の子を
つれて入ってこられた。
男の子はお茶室に入るのは初めてみたいだ。
かしこまった大人に囲まれてなんか様子が違うぞ
という顔をしている。
そのうち男の子ははずかしそうにうつむいて
そのあとでお母さんの膝にもたれて
ぐーっと体を反らした。
僕がその様子を見て、にーっと笑うと
男の子も僕の顔を見てにーっと笑った。
「いい子やね、いくつかな、二つ? 三つ?」と
指で二と三を示しながら僕が聞いた。
すると男の子はしばらくぼくの様子をうかがっていて
それから、指で三を示して僕の方にぐっと伸ばした。
「そう、いいね」と僕が言うと、男の子はまた
にーっと笑った。
お茶席の花はすすきと釣り鐘草だった。
お茶席が開いたあとの質問の時間に僕が先生にお花について
おたづねすると
「すすきはお庭にあるのをつんできました。釣り鐘草は
ある方が山から取っ手来てくれました」と先生はおっしゃった。
「そうですか、そうしていろんなおかげさんで茶室の
花もできるんですね」と僕は言った。
「そううけとめてもらえるとありがたいです」と先生はおっしゃった。
おたてまえの方の着物はピンク、帯は濃い緑だった。
お着物のいろについて僕は詳しくないけれど
ピンクはなぜかよく使われるような気がする。
桜の花の色なので日本人にはよくあうのではないかと思う。
待合室へ戻ってくるとある女性がそこの目録を見て
お茶室でのお話を振りかえっておられた。
待合室の床の間にはお軸がかかっていて
そこには和歌のような七五調のお歌が
草書で書いてある。
草書は例によって読みにくい。
その女性は待合室のお軸の草書も
目録に書いてある楷書と照らし合わせて
一生懸命判読しようとなさっていた。
草書の中に○○の最中という言葉が出てきた。
「これはさいちゅうと読むんですよね」と女性が言った。
「文脈上の意味は、さいちゅうで、間違いないと思いますが
さいちゅうとよむと字余りになります。もなか、と読むと
七五調になります。なので、もなかと思います」と僕は言った。
「そういえばそうですね」と女性が言った。
「もなかゆうて食べたらあかんで」とそのまた隣に
いた女性が言った。
大阪の人の会話はとかくこういう風に展開しやすい。
僕は少し笑って黙っていた。
お茶会をあとにしてT劇場の隣のN神社に参拝
それからT駅近くの本屋さんに行った。
本の検索の機械の後ろで僕が順番を待っていると
3才くらいの女の子がお母さんに手を引かれて
僕の前を通ろうとした。
かわいい、くりくりの目をした子だったので
僕はその子の目を見て「かわいね」と言ってにーっと笑った。
するとその女の子も僕の方を見てにーっと笑った。
お母さんがそれを見て「うふふ」と笑った。
僕も「うふふ」と笑った。
子供がそれを見ていたので僕は
また子供の方を向いてにーっと笑った。
するとまたその女の子は僕の方を見て
にーっと笑った。
ぼくもまたにーっと笑ったけれど
いつまでもにーっと笑っているわけにもいかないので
子供に「さようなら」と言った。
子供はお母さんに手を引かれて去っていった。