みるい
『 みるい』は静岡県の方言です。
お茶の新芽が柔らかくて、新鮮な様子を表現します。
八十八夜を控えた今頃の茶園は、みるいお茶っ葉で、本当に美しいです。
みるいは、みりっこいとか、みりぃとか変化して、話し言葉の中で使われます。
お茶っ葉がみりっこいいとに、ひゃーくつまにゃあと、コワくなっちまうじゃぁ
訳
お茶の葉が、柔らかくて若くて、瑞々しい間に早く摘まないと、硬くて美味しくなくなってしまうでしょ
まだみりぃから、あっちの畑の葉っぱは、摘めにゃあよ…とか使います。
訳
未だ、少し若くて旨味が出ていないから、あちらの畑のお茶の葉は、摘むことは、出来ないですよ
と言うように使います。
みるいはお茶の葉だけでなくて、ゆで落花生とか、タケノコ等にも使います!
静岡県東部地方の名物
茹で落花生は、採りたてのみるい落花生を塩で茹でただけの食べ物です。
落花生とか、ピーナッツとは別物と考えた方が、理解し易い美味しさの静岡県東部人の心の食べ物です。
みりっこいいとに、食べにゃあとうまくにゃあさ…
しなすと言う小さくて、豆の形にもなっていないようなのが特に
好きと言う人もいる、みりっこさが魅力の食べ物です。
タケノコも、みりっこいいとが、勝負。
農民市場でも、みるいのから先に、売れて行きます!
みりっこい先っちょは、タケノコの刺身。
胡麻和え。
コワイのは、タケノコ御飯。
煮物。中華風料理に利用します。
みるいって方言なの??
先日市場でタケノコを買った時、
ワラビ、ゼンマイ等も一緒に買いました。
Г今朝採って来たばっかしだから、みるいよ!」と店員さんが言いましたので、
私が「みるいって静岡県の方言なんですよ。」と言ったら、
その場にいたお客さん迄「じゃあ標準語では、何と言うの」と異口同音に質問しました!
ウーン…
とても一口では、言い換えることは出来ません。
『みるい』は、標準語に一言で表現出来ない程の、素晴らしい方言なのです。
将来性を持った最高のものを、未だ若くて惜しいなぁと言う時に『みるい』と
表現しているのですね…
みりっこいいとに、摘んだり、採って食べるから、伸びて行く若々しいエネルギーが貰えるのだと思います。
人間に使うみるいは全く逆の意味
『みるい』は人間にも使いますが、食べ物と違って、未だ若くて青臭いね…という全く逆の意味です。
外から来た人は、みるいと言われて喜んでいてはいけません。
静岡県中部地方の人は良く使いますが、東部地方の人の方が穏やかな気質なので使いません。
先日の市場の人たちも、人間に対して使うと言うことさえ知りませんでした!
(もちろん私も東部地方の人ですよ!)
みるいに未来と言う字をあてると、人間のみるいも味が出ます。
みるいと言われた人も頑張って、コワくなって下さいね!!
もうじき八十八夜
新茶の季節です。
みるい若い芽を摘んで作った飲み物。
ぜひお召し上がり下さいませ!!
元 丸亀製茶の娘夢見るタンポポおばさんより