『BAUS 映画から船出した映画館』(2025.2.14.京橋テアトル)
1927年。活動写真に魅せられて青森から上京したハジメ(峯田和伸)とサネオ(染谷将太)の兄弟は、吉祥寺初の映画館・井の頭会館で働き始める。その後、ハジメは活弁士、サネオは社長として劇場のさらなる発展を目指すが、戦争の足音がすぐそこまで迫っていた。
2014年に惜しまれながらも閉館した映画館・吉祥寺バウスシアターをめぐる歴史と家族の物語。映画館が多くの人々に愛される文化の交差点になっていく長い道のりを描く。
吉祥寺バウスシアターの元館主・本田拓夫の著書『吉祥寺に育てられた映画館 イノカン・MEG・バウス 吉祥寺っ子映画館三代記』を原作に、22年に亡くなった青山真治監督が温めていた脚本を、青山監督の教え子でもある甫木元空監督が引き継いで執筆し、メガホンを取って完成させた。大友良英が音楽を担当。
吉祥寺バウスシアターは、その最晩年に取材をし、爆音映画祭にも顔を出したので、この映画の話を聞いた時には感慨深いものがあった。ところが、映画館への思いにあふれた単純で素直な年代記にはしたくなかったのか、観念的かつ前衛的な描写が目立ち、かえって興をそがれたのが残念だった。サネオの妻のハマを演じた夏帆と井の頭会館の先代社長役の吉岡睦雄が印象に残った。
『爆音映画祭 ゴジラ伝説』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/18f0d2bafbdc7f21107034d06dc3a207
【違いのわかる映画館】吉祥寺バウスシアター
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/ea2b6f99e1f7da1aaaaf3b0d5c4b176a
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