田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

ボブ・ディランと映画

2016-10-14 11:00:28 | 映画いろいろ

 ボブ・ディランのノーベル文学賞受賞の報には驚いた。ならば、ジョンやポールは…などとも思うが、それはまた別の話だ。ここでは映画とディランのかかわりについて触れてみたい。

 ディランが出演し、音楽も担当したサム・ペキンパー監督の『ビリー・ザ・キッド21歳の生涯』(73)では、スリム・ピケンズとジャック・イーラムという名脇役の最期のシーンに「天国への扉」が流れた。まるでペキンパーが西部劇に捧げた鎮魂歌のように思えてひどく印象に残ったものだ。

 マーティン・スコセッシがザ・バンドの解散コンサートを記録した『ラスト・ワルツ』(78)では、ディランは「アイ・シャル・ビー・リリースト」「いつまでも若く」を披露している。そのほか、ディランの曲が挿入歌として使われた映画は『フォレスト・ガンプ/一期一会』(94)など、枚挙にいとまがない。

 最近は日本でも、川本三郎がディランの曲をタイトルとした原作を映画化した『マイ・バック・ページ』(11)など、ディランの曲が使われるケースが増えてきた(歌ったのは真心ブラザーズ + 奥田民生)。こうしたことからも、60年代を表すにはディランの曲がいかに有効であるかがよく分かる。

 93年、6人の男女が“ディラン”を演じた『アイム・ノット・ゼア』公開時に、『THE BIG ISSUE JAPAN 93号』に書いたレビューを転載する。
自分にとってのディランのイメージとは概ねこんな感じだ。
http://www.bigissue.jp/backnumber/bn93.html

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『カティンの森』

2016-10-12 10:00:23 | BIG ISSUE ビッグイシュー

ポーランドの巨匠アンジェイ・ワイダが亡くなった。

彼の映画については熱心なファンではなかったが、
晩年の傑作である『カティンの森』について
『THE BIG ISSUE JAPAN 134号』でレビューを書いた。
http://www.bigissue.jp/backnumber/bn134.html

追悼の意を込めてここに転載する。

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【コラム】「秋の夜に楽しむ名作映画

2016-10-10 08:00:44 | 映画の森

共同通信社が発行する週刊誌『Kyoudo Weekly』(共同ウイークリー)10月10日号で、『映画の森』と題したコラムページに「秋の夜に楽しむ名作映画」として時間旅行を描いた3本を紹介。

ラインアップは
『ある日どこかで』
『恋はデジャ・ブ』
『アバウト・タイム~愛おしい時間について』


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『グッドモーニングショー』

2016-10-09 08:00:16 | 新作映画を見てみた

作り手だけが楽しんでいる上滑りなコメディー



 落ち目のキャスター澄田(中井貴一)が陥った災難だらけの1日を描いたコメディー。監督・脚本は『踊る大捜査線』シリーズの君塚良一。

 ワイドショー制作の裏側や、たてこもり事件の犯人(濱田岳)に逆恨みされる澄田など、ジョディ・フォスター監督、ジョージ・クルーニー主演の『マネーモンスター』と設定がそっくりで驚く。

 とは言え、たとえ『マネーモンスター』の存在を抜きにしたとしても、あまり上出来な映画だとは思えない。テレビ業界にどっぷり浸かった者がその裏側を描いても意外性はなく、単なる内輪の楽屋落ちで終わっている感じがするからだ。おまけにたてこもり犯の動機もよく分からないとくる。作り手だけが楽しんでいる上滑りなコメディーといったところか。

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【ほぼ週刊映画コラム】『お父さんと伊藤さん』

2016-10-08 15:30:00 | ほぼ週刊映画コラム
エンタメOVOに連載中の
『ほぼ週刊映画コラム』

今週は

行間を読む楽しさを味わう
『お父さんと伊藤さん』



詳細はこちら↓

http://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/column/week-movie-c/1071224
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『ジェイソン・ボーン』

2016-10-05 10:17:21 | 新作映画を見てみた

そろそろ打ち止めでいいのでは



 記憶を失い、愛する者を奪われた最強の暗殺者ジェイソン・ボーンを主人公にしたポール・グリーングラス監督、マット・デイモン主演のシリーズ4作目。

 このシリーズは、スピード感や臨場感を生むために考えられたノンストップアクションが見ものだが、実のところ、寄りのカメラ、早過ぎるカットの切り換えによる目まぐるしい動きは、何をしているのかよく分からない。今回はそれが高じて睡魔に襲われる始末。

 ストーリーも、何度も同じような話を蒸し返すだけで、新味がないから盛り上がらない。そろそろ打ち止めでいいのではとは思うものの、ラストでモービーの「Extreme Ways」が流れると、また続きが見たくなるか…。ところで、ジェレミー・レナー主演の番外編『ボーン・レガシー』(12)の続きは? 次はデイモンとレナーの競演か。

「Extreme Ways」
https://www.youtube.com/watch?v=ftm1hiXgYsA

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『高慢と偏見とゾンビ』

2016-10-03 10:28:48 | 新作映画を見てみた

珍品なり



 この映画のように、複数の作品を複合し、新たに別の作品を作り出すことを“マッシュアップ”というらしい。ジェイン・オースチンの『高慢と偏見』にゾンビの世界をミックスさせ、四姉妹がカンフーの使い手というめちゃくちゃな設定まで加えたのは、『リンカーン/秘密の書』(12)の原作と脚本を書いたセス・グレアム=スミス。前作でリンカーン大統領をバンパイアハンターにした彼なら、確かにやりかねないという荒唐無稽さがこの映画の見どころだ。

 うがった見方をすれば、ゾンビを使って英国の階級制度を揶揄しているとも取れるが、それはあくまで二次的なものだろう。要は、こんな面白い(くだらない)ことを思いついたぜ。どうだすごいだろ。という感じなのではないか。とは言え、衣装やセットなどで結構真面目に19世紀の英国を再現しており、ミスマッチの妙が楽しめる。日本で言えば、時代劇とゾンビをミックスさせたようなものか。珍品なり。

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【ほぼ週刊映画コラム】『イエスタデイ』

2016-10-01 20:52:17 | ほぼ週刊映画コラム
エンタメOVOに連載中の
『ほぼ週刊映画コラム』

今週は』

シーンに即したビートルズソングが聴きもの
『イエスタデイ』



詳細はこちら↓

http://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/column/week-movie-c/1070084
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