知人から譲られた本。その存在を全く知らなかった。
1977年の東京を舞台に、幻の映画『砂丘のナディア』の上映に奔走する若者たちを描く青春物語。主人公の高校生は作者の分身か。前半は、斜陽の映画館、テレビでの映画放送など、当時の映画を取り巻く状況が盛り込まれており、同じ年の映画好き故に、分かるところ、共感できるところが多々あった。
ところが後半、『ぴあ』をモデルにした情報誌が登場するのはまだしも、蓮實重彦氏を思わせる大学教授を持ち上げる描写が出てきて一気に興ざめさせられた。きっと作者は、蓮實氏から映画に関する“教え”を受けた一人なのだろうが、これが結論では、一般の映画ファンの思いからは乖離してしまう。
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