ボブ・ディランのノーベル文学賞受賞の報には驚いた。ならば、ジョンやポールは…などとも思うが、それはまた別の話だ。ここでは映画とディランのかかわりについて触れてみたい。
ディランが出演し、音楽も担当したサム・ペキンパー監督の『ビリー・ザ・キッド21歳の生涯』(73)では、スリム・ピケンズとジャック・イーラムという名脇役の最期のシーンに「天国への扉」が流れた。まるでペキンパーが西部劇に捧げた鎮魂歌のように思えてひどく印象に残ったものだ。
マーティン・スコセッシがザ・バンドの解散コンサートを記録した『ラスト・ワルツ』(78)では、ディランは「アイ・シャル・ビー・リリースト」と「いつまでも若く」を披露している。そのほか、ディランの曲が挿入歌として使われた映画は『フォレスト・ガンプ/一期一会』(94)など、枚挙にいとまがない。
最近は日本でも、川本三郎がディランの曲をタイトルとした原作を映画化した『マイ・バック・ページ』(11)など、ディランの曲が使われるケースが増えてきた(歌ったのは真心ブラザーズ + 奥田民生)。こうしたことからも、60年代を表すにはディランの曲がいかに有効であるかがよく分かる。
93年、6人の男女が“ディラン”を演じた『アイム・ノット・ゼア』公開時に、『THE BIG ISSUE JAPAN 93号』に書いたレビューを転載する。
自分にとってのディランのイメージとは概ねこんな感じだ。
http://www.bigissue.jp/backnumber/bn93.html
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