『ヴァチカンのエクソシスト』(2023.6.22.ソニー・ピクチャーズ試写室)
1987年7月、アモルト神父(ラッセル・クロウ)はローマ教皇(フランコ・ネロ)から、スペインのサン・セバスチャン修道院でのある少年の悪魔払いを依頼される。少年の様子を見て悪魔の仕業だと確信したアモルトは、相棒となった若きトマース神父(ダニエル・ゾバット)と共に本格的な調査を開始。やがて彼らは、中世ヨーロッパでカトリック教会が異端者の摘発と処罰のために行っていた宗教裁判の記録と、修道院の地下に眠る邪悪な魂の存在にたどり着く。
カトリック教会の総本山バチカンのローマ教皇に仕えた実在のエクソシスト、ガブリエーレ・アモルト神父の回顧録『エクソシストは語る』を映画化。クロウがホラー映画初主演。監督はオーストラリア出身のジュリアス・エイバリー。
『エクソシスト』(73)から50年。神父の人物設定や、悪魔つきとされる人の98パーセントは精神疾患によるものだが、残りの2パーセントは原因が何なのか分からないという分析を示すところなどに時代の変化を感じるオカルト物だが、宗教観の違う日本では、コミカルに映るところもあり、単なるエンターテインメントとして見てしまう感もある。そして結構面白い。
クロウのけれん味たっぷりの演技もさることながら、『エクソシスト』のリンダ・ブレアや『デアボリカ』(74)のジュリエット・ミルズを思わせる、悪魔に取りつかれたヘンリー役の子役が不気味というか、かわいそうに見えた。アモルト神父とトマース神父のバディ物としてシリーズ化されるかもしれない。
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