四溝柿のさらし柿
これが四溝柿の晒し柿です。
四溝柿は渋柿です。
そのままでは、鳥さえもつつきません!
五十年程前私の生家では、柿が色付いて来ると、お風呂の残り湯で渋を抜きました。
全員が入浴後、丈夫なビニール袋に柿と塩、蓼の花等を入れ口をシッカリ閉めて、薪を少し焚いて適度な温度に保ち一晩放置します。
すると朝にはすっかり渋が抜けて甘くて美味しい柿になっているのです!
期間限定の故郷の味です!!
残念ながら
これは湯抜きではないようです…‥
外見も中味も綺麗過ぎます。
アルコールかドライアイス等で渋抜きした物だと思います。
それでも美味しいです!
皮を剥いて四等分した状態。
一溝分?はこんな感じです。
余所のお宅のたわわに実った四溝柿の実
晒す。
皮を剥いて干し柿にする。
など一手間掛けないと渋が酷くて食べられないので、毎年なり放題で放置されています。
『ずく』と言って木の上で熟した柿は美味しいらしいのですが、人間が見つける前に、野鳥が食べ尽くしています。
木守の実
晩秋
果樹の上に一つ二つ実が残っているのを見掛けることがあります。
あれは『木守の実』と言って敢えて残しているのです。
昔農家にとって柿は大切な果樹でした。
柿が全滅してしまわないように、一つ二つ残して、野鳥に食べて貰って種を少し離れた余所の場所に糞と一緒に落として貰うのです。
肥料付きの柿の種はドンドン大きくなって八年経つとまた色付いて来ます。
野鳥は害虫も食べてくれます。
冬には猟師が野鳥を捕獲して貴重なタンパク源としていました。
柿の実で歴史や文化の理解が進みます。
秋深し 残り湯焚いて 湯抜き柿
晒し柿 母の匂いの 甘き味 夢見るタンポポおばさん
島根県に住んでいた時に故郷の母が送ってくれた湯抜きの晒し柿
長距離で送るので、傷まないようにお湯の温度を加減したらしく、少し渋が残っていました。
はるばると 島根県迄 届いたり 夜なべの母の 湯抜きの柿が
四溝柿の湯抜きの晒し柿
秋になるとどうしても食べたい懐かしい故郷の味
大好き!!