田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

『エクソシスト 信じる者』

2023-11-24 23:30:36 | 新作映画を見てみた

『エクソシスト 信じる者』(2023.11.24.東宝東和試写室)


 
 カメラマンのビクター(レスリー・オドム・Jr.)は、12年前に地震で妻を亡くし、娘のアンジェラを1人で育てている。ある日、アンジェラが親友のキャサリンと一緒に森へ出かけたまま行方不明になってしまう。

 3日後、2人は無事に保護されるが、どこか様子がおかしく、突然暴れたり叫んだりと常軌を逸した行動を繰り返す。ビクターは50年前に同じような経験から愛娘のリーガン(リンダ・ブレア)を守り抜いた過去を持つクリス・マクニール(エレン・バースティン)に助けを求め、悪魔払いの儀式を始めるが…。

 『エクソシスト』(73)の正統な続編で、50年後の現在を舞台に、悪魔にひょう依された2人の少女が見舞われる恐怖を描く。製作はブラムハウス・プロダクションズのジェイソン・ブラム、監督は「ハロウィン」シリーズのデビッド・ゴードン・グリーン。アン・ダウド、カントリー歌手のジェニファー・ネトルズほかが共演。

 これまで、『エクソシスト』関連のさまざまな映画が作られてきたが、正統な続編はこの映画が初めてなのだとか。ということはジョン・ブアマン監督の『エクソシスト2』(77)も“なかったこと”になったのか(確かに難解な映画ではあったが…)。

 50年前も今も、キリスト教について無知なことに変わりはない。だからこの映画についても、宗教的な深い部分はよく分からないのだが、黒人のシングルファーザー、2人の少女への悪魔のひょう依(どちらを生かすかの選択を迫る)、4つの信仰の指導者(カトリック教会の神父、ペンテコステ派の牧師、ヒーリング、パプテスト教会の牧師)が悪魔払いで共闘するなど、いかにも現代風の設定がなされている。そこが50年前とは大きく違うところだ。

 というわけで、いろいろと頑張ってはいるのだが、これを見ると『エクソシスト』のウィリアム・フリードキンの演出やオーウェン・ロイズマンのカメラワーク、そしてマイク・オールドフィールドの「チューブラベルズ」の音楽効果がいかにすごかったのかに改めて気付かされる。

 とはいえ、オリジナルとこの映画をつなぐ役割を果たしたのはやはりバースティンの存在。何でも、彼女が共同社長を務める「アクターズスタジオ」への支援が条件での出演だったらしいが、彼女の登場に合わせて「チューブラベルズ」が流れると、50年前を思い出して一瞬目頭が熱くなった。そしてラストでは…。これだから年寄りは嫌だねえ。


『エクソシスト』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/7ada4409decbc81d3fdadffe59e0b37a

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【ほぼ週刊映画コラム】『翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~』『首』

2023-11-24 11:25:10 | ほぼ週刊映画コラム

共同通信エンタメOVOに連載中の
『ほぼ週刊映画コラム』

今週は
関西にもひどい地域格差が…『翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~』
戦国版の「アウトレイジ」『首』

詳細はこちら↓
https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/column/week-movie-c/1413197

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「午後のロードショー」『ダイ・ハード4.0』

2023-11-24 08:30:06 | ブラウン管の映画館

『ダイ・ハード4.0』(07)

ジョン・マクレーンが超人になり過ぎてあきれる
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/a60d63a96b2660faaa2da76d460a16f5

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「BSシネマ」『ゼロの焦点』

2023-11-24 07:30:37 | ブラウン管の映画館

『ゼロの焦点』(09)

新日本風土記「松本清張 昭和の旅」『ゼロの焦点』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/9212b7484a9b0ed60f02359757147f91

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