長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

寒山拾得

2010-05-11 07:35:21 | Weblog
先日、ひさしぶりに、「四国の南條です」
から始まる電話があった。南條観山先生だ。
天真庵の2階には、先生とNYにいって個展を
やった時に書いた「寒山拾得」(かんざんじゅっとく)の絵
が飾ってある。寒山と拾得という、ふたりの人物の禅的な会話や
世界を描いたもので、禅林や画家たちが、よく好んで描いた世界だ。
大塚「江戸一」をこよなく愛したある先生は、「寒山が文殊菩薩、拾得が
普賢菩薩の生まれ変わりで、そんなことを知らない日本人は日本人じゃない」
と生前語っておられた人もいる。

昨日の昼、若い女性がカウンターに座った。蕎麦を食べ、ほぼブラジルを
飲み干したころ、「なんか京都みたい」と、京都弁ぽくいった。
聞くと、京都からきたらしい。若い人がいく最新の京都の情報を
あまたきくことができた。しばらくして、二階にあがられ、下りてきたら、
「二階に寒山拾得が飾ってあるんやね」と、またまた京都弁でいった。
おもわず「そやねん」と、いって、南條さんの話、京都時代の話などをした。

ら、彼女が一枚のCDをカバンから空けた。そして、「これかけて、いいですか?」
と京都弁できいたので、「ええで」と答えて、さっそく聴いてみた。
歌詞カードは、奈良さんや村上隆さんの世界みたいな、不思議なアニメがのって
いる。「ボーカロイド」というヤマハが開発して大ヒットしたソフト(メロディーと
歌詞を入力することで、人の声を歌っているように合成できる)をつかって、アニメ
のキャラクターの声と、作曲者の作曲した声がCDから流れてくる。

先月の「伝授の会」で、天真庵デビューしたMOGMOSくんと、いろいろ
そのへんの話をしたので、ある程度は、そんな世界があることは知っていたが、
こんなに洗練された音楽になっているのにびっくりした。思わず、
「この音楽も京都っぽいな」と、京都女子にいったら、「この人、
じゅっとくの創始者の長男なんです」と京都弁でいった。
「そうなんや」と、思わず納得。「じゅっとく」、京都には、「拾得」
という伝説的なライブハウスがある。ぼくが学生の時もあったけど、
今も伝説が続いているようだ。なんだかうれしくなった。

明日は、「伝授の会」
これからの「蕎麦打ち」さんが蕎麦を打ち、お客さんに供す。
そして「これから」の新人のアーティストさんが、元気な蕎麦
に負けないくらい元気な音楽を表現する日だ。
こんなに楽しい企画は、めったにない。
「出番」と「出番」がコラボレーションする日。
「宅録の音楽」も「オタク」も流行りだが、ときどきは
家の外で、蕎麦を「生」で喰ったり、音楽を「生」で聴いたり、
人と「生」で話したりすることが、やはり大切ではなかろうか?
明日の「下町ひざよせライブ」は、19時から。2000円(蕎麦・珈琲・チャージ含)

22日は、nobieと太宰百合さんが天真庵デビュー19時オープン。(4000円・蕎麦会含む)
23日は「墨田ぶらり下町音楽祭」・・チケットも残り少なし、恋せよ乙女状態。

6月4日は、富川勝智さんのギターライブ。これもまた楽しみだ。

今日は「英語で蕎麦会」 いろいろな蕎麦や蕎麦会があって楽し。感謝。

7月は「ベートーヴェンの夕べ」を企画中。