『ぼくのお日さま』(2024.10.13.オンライン試写)
雪の降る北海道の田舎町。野球やアイスホッケーが苦手できつ音のある少年タクヤ(越山敬達)は、ドビュッシーの「月の光」に合わせてフィギュアスケートを練習する少女さくら(中西希亜良)に恋をする。
ある日、さくらのコーチで元フィギュアスケート選手の荒川(池松壮亮)は、ホッケー靴のままフィギュアのステップをまねて何度も転ぶタクヤの姿を目にする。
タクヤの恋を応援しようと決めた荒川は、彼にフィギュア用のスケート靴を貸して練習に付き合うことに。やがて荒川の提案で、タクヤとさくらはペアでアイスダンスの練習をすることになるが…。
『僕はイエス様が嫌い』(19)でサンセバスチャン国際映画祭の最優秀新人監督賞を受賞した奥山大史が、監督・脚本・撮影・編集を手掛けた商業映画デビュー作。
カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に、日本人監督としては史上最年少で選出された。主題歌は音楽デュオ「ハンバート ハンバート」が2014年に発表した同名楽曲。
タクヤはさくらに恋をし、さくらは年上のコーチに憧れ、同性愛者のコーチはタクヤの純粋さをうらやましがるという、純粋と皮肉と残酷があいまったような微妙な三角関係が描かれる。
印象的な陽光と音楽をバックにした3人の練習風景を映す映像が見事。コーチ役の池松とフィギュア経験者の中西のなめらかな滑りに加えて、だんだんと上達していくタクヤの姿も美しい。
そんなタクヤの姿はバレエダンサーを目指す少年を描いた『リトル・ダンサー』(00)をほうふつとさせるものがあった。
『リトル・ダンサー』
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