大晦日の日は、廊下を行きかう人々が紅白歌合戦のことについて、よく話していた。孫までがEメールで私が聴いたこともない歌手の名前をあげ、その歌手のフアンであることを言ってきた。
それならば、歌の苦手な私も、少しは聴いて話の仲間に入らなくてはと思い、しばらく見ていた。しかし、少しも興味が湧かない、とうとう30分ほどで他のチャンネルに変えてしまった。見たい番組があったわけではない。チャンネルを切り替えたらアンデルセンの番組になった。作者と作品についての、放映のようだった。
私は「裸の王様」「醜いあひるの子」「赤い靴」などを読んで少しは馴染みがある。「マッチ売りの少女」は好きで何回も読んだ。作者についてはデンマークの小説家ということしか、知らなかった。
貧しい靴直し屋の子どもとして生まれ,挫折や失恋を何度も繰り返しあまり恵まれた一生を送っていなかったこと、それが童話にも影響を与え、美しく甘く切ない作品に仕上がっていることも初めて知った。
そんな思いを持ちながら読んでみると子供の時とは異なる情感があることに気付くのではないだろうか。
テレビ番組では岩崎ちひろ絵、「人魚姫」を紙芝居で「赤い靴」を朗読で流していた。「赤い靴」をもう一度読んでみようとネットで検索し読み始めたがテレビで聴いたものがたりと翻訳者が違うのか古い文体が気になって途中で止めてしまった。それに残酷な場面もでてくる。幼い子供たちに読ませてもよいものだろうかと、ふと不安がよぎった。また我々の時代と違って今の子供たちは
このような童話に関心を持つだろうか?自信がない。時代の変化が早すぎて全く自信がない。(E)
童話の世界