とあるエリアでデザイン性の高い住宅を建て、
業績がこの10年間で好調であった住宅会社が、
12月に自社の全株をある会社に売却しました。
弊社のあるクライアント様にとって、
5年後はガチのライバルになるであろう、
と思っていたのですが、ちょっと残念です。
業績好調な会社が、自社を売る理由は、
大体理由が2つしかありません。
1つは、経営者が大金を手にしたい場合。
ITの世界などではよくありますね。
後もう1つは、後を任せられる後継者が不在な場合。
お子さんがおられなかったり、
お子さん自身が会社を継ぐ意思がない場合、
また社員さんの中に任せられる人がいない場合、
自社を売却するという決断をする経営者もいます。
今回のケースはどちらなのかは分かりませんが、
会社を売却すると、社員さんやOBさんはどうなるか、
ということは知っておく必要があるでしょう。
以前、お付き合いがあったクライアント様の2社が
自社株を他の会社に売ったのですが、
その2社に共通して起こったことは、
「90%以上の社員さんが2年以内に退職した」
ということです。
社員さんからすれば、自社のオーナーが
自社を売却する話を突然、言われる訳で、
まさに「寝耳に水」なんですね。
当然、社員さんはショックで、
更に自社の経営者が変わることに不安を感じ、
数年以内に別の道を歩む決断をされる方が多い。
実際、この会社を発展させるのに大きく貢献した、
広報担当者が12月で退職されたそうです。
そしてショックなのは社員さんだけでなく、
OB施主様もショックなんですね。
ちなみに、私がコンサルになってから大変お世話になり、
自宅を建てていただいた以前のクライアント様も
自社株を売られましたので、
私自身、自社で家を建てた会社が売却した施主様の
気持ちがよくわかります。
一生、メンテナンスを安心してお任せでき、
良いお付き合いができると信じていたのですが、
それがかなわなかったのですね。
売却された会社の経営者の考え方が
私がお世話になった前経営者とあまりに異なり、
アフターのために訪問する度に出張費を請求します、
とか、訳の分からないことを突然通知されました。
その交通費を払いたくなかったら、
プレミアムクラブに加盟して下さい、
その加入のためにかかる費用はこれだけです、
という一方的な通知が届いたりもしました。
「会社を売却するなら、まともな会社にして欲しい」
と正直、思いました。
当然、売却した後の会社とは、
メンテナンスの相談は一切、しておりませんし、
お付き合いをするつもりもありません。
会社を売却するという決断は、
このような結果を生む可能性がある、
ということを知っておくと良いでしょう。
そして売却せずにしっかりと事業継承できる組織を
弊社のクライアント様とはつくっていきたいと思っています。