菅原文太の人生には常に暗い影がつきまとう。幼少期に母親が出奔して家庭崩壊。大学は除籍。俳優業は脇役ばかり。じりじりするような焦りの中、やっとつかんだ『仁義なき戦い』で不動の地位を築くも、最後は出演を拒否してしまう。誰も信用せず、盟友と決別し、約束された成功を拒んだ男が生涯を懸けて追い求めたものは一体何だったのか。名優の内面に迫る評伝。
最近、高倉健の没後10年、鶴田浩二の生誕100年ということで短い評伝を書いたのだが、その際、菅原文太も没後10年だから健さんと並べて…という案が出たのだが、調べてみると2人はタイプが違うし、東映での活躍の時期もずれるので並べて書くのは難しいとなった。
しかもインタビューで健さんのことは嬉々として語った八名信夫や谷隼人も、文太さんについてもと水を向けると急に口が重くなった。というか、彼のことはよく知らないと言うのだ。そこに文太の東映での微妙な立場が垣間見える気がしたのだが、その理由は単に文太が外様だったからというだけではないとも感じた。本書は、その理由の一端を明らかにしてくれたようで興味深く読んだ。
「没後10年高倉健の世界」
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/61665843deec91d685ed38707ecc65cd
「生誕100年 鶴田浩二」
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/11333db40bb880de0f7316a5cd83925e
健さんに続いて今度は文太が…
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/b609c8badd47cd309098b86d6343b8b9
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