『アイアンクロー』(2024.2.27.キノフィルムズ試写室)
1980年代初頭、プロレスの元AWA世界ヘビー級王者フリッツ・フォン・エリック(ホルト・マッキャラニー)に育てられたケビン(ザック・エフロン)、デビッド(ハリス・ディキンソン)、ケリー(ジェレミー・アレン・ホワイト)、マイク(スタンリー・シモンズ)の兄弟は、父の教えに従いプロレスラーとしてデビューし、プロレス界の頂点を目指していた。
だが、NWA世界ヘビー級王座戦への挑戦権を得たデビッドが、日本でのプロレスツアー中に急死したことを皮切りに、エリック家は次々と悲劇に見舞われ、いつしか「呪われた一家」と呼ばれるようになってしまう。
鉄の爪=アイアンクローを得意技としたアメリカの伝説的なプロレスラーと息子たちの実話をベースに描いたドラマ。監督のショーン・ダーキンはプロレスファンとのこと。
子どもの頃、父エリックとジャイアント馬場やアントニオ猪木との闘いを夢中になって見ていた者としては感慨深いものがあった。エリックの手首をつかんで何とかアイアンクロ―やストマッククロ―をかわそうとする馬場、それでも食らってしまい、苦悶の表情を浮かべるという一連の動き(当時は真剣勝負だと思っていた…)を、友だちと一緒によくまねをしたからだ。
この映画には、馬場や猪木は出てこなかったが、ブルーザー・ブロディ、ハーリー・レイス、リック・フレアーなどといった懐かしい連中が出てきてうれしくなった。
さて、エリックの子どもたちを襲った悲劇は何となくは知っていたが、改めてその裏側を知らされてやるせない気分になった。子どもたちの中では、ザック・エフロンが筋骨隆々になっていて驚いた。
ただ、自分のように彼らのことを多少なりとも知っている者にとっては興味が湧くが、彼らのことを知らない今の若者たちの目には、この映画はどう映るのだろうかと思った。
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