昨日 JRの京都線に乗った。
「沿線のご案内をいたします。まもなく左手に見えてまいりますのがサントリーの山崎蒸留所です。山崎の駅を出ますと同じく左手に見えますのが天王山です」という具合に、電車の車掌さんが観光バスのバスガイドさんのように本当に窓から見える景色の案内をかなり詳しくしてくださった。
こんなこと初めて。
やはり、コロナということでなにかと電車も窓があいていて寒かったりとか、咳エチケットをせなあかんとか、不自由なことが多いので、車掌さんが気を利かせてそういうことをしてくださったのだと思う。
ときどきこういうサプライズがあるのもいいなと思う。
立ち食いそばのお店で、わかめそばを注文。カウンターに設置してある棚に助六がおいてあったので、助六をトレーの上に乗せて「お勘定、助六と一緒でお願いします」と僕は言った。
「はい。〇〇円です」と店員の方は言った。
「それは安すぎませんか」と僕は言った。
「かけそばと助六ですよね」と店員さんは言った。
「かけそばちゃいます。わかめそばです」と僕は言った。
「よく確認しなくて失礼しました。本当にマスクしてるから声が聞き取りにくくて」と店員さんは言った。
マスクをしてください と張り紙がしてあるからマスクをしているのに、そんなこと言われてもと思ったけれど、要するにもう店員の方も、マスクをしたお客さんとビニールのカーテン越しに話をすることにいい加減、疲れておられるのだと思う。
それはマスク+ビニールのカーテンで二重の意味で声が聞き取りにくいので、立ち食いそばのように、さっさと仕事をしなければならない立場の人は何かと困ることも多いように思う。
まあ、それはコロナの感染防止が世の中の最優先だとはわかっていても、やはり、そこはストレスとお互いに感じてしまう。
もう、僕もコロナそのものよりもコロナによる世の中のしくみの変化のほうがしんどいという様相になってきてしまったように思う。
まあ、その場で店員の方はそばの上にわかめをのせてくださり、おつゆもちょっと足してくださったので良かった。
いつか立ち食いそばに行って、やはりわかめそばを注文した。
おじさんがそばをこしらえている間に僕はカウンターの上に置いてあったいなり寿司をとって、「お稲荷さんもいただきます」と店員のおじさんに言った。
おじさんは「はい、わかりました」とおっしゃって、出てきたそばは、わかめそばではなく、きつねそばだった。
「僕が頼んだのはきつねちゃいます。わかめです。わかめ作ってる途中で僕がお稲荷さんって言ったから、わかめがキツネに化けたんちゃいますか」と僕は言った。
すると店員のおじさんは「そうでした、すみません。今日、間違えるの二回目ですわ。すんません」と言って、キツネの上にわかめを載せてくれてキツネ+わかめそばをわかめそばだけの値段でいただくことになった。
まあ、儲けものといえば儲けものだけれど。
もう、随分、昔に、吉野家とかのチェーン店ではなく、古い商業ビルの一角のカウンターでおじさんが個人でやっているような牛丼とカレーの店によく行っていたことがある。
そこでは当時、僕はいつも牛丼を注文していた。
ところがある日、急にカレーが食べたくなり僕はそのお店で
「今日はカレーお願いします」と言った。
おじさんは「はい」とおっしゃったけれど、出てきたのは牛丼だった。
その当時は僕は、いつも牛丼を頼んでいたからおじさんの頭も僕を見ると反射的に牛丼って反応してしまったのだと思う。
「今日は牛丼ちゃいます。カレー頼みました」と僕は言った。
するとおじさんは「すみませんでした」と言って、その牛丼の上に、カレーのルーをたっぷりとかけてくださった。
今、牛丼のチェーン店で牛あいがけカレーというメニューがあるけれど、あれはご飯の右半分が牛丼、左半分がカレーという感じだ。
しかし、そのときおじさんが作ってくれたのは本当に100%牛丼の上にカレーのルーも100%というボリュームたっぷりの品物だった。
しかもお値段は普通のカレーと同じお値段。
僕にとってはあのときの牛丼+カレーが生涯最高のビーフカレーだったなと思う。