毎日散歩する道路脇の田にタニシを見つけた。30匹か40匹はいたと思う。田の持ち主が持ち帰らず一時的に集めていたものと思っていた。ところが、一週間たっても、現状は意向に変わらずそのうちに、注水が始まり水の勢いで2メートル四方へと散ってしまった。
考えてみれば今は農薬を使うので、田の中にいるタニシを食べる人は多分いないとあとで思った。
私が小学生の頃通学路はのんびりした気配が漂い通学時間は子供の足で45分もかかった。家と学校のちょうど中間あたりには、幾つもの田が広がり綺麗な2メートル幅の小川も流れていた。夏の暑い日や退屈な通学途中では、よくここで遊んで帰ったものである。勿論タニシも取った。そのタニシを家に持ち帰ったと思うのだがどのようにして食べたか記憶がない。
主人に尋ねたら子供の頃やはりタニシをとり家でも水瓶に土を入れて飼っていたという。冬さえ越せば簡単に増え、それも食べていたそうだ。始めに泥を吐かせるため、きれいな水に移す。数日経過したあと、そとの殻も綺麗に洗い、茹でる。楊子で身の部分を取り出し、酢味噌あえにする。これが一番美味しかったと思い出したように云う。時には茹でた分葱をいれたとか。私は大人になってから、田楽の専門店で串に刺したものを食べたことがあるが、市販されているかどうか分からない。
家では毎年田楽パーティーをしていたが、面倒なタニシは使ったことがなかった。(E)
無花果畑の水路