『ビッグ・フィッシュ』(03)(2006.1.9.WOWOW)
奇想天外な話で周囲を楽しませていた父エドワード(アルバート・フィニー)と、父の話は作り話だと思い疎遠になっていた息子のウィル(ビリー・クラダップ)。父の死期が迫っていると連絡を受けたウィルは、妻(マリオン・コティヤール)と共に久しぶりに故郷へ戻るが…。
『フォレスト・ガンプ/一期一会』(94)のような、いかにもアメリカらしい寓話のようなホラ話の連続と、『フィールド・オブ・ドリームス』(89)のようなファンタジーにおける父子の和解、それからフェリーニ風のサーカスと、いろいろな要素が詰め込まれた作品。
全体的にはティム・バートンにしてはストレート過ぎて抑え気味かとも思えるが、グロテスクな描写やサーカスの場面ではちゃんと彼の個性が発揮され、バランスのいい映画になっている。俳優陣も、エドワードの若き日と老年を演じたユアン・マクレガーとフィニイがそれぞれの良さを出していた。
とは言え、やはり圧巻は夢(うそ)と現実(真実)が重なるラストシーン。ここはまるでフランク・キャプラの『素晴らしき哉、人生!』(46)を思わせる。ひょっとしたらバートンの映画の中でこれが一番好きかもしれない。
【インタビュー】『ダンボ』ティム・バートン監督
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/18754cbd4bb244f2cb6b7f0e7a1a7348
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