土曜日の実験室
放課後の理科実験室でラベンダーの香りをかいだことをきっかけに、芳山和子はタイムトラベラーに…。未来人と彼女の淡い初恋と学園生活を描いたファンタスティックで切ないラブロマンス。監督は大林宣彦、原作は筒井康隆のジュブナイル(少年少女向け)SFです。
公開時は薬師丸ひろ子&松田優作の『探偵物語』とのアイドル映画2本立てという扱いでした。しかも原田知世の映画デビュー作ということもあり、大林監督はアイドル映画の手法を用いながら、自身の故郷・尾道に舞台を移し、ノスタルジックな背景を構築しました。この映画で尾道が果たした役割が、日本のフィルムコミッションの先駆けとされます。その一方、当時の最新特撮を駆使して、タイムトラベルという非現実を見事に映画の中に取り込んでみせました。
先にドラマ化されたNHKの少年ドラマシリーズ『タイム・トラベラー』(72)はもとより、スピンオフ的なアニメ版(06)や仲里依紗主演版(10)の存在は、原作の世界が広がっていく楽しさを感じさせてくれます。「土曜日の実験室」というセリフを懐かしく思い出す人も多いのではないでしょうか。
名画投球術 No.8.「(読書の秋)原作より面白い映画が観たい」大林宣彦
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